【ITニュース解説】Understanding the Difference Between Subquery, CTE, and Stored Procedure

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Understanding the Difference Between Subquery, CTE, and Stored Procedure」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

SQLのデータ操作には、Subquery、CTE、Stored Procedureがある。Subqueryはクエリ内にネストする一時的な処理。CTEは複雑なクエリを読みやすくする一時的な結果セット。Stored Procedureはデータベースに保存し、繰り返し実行する汎用的な処理で、それぞれ用途が異なる。

ITニュース解説

SQLデータベースプログラミングにおいて、クエリの整理や最適化に役立つ重要なツールとして、サブクエリ、CTE(Common Table Expression)、そしてストアドプロシージャの3つがある。これらは時として似たような目的で使われることもあるが、それぞれ異なる役割と独自の強みを持っている。システムエンジニアを目指す初心者でも、これらの違いを理解することは、効率的で保守しやすいデータベース操作を行う上で理解しておくべき基本的なツールである。

サブクエリとは、別のSQLクエリの内部に埋め込まれたクエリのことを指す。これは、メインのクエリが実行される前に、データを絞り込んだり、集計したり、形を変えたりするために頻繁に利用される。例えば、SELECT文、FROM句、WHERE句、HAVING句など、さまざまな場所に配置できる。具体的な例として、従業員テーブルから、全従業員の平均給与よりも高い給与を持つ従業員を抽出する際には、内部のサブクエリで平均給与を計算し、その結果をもとに外部クエリが従業員を絞り込む。サブクエリは呼び出されるたびに実行され、単一の値だけでなく、複数の行やテーブル全体を返すことも可能だ。手軽にインラインでロジックを記述できる利点がある一方で、多用しすぎるとパフォーマンスの低下を招く可能性もあるため、注意が必要である。

Common Table Expression (CTE) は「共通テーブル式」と訳され、WITH句を用いて作成される一時的な結果セットのことである。これは、SQLクエリの内部で一時的にテーブルのようなものを作り、それをその後のクエリで参照できるようにする仕組みだ。CTEを使うと、複雑なクエリの構造が格段に分かりやすくなり、コードの可読性が向上する。また、一度定義したCTEは同じクエリの中で複数回参照できるため、コードの重複を減らし、クエリをモジュール化するのに役立つ。例えば、顧客ごとの合計注文量を計算し、それに基づいて顧客に順位をつけるような複雑な集計を行う場合、CTEで中間結果を作成し、それをメインクエリで利用することで、処理の流れを分かりやすくできる。CTEは、組織の階層構造のような、再帰的なデータ(自分自身を参照するデータ)を処理する際にも非常に強力な機能を発揮する。ただし、CTEはあくまで一時的なもので、そのクエリが実行されている間しか存在しない。そのため、別のセッションや別のクエリから再利用することはできず、必要に応じてその都度再定義する必要がある。

ストアドプロシージャは、複数のSQLステートメントや、条件分岐、繰り返しといったプログラミングのロジックをまとめたもので、データベースに保存して繰り返し利用できるようにしたものだ。サブクエリやCTEとは異なり、ストアドプロシージャは独立したプログラムのように機能し、必要に応じて何度でも呼び出すことができる。例えば、「HR部門」に所属する全ての従業員を表示するような、頻繁に実行される一連の処理をストアドプロシージャとして保存しておけば、単にその名前を呼び出すだけで定義されたSQL処理が実行される。ストアドプロシージャの大きな特徴は、パラメーター(引数)を受け取ることができたり、プログラミング言語のような条件分岐(IF文)やループ処理(WHILE文)といった制御フローロジック、エラーが発生した際の処理、複数のSQL文を一つのまとまった処理(トランザクション)として実行する機能などをサポートすることだ。さらに、ストアドプロシージャはデータベースサーバー上で実行されるため、アプリケーションとデータベース間のネットワークのやり取りを最小限に抑え、パフォーマンスの向上に貢献する。また、特定のユーザーにプロシージャの実行権限のみを与え、内部のテーブルへの直接アクセスを制限することで、セキュリティを強化することも可能である。

これらのツールは、それぞれ最適な利用シーンが異なる。サブクエリは、単一のクエリ内で一時的なフィルタリングや計算を行う際に便利だ。CTEは、複雑なクエリの可読性を高め、モジュール化し、再帰的なデータ処理を行う場合に非常に有効である。そして、ストアドプロシージャは、再利用性、パラメーターによる柔軟な対応、セキュリティの強化、パフォーマンスの向上を目的とした、より独立したデータベースロジックを実装するのに適している。これらのツールを適切に使い分けることは、データベースを使った作業を効率的かつ効果的に進める上で非常に重要だ。