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scandisk(スキャンディスク)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

scandisk(スキャンディスク)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

スキャンディスク (スキャンディスク)

英語表記

scandisk (スキャンディスク)

用語解説

scandiskは、MS-DOSおよびWindows 9x系のオペレーティングシステムに搭載されていた、ハードディスクやフロッピーディスクといった記憶媒体の健全性を検査し、必要に応じて修復を行うための重要なユーティリティツールである。その主な目的は、ディスク上に発生した論理的なエラーや物理的な損傷を検出し、データを保護し、システムの安定稼働を維持することにあった。

コンピューターのデータは、ハードディスクなどの記憶媒体に、特定の形式(ファイルシステム)に従って記録されている。ファイルシステムは、ファイルやディレクトリ(フォルダ)がディスク上のどの場所に保存されているかを管理する「地図」のようなものだと考えると良い。scandiskが登場した時代には、主にFAT(File Allocation Table)ファイルシステムが使われていた。FATは、ディスクを小さな区画(クラスタ)に分け、それぞれのクラスタがどのファイルに属しているかを管理するテーブルである。

このファイルシステムは、コンピューターの電源が突然切れたり、アプリケーションが異常終了したりすると、その整合性が損なわれることがあった。例えば、ファイルへの書き込み中に電源が落ちると、ファイルシステムを管理する情報(FATやディレクトリ情報)が完全に更新されず、ディスク上のデータがどのファイルにも属さなくなってしまったり、逆に複数のファイルが同じクラスタを共有していると誤解されたりする現象が発生する。このような状態を「論理エラー」と呼ぶ。論理エラーは、ファイルが開けなくなったり、システムが不安定になったりする原因となるため、定期的なチェックと修復が必要とされた。

scandiskは、この論理エラーの検出と修復に優れた能力を発揮した。具体的には、以下の項目を検査し、問題があれば修正を試みた。まず、ファイルアロケーションテーブル(FAT)自体が正しい状態にあるかを確認する。FATに不整合があれば、修正を試みることで、ファイルが正しく認識されるようにする。次に、ディレクトリ構造の整合性を検査する。ディレクトリが正しくリンクされ、ファイルが適切な場所に配置されているかを確認し、破損したディレクトリ構造を修復する。

また、scandiskは「クロスリンク」と呼ばれる問題を検出して修正することができた。クロスリンクとは、複数のファイルがディスク上の同じクラスタを参照している状態を指す。これは、本来であれば各ファイルがそれぞれ異なるクラスタを参照すべきであるため、データが上書きされたり、どちらのファイルも正しく開けなくなったりする原因となる。scandiskは、このクロスリンクを検出すると、問題のあるファイルを分離し、可能な限りデータを保護しようと試みた。

さらに、「ロストクラスタ」の処理もscandiskの重要な機能の一つだった。ロストクラスタとは、ディスク上のデータが保存されているクラスタであるにもかかわらず、どのファイルにも、どのディレクトリにも属していないとファイルシステムが認識している状態のことで、いわば「迷子になったデータ」である。scandiskは、これらのロストクラスタを検出すると、それらを新しいファイルとして回復するか、あるいは完全に解放してディスク容量として利用可能にするかを選択するオプションを提供した。これにより、無駄なディスク容量を削減し、データの損失を防ぐことができた。

論理エラーのチェックだけでなく、scandiskは「ディスク表面のスキャン」という物理的な検査機能も備えていた。ハードディスクのディスク面には、製造上の欠陥や経年劣化、物理的な衝撃などによって、データの読み書きが困難になる領域が発生することがある。これらを「不良セクタ」と呼ぶ。scandiskは、ディスク表面を一つずつ読み取り、不良セクタを検出すると、そのセクタにデータを書き込まないように「マーク」を付けることで、以降のデータの破損を防いだ。これにより、OSは不良セクタを避けてデータを記録するようになり、データの信頼性を向上させることができた。また、不良セクタに既にデータが記録されていた場合、可能な限りそのデータを別の健全なセクタに移動させようと試みる機能も持っていた。

scandiskを定期的に実行することは、データの整合性を保ち、システムの安定性を維持するために不可欠であった。特に、当時はWindowsがまだ発展途上にあり、突然のフリーズや強制終了が比較的多く発生したため、scandiskによるファイルシステムのチェックは、データ損失を防ぐための重要な予防策として広く認識されていた。異常終了後には、次回起動時に自動的にscandiskが実行されるように設定されることも多く、これは当時のコンピューターユーザーにとって一般的な光景だった。

しかし、時代の流れとともに、オペレーティングシステムやファイルシステムは進化を遂げた。Windows 2000以降、scandiskは「chkdsk」(チェックディスク)というコマンドラインツールにその役割を引き継ぎ、より高度な機能と、より堅牢なファイルシステムであるNTFS(New Technology File System)への対応が強化された。NTFSは、ジャーナリング機能を持つことで、突然のシステム終了時でもファイルシステムの整合性を保ちやすいという特徴がある。これにより、論理エラーの発生頻度は大幅に減少したが、物理的なディスクの損傷や、稀に発生するファイルシステムの不整合に対応するためのディスクチェックツールの重要性は、現代においても変わらない。

scandiskが担っていた役割は、今日のコンピューティング環境においても、chkdskやその他のディスク管理ツールによって引き継がれている。これらのツールは、記憶媒体の健全性を保ち、我々の大切なデータを守る上で、今も昔も変わらずに重要な存在なのである。

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