【ITニュース解説】TypeScript VS Java

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ITニュース概要

TypeScriptとJavaは型付けが似ているが、TypeScriptはフロントエンド開発、Javaはサーバーサイド開発でよく使われる。TypeScriptはコンパイル時にJavaScriptに変換され、ブラウザで実行可能になる。JavaはJVM上で動作し、OSに依存しない。Webアプリ開発では、両言語の得意分野を考慮して選択する必要がある。

出典: TypeScript VS Java | Qiita公開日:

ITニュース解説

TypeScriptとJavaは、どちらもプログラムを作るための言語だけど、使われ方や特徴に違いがある。この記事では、特に「型付け」という点に着目して、この二つの言語の違いを説明する。 まず、型付けとは何かを簡単に説明する。プログラムは、コンピュータにどんな処理をさせるかを指示する命令の集まりだ。その命令の中で、データ(数字や文字など)を扱う必要がある。型付けとは、このデータがどんな種類のものなのかを事前に宣言することを指す。例えば、「これは数字です」「これは文字列です」というように、データの種類を明確にするんだ。 型付けには大きく分けて「静的型付け」と「動的型付け」の2種類がある。静的型付けは、プログラムを実行する前に、コンパイルという作業で型のエラーをチェックする。コンパイルとは、人間が書いたプログラムをコンピュータが理解できる言葉に翻訳する作業のことだ。Javaはこの静的型付けの言語だ。一方、動的型付けは、プログラムを実行している最中に型のエラーをチェックする。JavaScriptなどがこれにあたる。 TypeScriptは、JavaScriptに静的型付けの機能を追加した言語だ。つまり、JavaScriptの柔軟性を持ちながら、Javaのような厳密な型チェックもできる。これがTypeScriptの大きな特徴の一つだ。 Javaは、オブジェクト指向プログラミングを強く意識した言語だ。すべてのコードはクラスという設計図の中に書かれる。クラスは、データ(属性)と処理(メソッド)をまとめたもので、オブジェクトを作るための設計図のようなものだ。Javaは、大規模なシステム開発に向いていて、安定性や信頼性が求められる場合に多く使われる。例えば、企業の基幹システムやAndroidアプリの開発などで活躍している。 一方、TypeScriptは、主にWebブラウザで動くWebアプリケーションの開発に使われることが多い。Webブラウザで動くプログラムは、通常JavaScriptで書かれる。しかし、JavaScriptは動的型付けの言語なので、大規模な開発になると型のエラーが起こりやすくなる。そこで、TypeScriptを使うことで、JavaScriptの柔軟性を活かしつつ、型による安全性を高めることができる。 TypeScriptとJavaの型付けに関して、さらに詳しく見てみよう。どちらも静的型付けの機能を持っているが、型推論という点で違いがある。型推論とは、プログラミング言語が自動的に変数の型を判断する機能のことだ。 Javaでは、変数を宣言するときに必ず型を指定する必要がある。例えば、`int age = 20;` のように、`age` という変数が整数(int)であることを明示的に宣言する。一方、TypeScriptでは、初期値を設定する場合など、型を省略できる場合がある。例えば、`let age = 20;` と書いた場合、TypeScriptは自動的に `age` を数値型だと判断する。これを型推論と呼ぶ。 この型推論によって、TypeScriptはJavaよりもコードを短く書ける場合がある。しかし、型を明示的に書かないと、意図しない型のエラーが発生する可能性もあるので注意が必要だ。 TypeScriptとJavaは、どちらもオブジェクト指向プログラミングをサポートしている。クラスやインターフェースといった概念を使って、プログラムを構造化することができる。しかし、Javaの方がオブジェクト指向の機能がより強力で、言語仕様としてもオブジェクト指向を強く意識した設計になっている。 また、TypeScriptはJavaScriptの拡張なので、JavaScriptのライブラリやフレームワークをそのまま利用できる。これは、Web開発において大きなメリットとなる。例えば、ReactやAngular、Vue.jsといった人気のJavaScriptフレームワークと組み合わせて使うことができる。 一方、Javaは、Java Virtual Machine (JVM) という仮想マシン上で動作する。JVMは、異なるOS(Windows、macOS、Linuxなど)上でJavaプログラムを同じように動作させるための仕組みだ。そのため、JavaはOSに依存しないプログラムを書くことができる。 まとめると、TypeScriptとJavaは、どちらも静的型付けの機能を持つオブジェクト指向プログラミング言語だが、得意とする分野や特徴が異なる。Javaは、大規模で安定性が求められるシステム開発に向いており、TypeScriptは、Webアプリケーション開発において、JavaScriptの柔軟性を活かしつつ、型による安全性を高めるために使われることが多い。どちらの言語を選ぶかは、開発するアプリケーションの種類や規模、チームのスキルなどを考慮して判断する必要がある。初心者としては、Web開発に興味があるならTypeScriptから、大規模システム開発に興味があるならJavaから学ぶのが良いかもしれない。

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