【ITニュース解説】Lenovo Legion Go 2 hands-on: Powerful upgrades but with an even higher price

2025年09月05日に「Engadget」が公開したITニュース「Lenovo Legion Go 2 hands-on: Powerful upgrades but with an even higher price」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Lenovoの新型ゲーミングハンドヘルド「Legion Go 2」は、強力なRyzen Z2 Extremeチップや大容量バッテリー、8.8インチOLEDを搭載し、大幅に性能が向上した。着脱式コントローラーも健在だ。しかし、前モデルから大幅に価格が上昇しており、購入には注意が必要となる。

ITニュース解説

Legion Go 2に関するニュースは、携帯型ゲームPCの最新の進化を示すものだ。このデバイスは、携帯ゲーム機のように持ち運びが可能でありながら、高性能なパソコンとしての機能を備え、特にゲームを快適に楽しむために設計されている。システムエンジニアを目指す皆さんは、このような最新のハードウェアがどのような要素で構成され、どのような進化を遂げているのかを理解することで、将来のシステム設計や開発において、ハードウェアとソフトウェアの連携を深く理解するのに役立つだろう。

まず、Legion Go 2の外観から見ていこう。本体のデザインは、前モデルのLegion Goとほとんど変わっていない。特徴的なのは8.8インチという大きな有機ELディスプレイ(OLED)で、これは非常に鮮やかで高いコントラストの映像を表示できる。ディスプレイのリフレッシュレートは可変で最大144Hzに対応しており、これは1秒間に画面が書き換わる回数を表す数値だ。この数値が大きいほど、ゲーム中の動きがなめらかに見え、特に素早い動きが要求されるゲームで有利に働く。さらに、VESA HDR TrueBlack 1000認証を取得しており、これは高い輝度と深い黒を表現できる優れた映像品質を保証する規格だ。ディスプレイの性能は、視覚体験に直結するため、ゲーミングPCにとって非常に重要な要素となる。

このデバイスの最大の特徴の一つは、着脱式のコントローラーだ。左右のコントローラーは本体から簡単に取り外して使用できるため、ユーザーは本体をスタンドで立てて、コントローラーを手に持って離れてプレイするなど、自由なスタイルでゲームを楽しめる。特に右側のコントローラーは、垂直マウスとして機能する「FPSモード」を備えており、付属のパックやスタンドと組み合わせることで、シューティングゲームなどでより精密な照準操作が可能になる。ジョイスティックには「ホールエフェクト」方式が採用されている。これは、従来の物理的な接触ではなく磁気センサーを利用することで、摩耗に強く、意図しない入力(スティックドリフト)が発生しにくいというメリットがある。これはハードウェアの耐久性と信頼性を高めるための重要な技術選択だ。

接続性やその他の機能も充実している。デュアルUSB 4ポートを搭載しており、これは非常に高速なデータ転送や、モニターや外部ストレージといった多様な外部機器との接続を可能にする最新のUSB規格だ。また、内蔵タッチパッドやキックスタンドも前モデルから引き継がれており、PCとしての利便性を高めている。多くの競合製品がケースを別売りにする中、Legion Go 2にはケースが付属するという点も、ユーザーにとっては嬉しい配慮だろう。ただし、コントローラーの着脱方法は前モデルから変更がなく、ボタンを押してスライドさせる方式は、一部の最新デバイスで採用されているマグネット式システムと比較すると、やや手間がかかると感じられるかもしれない。

今回のLegion Go 2の最も重要な進化は、その内部スペックにある。プロセッサ(CPU)には、最大でAMD Ryzen Z2 Extremeチップが搭載可能となった。CPUはパソコンの「頭脳」にあたり、これが高性能であるほど、ゲームやアプリケーションの処理速度が格段に向上する。Z2 Extremeチップは、前世代のZ1 Extremeよりもさらに高い処理能力を持つため、より要求の厳しい最新のゲームも快適に動作させることが期待される。

メモリ(RAM)も最大32GBまで強化された。RAMはパソコンが一時的にデータを保存しておく「作業机」のようなもので、容量が大きいほど同時に多くのアプリケーションを動かしたり、重いゲームをスムーズに動作させたりできる。32GBという大容量は、現在のゲーミングPCとしても最高峰の部類に入るため、将来的な要求にも十分対応できるだろう。

ストレージ(データの保存場所)も最大2TBのPCIe Gen 4 SSDが選択可能だ。SSDは従来のHDD(ハードディスクドライブ)よりも圧倒的に高速で、ゲームの起動時間やロード時間を大幅に短縮する。PCIe Gen 4という規格は、さらにその中でも最速クラスのデータ転送速度を持つ。2TBという容量は、多数のゲームタイトルや大容量のファイルを保存するのに十分なスペースを提供する。さらに、microSDカードリーダーも引き続き搭載されているため、必要に応じてストレージ容量を拡張することも可能だ。

そして、携帯機器にとって非常に重要な要素であるバッテリーも大きく強化された。Legion Go 2は74Whr(ワット時)のバッテリーを搭載しており、これは前モデルの49.2Whrから約50%もの増量となる。バッテリー容量が増えることで、一度の充電でより長くゲームをプレイしたり、作業したりできる時間が伸びる。これは持ち運びを前提としたデバイスにとって、ユーザー体験を大きく左右する改善点である。

ニュース記事の筆者はデモ機に触れる機会があったものの、十分にゲームを試すことはできなかったため、具体的なゲームパフォーマンスの向上については判断を保留している。しかし、Lenovo独自の管理アプリケーションである「Legion Space」の動作が、よりスムーズで洗練されたと感じられたという。これはソフトウェアの最適化が進んだことを示唆しており、ユーザーインターフェースの改善も、システム全体の使いやすさに貢献する。このデバイスはWindowsを基本OSとして採用しているため、Steamなどのゲームプラットフォームだけでなく、通常のWindowsアプリケーションも利用できるという汎用性を持っている。

総じて、Legion Go 2は、前モデルの優れた点(大型OLEDスクリーン、着脱式コントローラー、充実した接続性など)を継承しつつ、内部性能、バッテリー持続時間、ソフトウェアの洗練度を大幅に向上させた、より強力で洗練された製品と言える。8.8インチという大型ディスプレイを搭載しているため、本体のサイズ感は依然として大きめだが、これは優れた視覚体験とのトレードオフと考えれば納得できる点だろう。Windowsベースの高性能なハンドヘルドPCを探しているユーザーにとって、注目に値する一台であることは間違いない。

しかし、これらの強力なアップグレードには、当然ながらコストがかかる。Legion Go 2は、その高性能に見合った、大幅に高い価格設定となっている。オリジナルモデルがベース価格700ドルからだったのに対し、Legion Go 2は最低でも1,049ドルからとなる見込みだ。公式情報では、米国でのベースモデルが1,100ドル、上位モデル(Ryzen Z2 Extreme、32GB RAM、1TBストレージ)は1,350ドルと発表されている。これは、最新の高性能パーツを搭載し、開発コストもかかっているためだが、消費者にとっては大きな出費となる。高性能なゲーミングPCを手のひらサイズで持ち運びたいというニーズに応える一方で、価格の高さは、Steam Deckのようなより手頃な価格帯の競合製品の魅力を再認識させる要因となっている。技術の進化と市場価格のバランスは、システムエンジニアとして製品開発を考える上でも常に意識すべき重要な要素だ。

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