【ITニュース解説】Writing a C compiler in 500 lines of Python

2025年09月05日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「Writing a C compiler in 500 lines of Python」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Pythonで記述された500行のCコンパイラが公開された。このコンパイラはC言語のサブセットを対象とし、Pythonの可読性を活かしてコンパイラの基本的な構造を理解しやすいように設計されている。初心者でもコンパイラの仕組みを学び、自作する足がかりになるかもしれない。

ITニュース解説

この記事は、「500行のPythonでCコンパイラを書く」という内容だ。これは、C言語というプログラミング言語を別の言語であるPythonを使って理解し、実行できるようにするプログラムを非常に短いコードで実現した例を示している。システムエンジニアを目指す初心者にとって、コンパイラの仕組みを理解する良い入門になる。

まず、コンパイラとは何かを説明する。コンパイラは、人間が理解しやすいプログラミング言語(ここではC言語)で書かれたコードを、コンピュータが直接実行できる形式(機械語やアセンブリ言語など)に変換するプログラムだ。コンパイラがないと、コンピュータはC言語のコードを理解できないため、プログラムを実行できない。

この記事のポイントは、Cコンパイラをわずか500行のPythonコードで実装している点だ。通常、コンパイラは非常に複雑で大規模なプログラムになることが多い。しかし、ここでは機能を絞り、簡略化することで、短いコードで基本的なコンパイラの機能を実装している。

このコンパイラがどのように動作するかを理解するために、コンパイラの基本的な処理の流れを見てみよう。一般的に、コンパイラは以下の段階を経てコードを変換する。

  1. 字句解析(Lexical Analysis): ソースコード(C言語のコード)をトークンと呼ばれる意味のある最小単位に分割する。例えば、int x = 10; というコードは、int, x, =, 10, ; というトークンに分割される。

  2. 構文解析(Syntax Analysis): トークン列を解析し、プログラムの文法的な構造を表現する構文木を生成する。構文木は、プログラムの構造を視覚的に表現したもので、どのトークンがどのように関係しているかを示す。

  3. 意味解析(Semantic Analysis): 構文木に対して、型チェックや変数の宣言状況の確認など、意味的な誤りがないかをチェックする。例えば、未定義の変数を使用していないか、異なる型の値を代入していないかなどを確認する。

  4. 中間コード生成(Intermediate Code Generation): 構文木を、機械語に近い中間的な表現に変換する。中間コードは、特定のCPUアーキテクチャに依存しないため、異なる環境でも実行しやすい。

  5. 最適化(Optimization): 中間コードを、より効率的に実行できるように改善する。例えば、不要な計算を削除したり、繰り返し処理を高速化したりする。

  6. コード生成(Code Generation): 最適化された中間コードを、最終的な機械語やアセンブリ言語に変換する。機械語は、コンピュータが直接実行できる形式であり、アセンブリ言語は、機械語を人間が読み書きしやすいように表現したものだ。

この記事のコンパイラは、これらの処理の一部を簡略化して実装していると考えられる。500行という短いコードで実装するために、高度な最適化や複雑な文法規則の解析は省略されている可能性が高い。しかし、基本的なコンパイラの動作原理を理解するには十分だ。

システムエンジニアを目指す初心者がこの記事から学べることは多い。まず、コンパイラの基本的な仕組みを理解できる。コンパイラがどのようにソースコードを解析し、機械語に変換するのかを学ぶことで、プログラミング言語の動作原理をより深く理解できるようになる。

また、Pythonを使ってコンパイラを実装することで、プログラミングスキルを向上させることができる。Pythonは、読みやすく書きやすいプログラミング言語であり、コンパイラの開発に適している。実際にコードを書いて実行することで、コンパイラの動作をより具体的に理解できるだろう。

さらに、この記事は、問題を解決するための創造的なアプローチを学ぶ良い機会になる。通常、コンパイラは非常に複雑なプログラムだが、機能を絞り、簡略化することで、短いコードで実装できることを示している。これは、システム開発においても重要な考え方であり、複雑な問題を分割し、段階的に解決していく能力を養うのに役立つ。

最後に、C言語とPythonという異なるプログラミング言語の関係を理解できる。C言語は、システムプログラミングや組み込み開発によく使用される言語であり、Pythonは、Web開発やデータ分析など、幅広い分野で使用される言語だ。これらの言語の特徴を理解することで、システムエンジニアとしてより幅広い知識を身につけることができる。

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