intra-mart(イントラマート)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

intra-mart(イントラマート)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

イントラマート (イントラマート)

英語表記

intra-mart (イントラマート)

用語解説

intra-martとは、株式会社NTTデータ イントラマートが開発・提供する、企業の様々な業務システムを効率的に開発・運用するためのソフトウェア基盤である。デジタルプロセストランスフォーメーションプラットフォームとも呼ばれ、業務プロセスの自動化やデジタル化を強力に支援する役割を担う。システム開発において、ログイン認証、ユーザー・組織管理、ポータル画面といった、多くのアプリケーションで共通して必要となる機能をあらかじめ備えているため、開発者はこれらの機能を個別に作り込む必要がない。その結果、アプリケーション固有の業務ロジックの実装に集中でき、開発期間の短縮とコストの削減、そしてシステム全体の品質の均一化を実現する。企業内には人事、経理、営業支援など多種多様なシステムが散在しているが、intra-martという一つの共通基盤上にこれらを統合することで、システム間のデータ連携を容易にし、全社的な情報活用や一貫したガバナンスの維持を可能にする点が大きな特徴である。

intra-martが提供する機能は多岐にわたるが、その中核を成すのはシステム共通基盤、ワークフロー、そしてローコード開発の三つの要素である。まず、システム共通基盤である「Accel Platform」は、intra-mart上で動作する全てのアプリケーションの土台となる部分である。これには、ログイン時の本人確認を行う認証機能、ユーザーや所属組織ごとにアクセスできる機能やデータを制御する認可機能、各システムへの入り口となるポータル機能、多言語対応のための国際化機能などが標準で搭載されている。これらの堅牢な基盤機能を利用することで、セキュリティレベルが高く、拡張性に優れた安定したシステムを短期間で構築することが可能となる。次に、intra-martを代表する機能がワークフローエンジン「IM-Workflow」である。これは、稟議書や経費精算、各種申請書といった、組織内での承認プロセスを電子化するための仕組みである。単に紙の書類を電子フォームに置き換えるだけでなく、申請内容に応じて承認ルートを自動で分岐させたり、複数の担当者が同時に承認作業を進める並列承認を行ったり、担当者不在時に代理者が承認を行ったりするなど、日本の企業文化に合わせた複雑で柔軟な承認フローをGUIベースで設定できる。これにより、承認プロセスの迅速化と可視化が図られ、意思決定のスピード向上やペーパーレス化によるコスト削減が実現する。さらに、誰がいつ何を承認したかの証跡がシステム上に正確に記録されるため、内部統制の強化にも大きく貢献する。そして、近年特に注目されているのがローコード開発機能である。プログラミングの専門知識が少ない担当者でも、画面部品をドラッグ&ドロップする直感的な操作で業務アプリケーションの入力画面を作成できる「IM-FormaDesigner」や、データの処理フローを視覚的に定義できる「IM-LogicDesigner」といったツール群が提供されている。従来であればシステム開発部門に依頼する必要があったような業務改善やツールの作成を、業務を最も深く理解している現場の担当者が自ら行う「市民開発」を促進し、IT部門の負荷を軽減しつつ、現場のニーズに即したシステムを迅速に提供することを可能にする。

これらの機能に加え、intra-martはBPM(Business Process Management)の概念も取り入れており、業務プロセス全体を可視化し、継続的に改善していくための機能も提供する。業務の流れをモデル図として描き、実際の業務がその通りに実行されているかをモニタリングすることで、ボトルネックとなっている箇所を特定し、プロセスの最適化を図ることが可能である。また、外部システムとの連携機能も豊富に用意されている。ERPやCRMといった基幹システムや、各種クラウドサービスとデータを連携させるためのアダプタを利用することで、既存のシステム資産を有効活用しながら、intra-martをハブとして企業全体のシステムを有機的に繋げることができる。intra-martを導入することで、企業は開発効率の飛躍的な向上、品質の標準化と保守性の向上、そして業務プロセスの標準化とガバナンス強化といった多くのメリットを享受できる。このように、intra-martは単なる開発ツールではなく、企業の業務プロセス全体をデジタル化し、継続的な改善を促すことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を支援する統合プラットフォームとしての役割を担っている。システムエンジニアを目指す者にとって、intra-martのようなプラットフォームの知識は、企業の課題解決に直結するシステムを効率的に構築するための重要なスキルとなる。