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MIMEマルチパート(マイムマルチパート)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

MIMEマルチパート(マイムマルチパート)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

MIMEマルチパート (マイムマルチパート)

英語表記

MIME multipart (マイム マルチパート)

用語解説

MIMEマルチパートは、インターネット上で電子メールやWebコンテンツなどのメッセージを送信する際に、単一のメッセージ内に複数の異なる種類のデータを効率的に、かつ正しく扱うための標準的な仕組みである。インターネットが誕生した当初の電子メールは、7ビットASCIIテキスト、つまり英数字や基本的な記号のみしか扱えず、画像や音声、日本語のような非ASCII文字、さらには添付ファイルのようなバイナリデータを直接送信することはできなかった。この制約を解決するために開発されたMIME(Multi-purpose Internet Mail Extensions)という規格が、メッセージの本文を複数の部分(パート)に分割してそれぞれ異なるデータタイプを格納できるようにした機能がMIMEマルチパートである。これは現代の多様なコンテンツの送受信において不可欠な技術であり、電子メールだけでなく、WebアプリケーションにおけるファイルアップロードやAPI通信など、幅広い分野で利用されている。

MIMEマルチパートについて詳しく見ていく。まず、MIMEとは、電子メールのヘッダにいくつかの情報(MIME-Version, Content-Type, Content-Transfer-Encodingなど)を追加することで、テキスト以外のデータや非ASCII文字をメールで送信するための標準規格である。このMIME規格が提供する機能の一つが、メッセージの本文を複数の部分に分割するマルチパート機能だ。メッセージのContent-Typeヘッダが「multipart/」で始まる場合、そのメッセージはマルチパート形式で構成されていることを意味する。

マルチパートメッセージの核心は、メッセージ全体を構成する複数のサブパートを区切るための「boundary(境界)」という文字列にある。このboundaryはContent-Typeヘッダのパラメータとして定義され、メッセージの本文中で各サブパートの開始と終了を示すマーカーとして機能する。各サブパートは、それぞれが独立したContent-TypeヘッダとContent-Transfer-Encodingヘッダを持つことができるため、あるサブパートにはプレーンテキスト、別のサブパートには画像ファイル、さらに別のサブパートにはHTMLドキュメントといった形で、異なる種類のデータを混在させることが可能になる。

具体的なマルチパートのContent-Typeにはいくつかのサブタイプが存在し、それぞれ異なる用途を持つ。最も一般的なものはmultipart/mixedである。これは、複数の独立したコンテンツを順不同で含める場合に用いられ、例えばテキストの本文と添付ファイルが複数ある電子メールでよく使用される。各サブパートがContent-Disposition: attachmentというヘッダを持つことで、添付ファイルとして扱われることを受信側に指示できる。

次にmultipart/alternativeがある。これは、同じ内容を異なる形式で提供する場合に利用される。典型的な例はHTML形式の電子メールである。受信側のメールクライアントがHTMLメールを表示できない場合や、ユーザーがテキスト形式を好む場合に備えて、プレーンテキスト形式のサブパートとHTML形式のサブパートの両方を含める。受信側は、表示可能な形式の中で最もリッチなもの、あるいはユーザー設定に基づいて最適なサブパートを選択して表示する。これにより、受信環境に依存せず、常に最適な形で情報を届けられる。

multipart/relatedは、互いに関連性のある複数のコンテンツを送信する場合に用いられる。例えば、HTMLドキュメントとそのドキュメント内に埋め込まれる画像やスタイルシート、スクリプトなど、関連するリソースをまとめて送る際に適している。この場合、各サブパートはContent-IDヘッダを持ち、HTMLドキュメント内ではcid:スキームを用いてこれらのリソースを参照する。これにより、HTMLドキュメントとそれに必要なリソースが一つのメッセージ内で完結し、正しく表示される。

他にも、Webアプリケーションでファイルをサーバーにアップロードする際に用いられるmultipart/form-dataがある。これはHTTPプロトコルの一部として、フォームのフィールドデータとファイルデータをまとめてサーバーに送信するための形式である。

マルチパートメッセージ内の各サブパートに含まれるデータは、必要に応じてContent-Transfer-Encodingヘッダで指定された方式でエンコードされる。例えば、バイナリデータはBase64エンコーディングで、非ASCIIのテキストデータはQuoted-Printableエンコーディングで、それぞれ7ビットASCII文字のみで表現できる形式に変換されてから送信される。これにより、メールの経路途中でデータが破損することなく、正しく受信者に届けられる。

このように、MIMEマルチパートは、単一の通信で多様なデータを統合的に扱うことを可能にする基盤技術である。現代の電子メールクライアントが添付ファイルやHTMLメールを当たり前のように表示できるのも、Webブラウザがファイルアップロードをサポートできるのも、このMIMEマルチパートという仕組みが下支えしているからに他ならない。システムエンジニアにとって、MIMEマルチパートは単なるメールの添付機能ではなく、インターネット上のデータ交換における柔軟性と効率性を実現するための重要な概念として理解しておくべきである。

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