【PHP8.x】ctype_lower関数の使い方

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ctype_lower関数は、与えられた文字列がすべて小文字のアルファベットで構成されているかを判別する関数です。この関数は、引数として文字列または整数を受け取ります。

引数に文字列を渡した場合、ctype_lower関数はその文字列に含まれるすべての文字を一つずつ検査します。もし文字列内のすべての文字が、英語の小文字アルファベット('a' から 'z')であれば、この関数はtrue(真)を返します。しかし、文字列の中に大文字、数字、記号、スペース、またはその他の非アルファベット文字が一つでも含まれている場合、または文字列が空である場合、関数はfalse(偽)を返します。

引数に整数を渡した場合、その整数はASCII文字コードとして解釈され、対応する文字が小文字であるかが検査されます。例えば、整数 97(ASCIIで 'a' を表す)を渡すと true を返し、整数 65(ASCIIで 'A' を表す)を渡すと false を返します。この機能は、特定の文字コード値が小文字であるかを確認したい場合に役立ちます。

この関数は、ウェブアプリケーションでユーザーが入力したデータが特定の形式(例えば、すべて小文字のユーザー名)に従っているかを検証する際や、プログラム内部でテキストデータを処理する前にその文字種の妥当性を確認する際など、多様な場面で利用されます。例えば、ファイル名や識別子の命名規則が小文字のみであることを強制したい場合に有効です。ただし、この関数はASCII文字セットに最適化されているため、日本語のようなマルチバイト文字や、他の国際文字については期待通りの結果を返さない可能性があることにご留意ください。

基本的な使い方

構文(syntax)

<?php
$string1 = "helloworld";
$string2 = "Hello World";
$string3 = "123abc";

// 全ての文字が小文字であるかをチェックします
var_dump(ctype_lower($string1));
var_dump(ctype_lower($string2));
var_dump(ctype_lower($string3));
?>

引数(parameters)

mixed $text

PHP:

  • mixed $text: チェック対象の文字列。文字列でない場合はfalseを返します。

戻り値(return)

bool

引数として渡された文字列の全ての文字が小文字である場合にtrueを、そうでない場合にfalseを返します。

サンプルコード

PHP ctype_lower 関数による小文字チェック

<?php

// ctype_lower() 関数は、提供された文字列がすべて小文字のアルファベットであるかをチェックします。
// 非文字列の値が渡された場合、整数として解釈され、そのASCII値がチェックされます。
// 空の文字列は常に false を返します。

echo "--- ctype_lower() の使用例 ---" . PHP_EOL;
echo "結果は bool(true) または bool(false) で表示されます。" . PHP_EOL . PHP_EOL;

// ケース1: すべて小文字のアルファベットの文字列
$text1 = "helloworld";
echo "文字列: '" . $text1 . "'\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($text1)); // 期待値: true

// ケース2: 大文字が含まれる文字列
$text2 = "HelloPHP";
echo "文字列: '" . $text2 . "'\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($text2)); // 期待値: false

// ケース3: 数字が含まれる文字列
$text3 = "php8point4";
echo "文字列: '" . $text3 . "'\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($text3)); // 期待値: false (数字はアルファベットではない)

// ケース4: 特殊文字が含まれる文字列
$text4 = "php_language";
echo "文字列: '" . $text4 . "'\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($text4)); // 期待値: false (アンダースコアはアルファベットではない)

// ケース5: 空文字列
$text5 = "";
echo "文字列: '" . $text5 . "' (空文字列)\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($text5)); // 期待値: false

// ケース6: 数字のみの文字列
// PHP 8.1.0 以降では、数字文字列は整数にキャストされ、そのASCII値がチェックされます。
// 例えば "123" は整数 123 となり、ASCII 123 は '{' なので、小文字アルファベットではありません。
$text6 = "123";
echo "文字列: '" . $text6 . "' (数字文字列)\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($text6)); // 期待値: false

echo PHP_EOL . "--- 整数値を渡した場合の例 (ASCII値として解釈) ---" . PHP_EOL;

// ケース7: 整数 (ASCII 'a' = 97)
$ascii_a = 97;
echo "整数: " . $ascii_a . " (ASCII 'a')\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($ascii_a)); // 期待値: true

// ケース8: 整数 (ASCII 'A' = 65)
$ascii_A = 65;
echo "整数: " . $ascii_A . " (ASCII 'A')\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($ascii_A)); // 期待値: false

// ケース9: 整数 (ASCII '1' = 49)
$ascii_1 = 49;
echo "整数: " . $ascii_1 . " (ASCII '1')\n";
echo "  -> 結果: ";
var_dump(ctype_lower($ascii_1)); // 期待値: false

?>

PHPのctype_lower関数は、与えられた値がすべて小文字のアルファベットで構成されているかを判別する際に使用します。引数には$textとしてさまざまな型の値を渡すことができます。もし文字列が渡された場合、関数はその文字列のすべての文字が小文字のアルファベット('a'から'z')であるかを調べ、すべて小文字であればtrueを、そうでなければfalseを返します。例えば、「helloworld」のような文字列はtrueになりますが、「HelloPHP」のように大文字が含まれたり、「php8point4」のように数字が含まれたり、「php_language」のように特殊文字が含まれたりした場合はfalseとなります。特に空文字列を渡した場合は、常にfalseを返します。

文字列以外の値、例えば整数が渡された場合、ctype_lower関数はその整数をASCII値として解釈し、対応する文字が小文字のアルファベットであるかを判断します。例えば、ASCII値で小文字の「a」を表す「97」を渡すとtrueになりますが、大文字の「A」を表す「65」や数字の「1」を表す「49」を渡すとfalseになります。このようにctype_lower関数は、文字列が特定の形式(すべて小文字)であるかを確認するのに役立つ便利な関数です。

ctype_lower関数は、与えられた文字列が全て小文字のアルファベットのみで構成されているかを判定します。大文字、数字、特殊文字(アンダースコアなど)が一つでも含まれる場合はfalseを返します。空文字列もfalseとなりますのでご注意ください。

最も重要な注意点は、引数に文字列以外を渡した場合です。特に、数字のみの文字列(例: "123")や整数値(例: 97)を渡すと、これらは整数として扱われ、その数値に対応するASCIIコードが小文字のアルファベットであるかを判定します。この挙動は、期待する結果と異なる場合が多いため、誤解しやすいポイントです。安全に利用するためには、引数には必ず検査したい文字列型データを渡すように心がけてください。

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