Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【PHP8.x】ZEND_THREAD_SAFE定数の使い方

ZEND_THREAD_SAFE定数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 更新日:

基本的な使い方

ZEND_THREAD_SAFE定数は、PHPインタープリタがスレッドセーフに対応するようにコンパイルされているかどうかを表す定数です。この定数はPHPの内部的な定数であり、そのPHP実行環境が、複数の実行経路(スレッド)から同時にアクセスされても安全に動作するように設計されているか否かを示します。

「スレッドセーフ」とは、複数の処理が同時に進行する環境において、共有されるデータやリソースに対して同時にアクセスした場合でも、予期せぬ競合や不整合が発生せずにプログラムが正常に動作する性質を指します。PHPにおいては、特にWebサーバーのモジュール(例:Apacheのmod_php)として動作する際に、複数のユーザーからのリクエストが同時に処理されるため、このスレッドセーフ性が重要となります。

ZEND_THREAD_SAFE定数はブール値(真偽値)を保持します。この定数がtrueである場合、現在実行されているPHP環境はスレッドセーフとしてコンパイルされています。これは、PHPが複数のスレッドからの同時アクセスに対して安全に対応できるよう設計されていることを意味します。一方で、この定数がfalseである場合、PHPはスレッドセーフではない(ノンスレッドセーフ)としてコンパイルされており、通常は各リクエストが独立したプロセスで処理されるCLI(コマンドラインインターフェース)やFPM(FastCGI Process Manager)環境で利用されます。

システムエンジニアを目指す方にとって、この定数はPHPの実行環境の特性を理解する上で重要な指標となります。特定のPHP拡張機能やライブラリの中には、スレッドセーフな環境を前提とするものや、そうでない環境でのみ正しく動作するものがあるため、ZEND_THREAD_SAFE定数を確認することで、プログラムが動作するPHP環境がその要件を満たしているかを判断することができます。これにより、環境に応じた適切な処理の分岐や、不整合を避けるための対応が可能となります。

構文(syntax)

1<?php
2var_dump(ZEND_THREAD_SAFE);
3?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

戻り値なし

戻り値はありません

サンプルコード

PHPスレッドセーフ定数を確認する

1<?php
2
3/**
4 * ZEND_THREAD_SAFE 定数の使用例
5 *
6 * この定数は、PHPがスレッドセーフモードでコンパイルされているかどうかを示します。
7 * スレッドセーフなPHPは、マルチスレッド環境(例: Apacheのpreforkではないworker MPMやFPM)で
8 * 複数スレッドから安全にアクセスできるように設計されています。
9 *
10 * - true: PHPはスレッドセーフモードでコンパイルされています。
11 * - false: PHPはスレッドセーフモードではありません。
12 */
13function checkPhpThreadSafety(): void
14{
15    if (ZEND_THREAD_SAFE) {
16        echo "PHPはスレッドセーフモードでコンパイルされています。\n";
17        echo "これは通常、PHPがマルチスレッドWebサーバーモジュール (例: Apache httpd の worker MPM) と共に動作するように設計されていることを意味します。\n";
18    } else {
19        echo "PHPはスレッドセーフモードではありません。\n";
20        echo "これは通常、PHPがシングルスレッド環境 (例: CLI、FPM、Apache httpd の prefork MPM) で動作するように設計されていることを意味します。\n";
21    }
22}
23
24// 関数を実行して結果を表示
25checkPhpThreadSafety();
26

PHPの定数ZEND_THREAD_SAFEは、現在実行されているPHP環境が「スレッドセーフ」モードでコンパイルされているかどうかを示す特別な値です。この定数自体には引数はなく、何かの処理結果を返す戻り値もありません。PHPの内部的な状態を示すために使用されます。

この定数の値はブール値(trueまたはfalse)で表現されます。 もしZEND_THREAD_SAFEtrueの場合、PHPは複数の処理(スレッド)が同時に実行されても安全に動作するように設計されています。これは、Apache httpdサーバーの「worker MPM」のような、マルチスレッドでリクエストを処理するWebサーバーモジュールと共にPHPが動作する環境で一般的に見られます。

一方、ZEND_THREAD_SAFEfalseの場合、PHPはシングルスレッド環境での動作を前提としています。これは、コマンドラインインターフェース(CLI)でPHPを実行する場合や、PHP-FPM、Apache httpdサーバーの「prefork MPM」のように、各プロセスが独立して動作する環境で一般的です。

提供されたサンプルコードは、このZEND_THREAD_SAFE定数の値を確認し、PHPがスレッドセーフであるかどうかに応じて、ユーザーに分かりやすいメッセージを表示します。これにより、開発者は自身のPHP環境がどのような特性を持っているかを簡単に把握できます。

ZEND_THREAD_SAFE定数は、PHPがスレッドセーフモードでコンパイルされているかどうかを示すもので、実行時にプログラムから値を変更することはできません。この値はPHPのインストール方法や環境によって決まるため、開発環境と本番環境で異なる可能性がある点にご注意ください。アプリケーションの動作を直接制御するものではなく、現在のPHP環境がマルチスレッド対応かシングルスレッド対応かといった特性を確認するための情報として活用されます。一般的なWebアプリケーション開発でこの定数を直接利用する機会は稀ですが、PHPの実行環境の特性を理解する上で役立ちます。設定を変更する用途ではないことを理解しておくことが重要です。

PHPスレッドセーフ確認でZTS/NTSを判定する

1<?php
2
3/**
4 * 現在のPHP環境がスレッドセーフビルドであるかを確認するサンプルコード。
5 *
6 * ZEND_THREAD_SAFE 定数は、PHPがマルチスレッド環境で安全に動作するよう
7 * ビルドされている場合にのみ定義されます。この定数の存在は、
8 * PHPが「Zend Thread Safe (ZTS)」モードで動作していることを示します。
9 * 定義されていない場合は「Non Thread Safe (NTS)」モードです。
10 */
11function displayPhpThreadSafetyStatus(): void
12{
13    // ZEND_THREAD_SAFE 定数が定義されているかを確認します。
14    // 定義されていれば、PHPはスレッドセーフビルドです。
15    if (defined('ZEND_THREAD_SAFE')) {
16        echo "現在のPHP環境はスレッドセーフビルド (ZTS) です。\n";
17        // ZEND_THREAD_SAFE の値は通常 true (1) です。
18        echo "ZEND_THREAD_SAFE 定数の値: " . (ZEND_THREAD_SAFE ? 'true' : 'false') . "\n";
19    } else {
20        echo "現在のPHP環境は非スレッドセーフビルド (NTS) です。\n";
21        echo "ZEND_THREAD_SAFE 定数は定義されていません。\n";
22    }
23}
24
25// 関数を実行して、PHPのスレッドセーフ状態を表示します。
26displayPhpThreadSafetyStatus();

このサンプルコードは、現在のPHP実行環境が「スレッドセーフ」に対応しているかどうかを確認する方法を示しています。PHPには、複数の処理を同時に安全に実行できる「Zend Thread Safe (ZTS)」モードと、単一の処理に最適化された「Non Thread Safe (NTS)」モードがあります。

ZEND_THREAD_SAFEは、PHPがZTSモードでビルドされている場合にのみ定義される内部定数です。この定数の有無を調べることで、どちらのモードでPHPが動作しているかを判別できます。コード内ではdefined('ZEND_THREAD_SAFE')関数を使って定数が存在するかを確認し、その結果に応じてメッセージを表示しています。

もしこの定数が定義されていれば、PHPはZTSビルドであり、ZEND_THREAD_SAFE定数の値は通常true(整数値の1)となります。一方、定義されていなければNTSビルドです。この定数自体は値を保持するものであり、関数のように引数を受け取ったり、処理の結果を戻り値として返したりするものではありません。PHPのスレッドセーフ状態を把握することは、特定のWebサーバー構成やPHP拡張機能の選択において重要な情報となります。

ZEND_THREAD_SAFE定数は、PHPがマルチスレッド環境に対応するようビルドされている場合にのみ定義されます。そのため、常にこの定数が存在することを前提とせず、使用する際は必ずdefined()関数でその存在を確認することが重要です。定数の値そのものより、定義されているか否かで、現在のPHP環境がZend Thread Safe (ZTS) かNon Thread Safe (NTS) かを判断します。ZTSビルドは主にWebサーバーのモジュール版(例:Apacheのmod_php)で、NTSビルドはCLIやPHP-FPM(例:Nginxとの連携)などで一般的に利用されます。ご自身のPHP環境がどちらであるかを知ることで、適切なPHP拡張機能の選択や、より安定したシステム構築に役立ちます。

関連コンテンツ