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HDLC(エイチディーエルシー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

HDLC(エイチディーエルシー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

高水準データリンク制御 (コウスイジュンデータリンクセイギョ)

英語表記

HDLC (エイチディーエルシー)

用語解説

HDLC(High-Level Data Link Control)は、コンピュータネットワークのOSI参照モデルにおけるデータリンク層で動作する、通信プロトコルの一つである。主に二つのコンピュータやネットワーク機器間で、信頼性の高いデータ転送を実現するために設計されている。特に、ポイントツーポイント(一対一)接続やマルチポイント(一対多)接続において、データの誤り検出や再送制御、フロー制御といった重要な役割を担う。HDLCはビット指向プロトコルであり、データの送受信をビット単位で管理する。これは、特定の文字コードに依存せず、どのような種類のデータでも透過的に扱うことができるという特徴を持つ。もともとはIBMが開発したSDLC(Synchronous Data Link Control)を基に、国際標準化機構(ISO)によって標準化された経緯があり、その後の多くのデータリンク層プロトコルの基礎となった非常に重要な技術である。

HDLCの詳細を理解するためには、その通信の基本単位である「フレーム」の構造を知ることが不可欠である。HDLCフレームは、フラグ、アドレス、制御、情報、フレームチェックシーケンス(FCS)の各フィールドで構成される。まず、フレームの開始と終了を示すのが「フラグ」であり、「01111110」という特定のビットパターンが用いられる。このフラグにより、受信側はどこからどこまでが一つのデータ単位なのかを正確に認識できる。次に「アドレス」フィールドは、通信相手を識別するために使用される。特にマルチポイント接続において、どの端末(二次局)と通信しているのかを特定する役割を持つ。ポイントツーポイント接続では相手が一つしかないため、特定のデフォルト値が使われることが多い。「制御」フィールドは、そのフレームがどのような種類のものであるかを示す非常に重要な部分である。フレームの種類は大きく三つに分類される。一つ目は「情報フレーム(Iフレーム)」で、実際に送信したいユーザーデータを含んでいる。このフレームには送信シーケンス番号と受信シーケンス番号が含まれており、データの順序が正しいか、抜けがないかを確認し、もし誤りがあれば再送を要求する順序制御と誤り制御を実現する。二つ目は「監視フレーム(Sフレーム)」で、データそのものは含まず、通信の状態を管理するために使われる。例えば、相手からのデータを受信できる状態か、一時的に停止してほしいかといったフロー制御や、特定のフレームの再送要求などに用いられる。三つ目は「非番号制フレーム(Uフレーム)」であり、通信リンクの確立や切断、通信モードの設定といった、データ転送の前提となる基本的なリンク制御を行うために使用される。このフレームはシーケンス番号による管理の対象外となる。「情報」フィールドは、Iフレームにのみ存在し、上位層から渡されたIPパケットなどの実データが格納される部分である。最後に「フレームチェックシーケンス(FCS)」は、送信中にデータが破損していないかを検出するための誤り検出符号である。送信側はフレームの内容からCRC(巡回冗長検査)という方式で計算した値をFCSとして付加し、受信側も同様に計算して値が一致するかを確認する。一致しなければ、そのフレームは破損していると判断し、破棄した上で再送を要求する。また、HDLCでは、データ本体の中にフラグと同じ「01111110」のパターンが出現してしまうと、フレームの終端と誤認される問題がある。これを防ぐために「ビットスタッフィング」という技術が用いられる。これは、送信側でデータ中のビット「1」が5回連続した場合、その直後に強制的に「0」を挿入する処理である。受信側では、「1」が5回連続した後の「0」を自動的に削除することで、元のデータを復元する。これにより、データの透過性を保ちつつ、正確なフレーム同期が可能となる。通信モードには、一次局(マスター)が全ての通信を制御する「正規応答モード(NRM)」や、両局が対等な立場で通信を開始できる「非同期平衡モード(ABM)」などがある。現在では、主にポイントツーポイント接続で使われるABMが主流となっている。HDLC自体が今日のインターネットで直接利用される場面は少なくなったが、PPPやISDNのLAPD、フレームリレーなど、多くの後継プロトコルがHDLCの概念を基盤としており、その技術的な重要性は依然として非常に高いと言える。

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