UHSスピードクラス(ユーエイチエススピードクラス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
UHSスピードクラス(ユーエイチエススピードクラス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
UHSスピードクラス (ユーエイチエススピードクラス)
英語表記
UHS Speed Class (ユーエイチエス スピードクラス)
用語解説
UHSスピードクラスとは、SDカードやmicroSDカードが持つデータ転送速度の性能を示す規格の一つである。特に、高解像度動画の撮影や高速連写など、連続したデータ書き込みが要求される用途において、安定した最低書き込み速度を保証するために定められた。これは、デジタルカメラやスマートフォンなどのデバイスが、SDカードに対して期待するデータ処理能力を満たしているかを確認するための重要な指標となる。
SDカードの普及とともに、データの高精細化が進み、従来の「スピードクラス」だけでは対応しきれない高速なデータ転送が必要となった。例えば、フルHD動画の撮影には毎秒数MBのデータ書き込みが必要だが、4Kや8Kといったさらに高解像度の動画になると、その要求速度は飛躍的に高まる。このような状況に対応するため、SDカードのインターフェース自体が高速化され、それに伴い新しい速度保証規格としてUHSスピードクラスが導入されたのである。
UHSスピードクラスの「UHS」とは「Ultra High Speed(ウルトラハイスピード)」の略であり、SDカードのインターフェース規格の進化を指す。従来のSDカードインターフェースと比較して、バス速度(データを転送するための経路の速度)が大幅に向上しているのが特徴だ。UHSインターフェースには世代があり、主にUHS-I、UHS-II、UHS-IIIが存在する。UHS-Iは最大で104MB/秒のバス速度を、UHS-IIは差動信号線を追加することで最大312MB/秒を、さらにUHS-IIIはフルデュプレックス通信を可能にすることで最大624MB/秒のバス速度を実現している。UHSスピードクラスは、このUHSインターフェースに対応したSDカード上で機能する速度保証規格である。
UHSスピードクラスには、主に「UHSスピードクラス1 (U1)」と「UHSスピードクラス3 (U3)」の二種類がある。UHSスピードクラス1は最低10MB/秒の書き込み速度を保証し、フルHD動画の撮影や一般的な高速連写に適している。SDカードには「U」の文字の中に「1」と書かれたロゴで表示される。一方、UHSスピードクラス3は最低30MB/秒の書き込み速度を保証し、4K動画の撮影やより高速な連写、RAWファイルの連続記録など、大容量データを高速で処理する必要がある用途に適している。こちらは「U」の文字の中に「3」と書かれたロゴで識別できる。
UHSスピードクラスは「最低保証速度」を示すものである点に注意が必要だ。SDカードのパッケージや仕様に記載されている「最大転送速度」は、理想的な条件下での理論上の最高速度であり、常にその速度が出るわけではない。しかし、UHSスピードクラスはどのような状況下でも保証される最低限の書き込み速度を示すため、特に動画撮影のように連続してデータを書き込む必要がある場面で、フレーム落ちや記録停止といったトラブルを防ぐ上で極めて重要な指標となる。
さらに、UHSスピードクラスの登場後、特に高精細・高フレームレートの動画記録に特化した「ビデオスピードクラス」という新たな規格も策定された。ビデオスピードクラスはV6、V10、V30、V60、V90といった種類があり、それぞれ最低6MB/秒から最低90MB/秒の書き込み速度を保証する。UHSスピードクラスとビデオスピードクラスは共にSDカードの速度性能を示すが、ビデオスピードクラスは動画撮影におけるより厳密な要件に対応するために設計されたものと理解すると良い。例えば、8K動画の記録にはV60やV90といった高帯域のビデオスピードクラスが求められることが多い。これらのクラスは、UHSスピードクラスと同様に、SDカード本体にロゴで表示されているため、購入時に確認することができる。
SDカードを選ぶ際には、UHSスピードクラス(またはビデオスピードクラス)だけでなく、デバイス側がその規格に対応しているかどうかも重要となる。例えば、UHS-II対応の高速なSDカードをUHS-Iにしか対応していない古いカメラに挿入しても、そのSDカード本来の高速性能は発揮されず、UHS-Iの最大速度に制限されてしまう。これは、高速道路の車線が増えても、入り口が一本道であれば渋滞が解消されないのと同じ原理である。したがって、最大限の性能を引き出すためには、SDカードとデバイス双方の規格が合致している必要がある。
システムエンジニアを目指す上で、このようなハードウェアのインターフェース規格とそれに関連する性能指標を理解することは非常に重要である。ストレージの選定は、システムのパフォーマンスに直結する要素であり、特にデータが大量に発生するIoTデバイスやエッジコンピューティング環境などでは、適切なSDカードの選定が安定稼働と性能向上に貢献する。UHSスピードクラスは、まさにそのようなストレージ性能を理解し、適切に活用するための基礎知識の一つと言える。