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VID(ブイアイディー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

VID(ブイアイディー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ビデオ (ビデオ)

英語表記

VID (ブイアイディー)

用語解説

VID(Vendor ID)は、USB(Universal Serial Bus)デバイスの製造元を一意に識別するために用いられる識別子である。システムに接続されるすべてのUSBデバイスは、自身がどのような種類のデバイスであり、またどのメーカーによって製造されたものであるかをシステムに伝える必要がある。このとき、VIDはそのデバイスの製造元、すなわちベンダーを識別する役割を担う。VIDは、PID(Product ID)と組み合わされることで、システムはそのデバイスが具体的にどの製品であるかを正確に特定できるようになる。これは、オペレーティングシステム(OS)が適切なデバイスドライバをロードし、デバイスとの通信を確立するために不可欠な情報となる。

VIDの割り当ては、USB Implementers Forum(USB-IF)という標準化団体によって厳密に管理されている。USB-IFは、USB規格の策定と管理を行う非営利団体であり、世界中のデバイスベンダーに対して重複しないVIDを割り当てる責任を負う。各ベンダーは、USB-IFに申請し、定められた費用を支払うことで、固有のVIDを取得する。この仕組みにより、市場に流通するすべてのUSBデバイスが、固有の製造元識別子を持つことが保証され、互いに競合することなくシステム上で共存できる環境が構築される。VIDは16ビットの数値形式で表現され、通常は16進数表記(例えば「0xABCD」のような形式)で扱われる。

システムにUSBデバイスが接続されると、OSはデバイスからVIDとPIDを含む情報(デバイスディスクリプタと呼ばれる)を読み出す。この情報をもとに、OSは内部のデバイスドライバデータベースを検索し、そのVIDとPIDの組み合わせに合致するドライバを見つけ出してロードする。例えば、WindowsのデバイスマネージャーでUSBデバイスのプロパティを確認すると、多くの場合、そのデバイスのVIDとPIDが表示される。この情報は、デバイスが正しく認識されているか、または適切なドライバが適用されているかを確認する上で非常に重要である。デバイスドライバの開発者は、特定のハードウェアに対応するドライバを作成する際、そのデバイスのVIDとPIDをドライバのインフォメーションファイル(一般に.infファイルなど)に記述する。これにより、OSはドライバとハードウェアを正確に紐付け、適切に機能させることが可能になる。

もしVIDが適切に割り当てられていなかったり、意図的に偽装されたりした場合、システムはデバイスを正しく識別できず、結果としてデバイスが動作しない、互換性の問題が発生する、あるいはセキュリティ上の脆弱性が生じるといった深刻な問題を引き起こす可能性がある。例えば、悪意のあるソフトウェアが正規のデバイスと異なるVID/PIDを偽装し、システムに誤ったドライバをロードさせようとするケースも考えられる。特に、組み込みシステムや特殊な用途のUSBデバイスにおいては、独自のVIDやPIDを持つことが多く、これらが正確に設定されていることが安定した動作の前提となる。また、仮想環境やUSBエミュレータなどでは、仮想的なVIDやPIDを設定することで、物理デバイスを模倣したり、テスト環境を構築したりする用途にも利用されることがある。

このように、VIDは単なる数字の羅列ではなく、USBデバイスエコシステムの根幹を支える重要な識別子である。システムエンジニアにとって、USBデバイスの動作原理を理解し、トラブルシューティングを行う上で、VIDとPIDの概念とその役割を正確に把握することは不可欠である。それは、デバイスの接続問題やドライバの認識不良といった多くの課題解決の糸口となり、より堅牢で信頼性の高いシステム構築に貢献する。

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