【ITニュース解説】The best Apple Watch in 2025
2025年09月18日に「Engadget」が公開したITニュース「The best Apple Watch in 2025」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Apple Watchの新モデルSeries 11, SE 3, Ultra 3が登場。共通S10チップと常時表示を搭載し、Series 11は標準、SE 3は入門、Ultra 3は高性能。センサー、ディスプレイ、バッテリー、素材、価格が各モデルで異なり、用途に合わせた選び方が重要だ。
ITニュース解説
2025年、Apple Watchのラインナップが刷新され、高性能な「Apple Watch Series 11」、入門モデルの「Apple Watch SE 3」、そして最上位モデルの「Apple Watch Ultra 3」が登場した。昨年はアップデートが見送られたSEとUltraモデルだが、今年は待望の大型アップデートが施されている。多くの人にとっておすすめは引き続きSeries 11だが、他の二つのモデルもそれぞれ魅力が増し、自分の用途に合った一台を選びやすくなった。
まず、Apple Watchの基本的な前提として、iPhoneとの連携が必須となる。Androidスマートフォンとはペアリングできないため、すでにiPhoneユーザーであることが前提となる。ただし、iPhone自体はGarminやFitbitといった他社のウェアラブルデバイスとも連携できる点は理解しておくべきだ。
今回の新モデルに共通して搭載されているのが、S10 SiPという高性能な処理チップと、AI関連の処理を高速化する4コアのNeural Engineだ。このチップにより、Siriへの音声リクエスト、音声入力、翻訳、ワークアウトの自動検出、さらには手を触れずに操作できるダブルタップや手首のフリックといったジェスチャー機能が、デバイス上で直接処理されるため、より高速でスムーズに動作する。
センサー類も進化している。全モデル共通で、心拍数を測る光学式心拍センサー、体温センサー、コンパス、高度計、加速度計、ジャイロスコープ、光センサーが搭載されている。これに加え、Series 11とUltra 3には、より精密な心拍モニターが搭載されており、これにより新たに高血圧の兆候を検出する機能が利用可能になった。また、これら上位二つのモデルは、心電図(ECG)の生成、血中酸素レベルの測定、水温や水深の検出といった、より高度な健康・環境モニタリング機能も備えている。 どのモデルを選んでも、万一の際に役立つ転倒検出機能と衝突検出機能は標準搭載されており、Apple Payを利用するためのNFC(近距離無線通信)も全てでサポートされる。通信機能については、Series 11とSE 3のセルラーモデル、そしてUltra 3は標準で5Gネットワークに対応する。特にUltra 3は、衛星経由でのSOS、メッセージング、そして「探す」機能が利用可能となり、携帯電話の電波が届かない場所でも安心感が増した。
ディスプレイも全モデルで常時表示に対応した。これにより、手首を上げなくても常に時刻や情報が確認できる。Series 11とUltra 3の広視野角OLEDディスプレイは、より広い角度からでも表示が見やすい。最大輝度では、SE 3が1,000ニト、Series 11が2,000ニト、Ultra 3が3,000ニトと、上位モデルになるほど明るさが向上している。特に日差しの強い屋外などでも視認性が高まる。また、Series 11とUltra 3は最低輝度を1ニトまで落とせるため、暗い場所での使用時に眩しさを感じにくい。Ultra 3には、特定の文字盤で画面全体を赤く表示して夜間視力を保護するナイトモードも追加されている。 ケースサイズは、SE 3が40mmと44mm、Series 11が42mmと46mm、Ultra 3は49mmの一種類のみとなる。ケース素材は、SE 3がアルミニウム製(スターライト、ミッドナイトの2色)、Series 11はアルミニウム(ローズゴールド、シルバー、スペースグレイ、ジェットブラック)またはチタン(ナチュラル、ゴールド、スレート)から選べる。Ultra 3はチタン製のみ(ナチュラル、ブラック)となる。
バッテリー駆動時間もモデルによって異なる。SE 3は約18時間、Series 11は約24時間、Ultra 3は約42時間の駆動が可能だとされている。これらは通常使用時の目安であり、低電力モードを活用すればさらに長時間使用できる。低電力モードでは、SE 3が最大32時間、Series 11が38時間、Ultra 3が72時間までバッテリーが持続する。また、全モデルが高速充電に対応しており、SE 3とUltra 3は45分で80%まで、Series 11は30分で80%まで充電が完了する。
フィットネスとウェルネスの機能は、基本的な部分では全モデル共通だ。アクティビティアプリは、「ムーブ(消費カロリー)」「エクササイズ(運動時間)」「スタンド(立ち上がった時間)」の3つのリングで日々の運動量を追跡し、目標達成に応じてバッジやアニメーションが表示される。内蔵センサーが運動の種類や強度を検出し、光学式心拍センサーが心拍数や消費カロリーを計測する。また、AIを活用した「Workout Buddy」機能も全モデルで利用できるが、これにはAIに対応したiPhoneとBluetoothヘッドホンが必要となる。オフラインマップ機能も全モデルで利用でき、電波の届かない場所でのハイキングなどで役立つ。しかし、頻繁にオフグリッドな環境で活動するなら、Ultra 3の衛星接続機能は特に魅力的な選択肢となるだろう。
Siriは、どのApple Watchモデルでも利用できる。「手首を上げて話す」機能により、「Hey Siri」と呼びかけなくても、手首を口元に近づけるだけでSiriがリクエストを認識する。前述の通り、S10 SiPチップの搭載により、ワークアウトの開始やタイマー設定といったシンプルなリクエストは、外部ネットワークへのアクセスなしでデバイス内で処理されるため、反応がより高速になった。ただし、テキストの送信や天気予報の取得など、ネットワーク通信が必要なリクエストについては、GPSのみのモデルの場合、近くにiPhoneがあるか、あるいはセルラーモデルであればWi-Fiまたは携帯電話ネットワークに接続している必要がある。
環境への配慮に関して、Appleはかつて一部のアルミニウムケースモデルをカーボンニュートラル製品と称していたが、現在はその表現を修正している。しかし、すべてのモデルが「環境負荷を低減する」ように設計されており、2030年までにカーボンニュートラルを達成するという同社のコミットメントは変わらない。
価格は、今回の新しいラインナップでも据え置きとなった点が特筆される。Apple Watch SE 3は249ドルから、Series 11は399ドルから、そしてUltra 3は799ドルからとなっている。最も安価なSE 3のGPSモデル(40mm、250ドル)と、最も高価なUltra 3(49mmチタンケース、GPS+セルラー、799ドル)の間には550ドルの価格差がある。Series 11の場合、42mmの非セルラーアルミニウムモデルが399ドルから、46mmのチタン製セルラーモデルは749ドルまで価格が上がる。バンドの種類によっても価格が変動するため、購入時にはこれらのアクセサリー費用も考慮に入れるべきだ。
これらのApple Watchは、専門家による長期的な実機テストを経て評価されている。Engadgetの編集者は、2015年の初代Apple Watch発売以来、すべてのモデルを数日から数週間にわたり実際に腕に着けて、ランニング、ジムでの運動、ハイキング、睡眠中など、様々な状況でその機能やiPhoneとの連携、パフォーマンスを検証している。他のスマートウォッチとの比較も行い、客観的な視点から推奨モデルが決定されている。
総合的に見ると、Apple Watch SE 3は手頃な価格で基本的なスマートウォッチ機能とフィットネス追跡機能を求めるユーザーに最適だ。Apple Watch Series 11は、より高度な健康モニタリングやディスプレイ性能、質感の高いケース素材を求める一般的なユーザーに最もバランスの取れた選択肢となる。そして、Apple Watch Ultra 3は、アウトドア活動を頻繁に行うユーザーや、最高の耐久性、バッテリー寿命、そして最も包括的な健康・環境センサーを求めるプロフェッショナルなユーザー向けのプレミアムモデルと言える。
どのモデルも水深50メートルまでの耐水性能を備えており、水泳などでも使用できる。Ultra 3はさらに進んだ水深100メートルまでの耐水性能を持つ。各モデルのセンサーや機能の差を理解し、自身のライフスタイルや予算に最も合った一台を選ぶことが重要だ。