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【ITニュース解説】「AIコーディング時代」だからこそ「ちゃんとする」

2025年09月17日に「Zenn」が公開したITニュース「「AIコーディング時代」だからこそ「ちゃんとする」」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ELYZA開発チームは、AIコーディングを活用しサービスを開発。AIによる効率化と既存手法との相乗効果を紹介する。AIコーディングがソフトウェア開発の主流になりつつある現状を解説する。

ITニュース解説

プログラミングの世界に、CopilotやClaude Codeといった人工知能(AI)ツールが急速に普及し、コードを自動で生成する能力が劇的に向上している。これは、これまで人間がコードを一つ一つ手書きしていたソフトウェア開発のあり方を大きく変え、新たな時代を切り開こうとしている。AIは単にコードを自動で作成するだけでなく、開発者が書いたコードに対するテストコードの生成、既存のコードをより良い形に改善するリファクタリング、システムの動作を説明する技術文書の作成、さらにはプログラムのエラーの原因を特定し、その解決策を提案するといった、幅広いタスクをこなせるようになっている。

このようなAIの活用により、開発者はこれまで多くの時間を費やしていた繰り返し作業や定型的なコーディングから解放される。その結果、開発者はより創造的な問題解決や、システム全体の設計、ユーザー体験の向上といった、より高度な業務に集中できるようになる。これにより、ソフトウェア開発の生産性は飛躍的に向上し、新しいサービスや機能をより迅速に市場へ提供できると期待されている。

しかし、AIがコードを生成するようになっても、そのコードが本当に適切に機能し、システムの要求を満たし、セキュリティが確保されているかといった品質保証は、最終的に人間であるエンジニアの責任となる。AIは学習したデータに基づいてコードを生成するため、常に完璧とは限らない。時には意図しないバグを含んだり、効率の悪い実装になったりする可能性が常に伴う。このため、AIの力を借りつつも、人間が「ちゃんとする」という意識を持ち続けることが、これからのソフトウェア開発において非常に重要になる。これは、AIが生成したコードの品質を適切に評価し、必要に応じて修正・改善していく能力を意味する。

AIがコードの大部分を生成するようになると、これまでのコードレビューのあり方も変化する。これまでエンジニアは、コードの細かい文法ミスや単純な実装ミスといった表面的な部分にも多くの時間を割いていたが、AIがこれらの基本的なミスを減らすことで、人間はレビューにおいて、コード全体の設計思想との整合性、システムアーキテクチャへの適合性、将来的な拡張性、セキュリティリスクの評価など、より高次元で本質的な議論に集中できるようになる。これにより、レビューは単なる間違い探しではなく、システム全体の品質向上に向けた戦略的な活動へと進化する。

AIが生成したコードには、人間が見落としやすいバグや、特定の条件下でしか発生しない問題が含まれる可能性があるため、これまで以上に厳密で網羅的なテストが不可欠となる。特に、あらゆる入力パターンや状態を自動的に網羅してテストする「プロパティベースドテスト」のような高度なテスト手法の活用が推奨される。これは、AI生成コードの予期せぬ挙動を事前に発見するために非常に有効である。また、AIが大量のコードを生成する時代には、手作業でのテストやデプロイ(システムへの展開)は非効率的で、人的ミスも誘発しやすくなる。このため、コードの変更からテスト、デプロイまでの一連のプロセスを自動化する「継続的インテグレーション(CI)」や「継続的デリバリー(CD)」といった仕組みの確立が、品質を保ちながら開発速度を維持するために必須となる。

AIが生成するコードが増えることで、システム全体のコードベースが急速に肥大化し、将来のメンテナンスを困難にする「技術的負債」が増加するリスクがある。これは、設計が複雑になったり、同じような機能が異なる形で実装されたり、コードが読みにくくなったりすることで発生する。AI時代だからこそ、コードの美しさ、分かりやすさ、変更しやすさを意識した「リファクタリング」(コードの内部構造を改善し、品質を高める作業)や、長期的な視点に立った適切なアーキテクチャ設計が、これまで以上に重要になる。良い設計とクリーンなコードは、AIが生成した部分も含めて、システムの持続的な成長を支える基盤となる。

AIは非常に強力なツールであり、ソフトウェア開発の生産性を飛躍的に高める可能性を秘めているが、あくまで人間の指示に基づいて動作するアシスタントに過ぎない。最終的なシステムの品質、顧客への価値提供、ビジネス要件への適合性といった、本質的な判断と責任は常に人間であるエンジニアが負う。AIの提案を鵜呑みにせず、その背後にある意図や、システム全体、ビジネスへの影響を深く理解し、適切な判断を下す能力が、AI時代におけるエンジニアにとって不可欠なスキルとなる。AIの能力を最大限に引き出しつつ、人間の知見と判断力を組み合わせることで、より高品質で革新的なソフトウェア開発が可能となる。システムエンジニアを目指す初心者は、このようなAI時代の変化を理解し、AIを使いこなすための基礎知識と、最終的な品質に責任を持つ「ちゃんとする」意識を育むことが求められる。

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