Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】TargetJS: a UI framework where time is declarative (no async/await chains)

2025年09月14日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「TargetJS: a UI framework where time is declarative (no async/await chains)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

TargetJSはWeb UI開発の新フレームワーク。async/awaitを使わず、`$`や`$$`で非同期処理(アニメーション、データ取得等)を簡単に書ける。UIやデータ等を「ターゲット」で統一し、複雑な処理も順序立てて書けて、リアルタイム処理が多いアプリ開発に役立つ。

ITニュース解説

TargetJSは、Webサイトやアプリケーションの見た目や操作性(ユーザーインターフェース、略してUI)を開発するための新しいJavaScriptフレームワークである。現代のWebアプリケーション開発において、特に「非同期処理」と呼ばれる、時間がかかったり、いつ終わるかわからなかったりする処理をどう扱うかという大きな課題に対して、根本的に異なるアプローチを提案している点が特徴だ。

システムエンジニアを目指す初心者がまず直面する難しさの一つに、この非同期処理の扱いがある。例えば、Webページを開いたときにサーバーからデータを取得して表示したり、ボタンをクリックしたらアニメーションを再生したり、画像ファイルをアップロードしたりといった処理は、その完了を待たずに次のコードが実行されてしまうため、コードの記述順と実際の実行順が必ずしも一致しない。これまでのJavaScriptでは、こうした非同期処理を扱うために、「コールバック関数」や「Promise(プロミス)」、そして近年導入された「async/await(アシンク・アウェイト)」といった仕組みが使われてきた。

コールバック関数は、ある処理が終わったときに呼び出される関数を指定する方法だが、処理が複雑になると複数のコールバック関数が入れ子になり、「コールバック地獄」と呼ばれる読みにくいコードになりがちだった。Promiseは、非同期処理の完了や失敗を表現するオブジェクトで、処理のチェーン(連鎖)を記述しやすくしたが、それでも複雑な条件分岐や複数の非同期処理を組み合わせる際には、Promiseオブジェクトの管理やエラーハンドリングが煩雑になることがあった。async/awaitはPromiseをより直感的に書けるようにする構文で、まるで同期処理(上から順に実行される処理)のように見えるが、それでもawaitキーワードを適切に配置する必要があり、非同期処理の概念自体を理解していることが前提となるため、初心者にとっては依然として学習コストが高い。

TargetJSは、これらの既存のアプローチとは一線を画す。その核となるアイデアは、UIの表示、アプリケーションの状態管理、サーバーとのAPI通信、そしてアニメーションといった、フロントエンド開発におけるあらゆる要素を「ターゲット」という単一の概念に統一することだ。つまり、Webページ上のボタンも、サーバーから取得したデータも、画面がゆっくりと変化するアニメーションも、すべてが「ターゲット」として扱われる。

そして、この「ターゲット」間の実行の流れ、特に非同期処理の順序を決定するために、$(リアクティブ)と$$(ディファード)という二つのシンプルな接尾辞(Postfix)を使う。これがTargetJSが「時間が宣言的である」と表現する所以だ。

$(Reactive)は、「直前のターゲットが更新されるたびに実行する」という意味を持つ。これは、データが変更されたらUIを自動的に更新する、といったリアルタイムな反応を表現するのに役立つ。例えば、ユーザーが入力フォームに文字を入力するたびに、それに応じて別の表示内容が変わるようなケースだ。開発者は「このデータが変わったら、これを実行してほしい」と宣言するだけで、具体的な監視やイベントリスナーの設定といった複雑な処理はフレームワークが自動で行ってくれる。

一方、$$(Deferred)は、「直前のターゲットが行う全ての操作が完全に完了した後にのみ実行する」という意味を持つ。これは、一連の処理を順番に、かつ確実に実行したい場合に非常に有効だ。例えば、「ボタンが追加されたら、そのボタンをアニメーションで表示し、そのアニメーションが完全に終わったら、さらに別の要素を追加し、その要素もアニメーションで表示し、そのアニメーションも終わったら、サーバーからデータを取得し、最後にそのデータをユーザーに表示する」といった複雑な一連の流れを考えてみよう。従来のフレームワークでは、この各ステップの間にPromiseやasync/awaitを挟み込み、完了を待つためのコードを記述する必要があった。しかしTargetJSでは、これらのステップを$$で繋いでいくだけで、コードはまるで上から下へ読むステップリストのようにシンプルに書ける。各ステップの完了を待つための非同期処理の「配管」(具体的には、処理の開始と終了を管理し、次の処理を呼び出す仕組み)は、すべてTargetJSが裏側で自動的に処理してくれるのだ。

このアプローチの最大のメリットは、複雑な非同期処理やUIのフローを、まるで同期処理のように、上から下へ自然な流れで記述できる点にある。これにより、コードの可読性が格段に向上し、システムエンジニアを目指す初心者が直感的にプログラムの意図を理解しやすくなる。また、非同期処理の細かな制御やエラーハンドリングといった煩雑な作業から解放されるため、開発者はアプリケーションのビジネスロジックやUIの設計により集中できるようになる。結果として、開発効率が向上し、バグの発生も抑制されやすくなるだろう。

TargetJSが特に効果を発揮するのは、多くのアニメーションを伴うアプリケーションや、リアルタイムでデータを頻繁に取得・表示するようなアプリケーションだ。例えば、インタラクティブ性の高いゲーム、常に最新の情報を表示する必要があるリアルタイムダッシュボード、あるいは多くの画面遷移やアニメーションを含むリッチなシングルページアプリケーション(SPA)などが挙げられる。これらのアプリケーションでは、UIの状態管理と非同期処理の複雑な連携が常につきまとい、開発者の頭を悩ませる主要な原因となる。TargetJSの宣言的な時間の概念は、こうした状況において、開発者に大きな負担軽減をもたらし、より表現豊かでスムーズなユーザー体験を実現するための強力なツールとなるだろう。TargetJSは、フロントエンド開発における非同期処理の課題に対し、シンプルかつ強力な新しい解決策を提示し、より直感的で効率的な開発体験を目指している。

関連コンテンツ

【ITニュース解説】TargetJS: a UI framework where time is declarative (no async/await chains) | いっしー@Webエンジニア