Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

NTFS(エヌティーエフエス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NTFS(エヌティーエフエス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

エヌティーエフエス (エヌティーエフエス)

英語表記

NTFS (エヌティーエフエス)

用語解説

NTFS (New Technology File System) は、マイクロソフトが開発したファイルシステムである。主にWindows NT系オペレーティングシステム(Windows 2000、XP、Vista、7、8、10、11、およびWindows Serverシリーズなど)で標準的に採用されており、その登場以前の主流であったFAT(File Allocation Table)ファイルシステムに比べて、格段に高い信頼性、セキュリティ、大容量ストレージへの対応能力、そしてパフォーマンスを実現している。NTFSは、単一ユーザー向けのFATファイルシステムでは対応しきれない、今日のマルチユーザー環境や企業環境における高度な要件を満たすために設計された基幹技術である。データの整合性を保ち、機密情報を保護し、広大なストレージ領域を効率的に管理する上で、NTFSは不可欠な存在となっている。

NTFSの最も重要な特徴の一つは、その信頼性と堅牢性にある。これは「ジャーナリング機能」または「トランザクションログ」と呼ばれる仕組みによって実現されている。ジャーナリングとは、ディスクへのデータ書き込み処理を行う前に、その処理内容をログファイルとして記録しておくことである。例えば、新しいファイルを保存したり、既存のファイルを変更したりする際に、まず「このファイルをここに書き込む」という意図をログに書き込む。その後、実際のデータ書き込みが行われ、それが完了したらログの該当エントリを削除するという流れで処理が進む。もし、データ書き込みの途中で突然のシステム停止(停電、OSクラッシュなど)が発生した場合でも、OSが再起動した際にこのログをチェックすることで、未完了の処理を検出し、ファイルシステムの整合性が崩れるのを防ぐことができる。具体的には、不完全に書き込まれたデータを元に戻したり、処理を再実行したりして、ファイルやディレクトリの破損を最小限に抑え、ファイルシステムを一貫した状態に保つ。これは、FATファイルシステムではディスクエラーやシステムクラッシュが発生すると、しばしばファイルシステム全体が破損し、データが失われるリスクが高かったことと比べると、非常に大きな進歩である。また、NTFSは不良セクタの自動検出とマークアウト機能も備えており、物理的なディスクエラーが発生した場合でも、可能な限りデータの損失を防ぎ、安定した運用を支援する。さらに、「ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)」を用いることで、稼働中のファイルやアプリケーションデータを停止させることなく、特定の時点でのスナップショット(データの複製イメージ)を作成できるため、データのバックアップや復元、以前のバージョンへのロールバックが容易になり、災害復旧や誤操作からの回復力を高めている。

次に、セキュリティ機能の強化が挙げられる。NTFSでは、「アクセス制御リスト(ACL)」と呼ばれる仕組みを通じて、ファイルやフォルダに対するアクセス権限を非常に細かく設定できる。個々のユーザーやユーザーグループに対して、「読み取り」「書き込み」「実行」「削除」「変更」といった操作レベルだけでなく、「サブフォルダとファイルの作成」「属性の書き込み」など、非常に具体的な権限の許可や拒否を設定することが可能である。これにより、機密性の高い情報を保護し、特定のユーザーしかアクセスできないように制御したり、意図しない変更や削除を防いだりすることができる。これは、複数のユーザーが同じシステムや共有フォルダを利用する環境において、データの機密性と完全性を保つ上で不可欠な機能である。また、「暗号化ファイルシステム(EFS)」という機能も提供されており、特定のファイルやフォルダを暗号化して保存できる。EFSで暗号化されたファイルは、そのファイルを暗号化したユーザーの認証情報(デジタル証明書と秘密鍵)がなければ内容を読み取ることができないため、たとえ権限のないユーザーが物理的にドライブにアクセスしたり、ファイルをコピーしたりできたとしても、データの漏洩リスクを大幅に低減する。この暗号化はユーザーにとって透過的に行われ、適切な権限を持つユーザーは通常のファイルと同様にアクセスできる。

大容量ストレージへの対応もNTFSの大きな進化点である。FATファイルシステムにはファイルサイズやパーティションサイズに厳格な制限があり、現代のテラバイト級のストレージには対応できなかった。NTFSでは、理論上、単一ファイルが最大約16エクサバイト(1エクサバイトは100万テラバイト)まで、パーティションサイズも同様に巨大な容量まで扱うことが可能である。これにより、今日のサーバー環境や大容量メディアを扱うワークステーションにおいても、ファイルシステムの限界を気にすることなくデータを管理できる。また、ファイル名についても、Unicodeに対応し、最大255文字までの長いファイル名や、多様な言語の文字セットをファイル名に含めることが可能となった。

パフォーマンス向上に寄与する機能も複数備わっている。例えば、「ファイル圧縮機能」により、ディスク容量を節約するためにファイルやフォルダを透過的に圧縮できる。ファイルにアクセスする際には自動的に解凍され、ユーザーは圧縮されていることを意識せずに利用できるため、特に容量が限られる環境や、アクセス頻度の低いデータを保存する際に有効である。また、「ディスククォータ機能」は、ユーザーごとに使用できるディスク容量の上限を設定できるため、サーバーなどの共有環境で特定ユーザーによるディスクの過度な占有を防ぎ、リソース管理に役立つ。さらに、「ハードリンク」や「シンボリックリンク」のような高度なリンク機能もサポートされており、物理的にデータは一つにもかかわらず、複数の異なるパスから同じデータにアクセスできるような柔軟なファイル構成を可能にする。NTFSの核心は「マスターファイルテーブル(MFT)」と呼ばれる特殊なファイルにあり、すべてのファイルやディレクトリに関する情報(ファイル名、サイズ、タイムスタンプ、属性、データの実保存場所など、いわゆるメタデータ)がここに格納されている。NTFSはこのMFTを非常に効率的に管理することで、大規模なファイルシステムにおけるファイル検索やデータアクセス性能を向上させている。MFTはファイルシステム自体の一部として扱われ、冗長性も持たされているため、その堅牢性が全体の信頼性に貢献している。

最後に、互換性についてであるが、NTFSは主にWindows環境でその真価を発揮する。他のオペレーティングシステム、例えばmacOSやLinuxなどからNTFSフォーマットのドライブにアクセスする場合、通常、標準の状態では読み取りは可能でも書き込みが制限されたり、NTFSが持つACLやEFSといった高度なセキュリティ機能が利用できなかったりすることが多い。これは、NTFSがWindowsに特化した独自の設計思想と複雑な機能を含んでいるため、他OSがこれを完全にサポートするのが技術的に難しいことに起因する。そのため、異なるOS間でデータを頻繁にやり取りする際には、NTFS以外のファイルシステム(例えばFAT32やexFATなど)を選択するか、特定のドライバーソフトウェアを導入する必要がある場合がある。

これらの特徴により、NTFSは現代のWindows環境において、データの信頼性、セキュリティ、管理性、およびパフォーマンスを高いレベルで提供する、今日のITインフラを支える上で不可欠なファイルシステムとして機能している。

関連コンテンツ

関連IT用語