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HDTV(エイチディーティービー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

HDTV(エイチディーティービー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ハイビジョンテレビ (ハイビジョンテレビ)

英語表記

HDTV (エイチディーティービー)

用語解説

HDTVとはHigh Definition Televisionの略称であり、日本語では高精細度テレビジョンまたは高品位テレビと訳される。従来の標準画質テレビ(SDTV:Standard Definition Television)と比較して、より高い解像度と広範囲な画面比率を持つ映像規格の総称である。テレビ放送のデジタル化に伴い普及し、映像体験の質を飛躍的に向上させた技術として知られている。システム開発においても、映像を扱うシステムやアプリケーションでは、HDTVの規格を基礎知識として理解しておくことが重要となる。

HDTVの最も大きな特徴は、その高精細な解像度にある。SDTVの解像度が、日本のNTSC方式において概ね720×480ピクセルであったのに対し、HDTVでは主に2種類の規格が定義されている。一つは1280×720ピクセル、もう一つは1920×1080ピクセルである。総ピクセル数で比較すると、SDTVが約34万画素であるのに対し、HDTVはそれぞれ約92万画素、約207万画素となり、情報量が格段に増加した。これにより、映像のきめ細やかさや奥行き、臨場感が大幅に向上し、細部のディテールまで鮮明に表示することが可能となった。

画面の横と縦の比率を示すアスペクト比も、HDTVを定義する重要な要素である。従来のSDTVが4:3であったのに対し、HDTVでは16:9のワイドスクリーンが標準となっている。この16:9という比率は、人間の視野特性に近いとされており、映画などのコンテンツを画面いっぱいに表示できるため、より没入感の高い視聴体験を提供する。システム開発の観点からは、ユーザーインターフェースを設計する際に、この16:9というアスペクト比を前提としたレイアウトを考慮する必要がある。

HDTVの映像表示には、走査方式と呼ばれる技術が深く関わっている。これにはインターレーススキャン(飛び越し走査)とプログレッシブスキャン(順次走査)の2種類があり、解像度と組み合わせて「1080i」や「720p」のように表記される。末尾の「i」がインターレース、「p」がプログレッシブを意味する。インターレーススキャンは、1フレームの画像を奇数番目の走査線と偶数番目の走査線に分け、これらを交互に高速で表示する方式である。少ないデータ量で高いフレームレートを実現できるため、放送帯域が限られるテレビ放送で広く採用された。一方、プログレッシブスキャンは、1フレームの画像を上から下へ一度にすべて表示する方式である。ちらつきがなく静止画の表示に優れているため、コンピュータのディスプレイなどで標準的に用いられる。動きの速い映像ではインターレース特有の櫛状ノイズが発生しないため、プログレッシブの方が画質面で有利とされる。

HDTVは映像だけでなく、音声品質も大幅に向上させている。SDTV時代のステレオ音声(2チャンネル)から、5.1チャンネルサラウンドサウンドのような多チャンネル音声に対応した。これにより、前後左右からの音響表現が可能となり、映像と合わせて臨場感を高めることに貢献している。音声データの圧縮方式としては、主にDolby Digital (AC-3) やMPEG-2 AAC (Advanced Audio Coding) が採用されている。

これほど高精細な映像と多チャンネルの音声を放送電波で伝送するためには、効率的なデータ圧縮技術が不可欠である。日本の地上デジタル放送(ISDB-T)やBSデジタル放送(ISDB-S)におけるHDTV放送では、映像圧縮にMPEG-2 Video、音声圧縮にMPEG-2 AACが採用された。これらの技術により、限られた帯域幅の中で高品質な映像と音声を家庭に届けることが可能となった。

HDTVの普及に伴い、テレビと再生機器を接続するインターフェースもアナログからデジタルへと移行した。その代表格がHDMI(High-Definition Multimedia Interface)である。HDMIは、非圧縮の映像信号と音声信号を一本のケーブルでデジタル伝送できる規格である。デジタル信号のまま伝送するため、アナログ変換時に発生する信号の劣化がなく、高画質な映像を忠実に表示できる。また、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)という著作権保護技術も組み込まれており、コンテンツの不正コピーを防止する役割も担っている。

HDTVは、テレビ放送の歴史における大きな転換点であり、その技術基盤は現在の4Kや8Kといった超高精細度テレビジョン(UHDTV)へと継承・発展している。システムエンジニアとして映像関連の技術に携わる上で、HDTVで確立された解像度、アスペクト比、走査方式、データ圧縮、伝送インターフェースといった基本概念を理解しておくことは、最新の映像システムを把握するための重要な第一歩となる。

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