Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

PDPC(ピーディーピーシー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

PDPC(ピーディーピーシー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

プロセス決定計画図 (プロセス ケッテイ ケイカクズ)

英語表記

PDPC (ピーディーピーシー)

用語解説

PDPCは、Process Decision Program Chart(プロセス決定計画図)の略称であり、新QC7つ道具の一つに数えられる、複雑な計画を立てる際に役立つ思考ツールである。この手法の主な目的は、目標達成までのプロセスにおいて発生しうるあらゆる事態、特に望ましくない問題や障害を事前に予測し、それらに対する適切な対策や代替案をあらかじめ準備しておくことで、計画の確実性を高めることにある。特に、過去の経験が少ない新規プロジェクトや、複数の部門が連携する複雑なシステム開発など、不確実性の高い状況下での計画立案においてその真価を発揮する。PDPCを活用することで、潜在的なリスクを可視化し、それらに対する準備を整えることで、目標達成への経路をより頑健で柔軟なものにすることができる。

詳細について説明する。PDPCは、漠然とした目標を具体的な行動計画に落とし込み、その実行過程で遭遇しうる問題と、それに対する解決策を視覚的に整理するプロセスである。具体的な作成手順は以下のようになる。まず、達成すべき最終目標を明確に設定する。次に、その目標に至るまでの主要なステップやプロセスを時系列に沿って洗い出し、記述する。これらのステップは、計画の全体像を把握するための基盤となる。各ステップが記述されたら、次に、それぞれのステップにおいて発生する可能性のある問題点や障害、あるいは好ましくない結果を徹底的に予測し、洗い出す。この際、なぜそのような問題が発生するのか、その原因も合わせて検討することが重要である。問題の洗い出しが完了したら、それぞれの問題に対する対策案や回避策、あるいは問題が発生した場合の対処方法を具体的に検討し、記述する。複数の対策案が考えられる場合は、それらすべてを列挙することが望ましい。さらに、提案された対策案自体が新たな問題を引き起こさないか、二次的な影響がないかといった点も考慮に入れる。最後に、これらの一連の流れ、すなわち目標、ステップ、問題、対策案を線で結び、図として表現する。この図を通して、目標達成への最も確実なルート(標準ルート)だけでなく、問題が発生した場合の代替ルートや予備ルートも明確になる。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、PDPCは特に重要性が高いツールである。システム開発プロジェクトは、要件定義、設計、開発、テスト、運用といった多くのフェーズから成り立ち、それぞれのフェーズで技術的な課題、人間関係の問題、予期せぬ仕様変更など、様々な不確実性が伴う。例えば、要件定義フェーズでは「顧客の要望が不明確である」という問題が、設計フェーズでは「特定技術の採用が困難である」という問題が、開発フェーズでは「想定以上にバグが発生する」といった問題が発生する可能性がある。PDPCを用いることで、これらの潜在的な問題をプロジェクトの初期段階で予測し、「顧客との定期的なレビューを増やす」「代替技術を事前に調査しておく」「単体テストの計画をより詳細化する」といった具体的な対策を事前に計画に盛り込むことができる。これにより、プロジェクトの遅延やコスト超過といったリスクを大幅に低減し、手戻りを最小限に抑えながら、よりスムーズなプロジェクト遂行を可能にする。また、チームメンバー全員でPDPCを作成するプロセス自体が、プロジェクトのリスクに対する共通認識を醸成し、問題発生時の迅速な対応を促す効果も期待できる。

PDPCのメリットは多岐にわたる。まず、計画の全体像と潜在的なリスクが視覚的に明確になるため、計画の抜け漏れを防ぎ、精度を高めることができる。次に、問題が発生する前に対応策を準備することで、実際に問題が発生した際のパニックを避け、冷静かつ迅速な意思決定と行動が可能になる。これにより、プロジェクトの停滞を防ぎ、目標達成への道のりをより確実に歩めるようになる。また、チームや関係者間でのコミュニケーションを促進し、潜在的な課題や対策について共通認識を持つことができるため、一体感のあるプロジェクト運営に寄与する。これは特に大規模で複雑なプロジェクトにおいて、関係者間の認識齟齬によるトラブルを未然に防ぐ上で非常に有効である。

一方で、PDPCを作成する際にはいくつかの留意点も存在する。一つは、その作成には相応の時間と労力がかかるという点である。特に網羅的に問題と対策を洗い出そうとすると、多くの時間を要することがある。そのため、プロジェクトの規模や重要度に応じて、どこまで詳細にPDPCを作成するかを適切に判断する必要がある。また、問題の予測や対策案の立案には、ある程度の経験や知識が求められる。経験の浅いチームだけでは、重要なリスクを見落としてしまう可能性もあるため、経験豊富なメンバーのアドバイスや協力が不可欠となる場合がある。さらに、過度な予測や対策案の検討は、かえって非効率を生む可能性もあるため、実現可能性や費用対効果を考慮しながら、実用的な範囲での対策を検討することが重要である。これらの点を踏まえ、PDPCは計画の堅牢性を高める強力なツールとして、システム開発プロジェクトにおいて効果的に活用できる。

関連コンテンツ