【ITニュース解説】AI Without Shame
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「AI Without Shame」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AIはプログラミングの学習や効率化に役立つ強力なツールだ。だが、誤ったコード生成や過度な依存による問題もある。システムエンジニアを目指す初心者は、AIを参考としつつ、生成されたコードを必ず検証し、慎重に活用する姿勢が重要だ。
ITニュース解説
AI(人工知能)は、今日のテクノロジーにおいて急速にその存在感を増しており、システムエンジニアを目指す皆さんにとっても、その活用法や限界を理解することは非常に重要である。ある開発者の経験を通して、AIがコーディング作業にもたらす可能性と課題を見ていこう。
まず、多くの人がそうであるように、この開発者もかつてはAIの利用に対して懐疑的であった。AIに過度に依存することで基本的なプログラミング知識が失われたり、AIが生成したコードにセキュリティ上の脆弱性(例えば、情報漏洩の危険があるオープンなデータベースを持つアプリケーション)が含まれたりする可能性を懸念していたのだ。また、AIが事実とは異なる情報を生成し、利用者を困らせるのではないかという恐れもあった。しかし、自身のサイドプロジェクトでAIを試しに使い始めたところ、その考えは徐々に変化していった。最初はAIが誤ったコードを生成し、その修正に多くの時間を費やすという苦い経験もあったが、使い続けるうちに、より複雑なプロジェクトに挑戦したり、通常であれば遠慮してしまうような初歩的な質問をしたりすることに自信を持てるようになったという。
AIを効果的に利用するには、単にコードをコピー&ペーストするだけでは不十分である。この開発者は、AIに具体的な質問をする際、必要な情報をすべて与え、複数の選択肢とその利点・欠点(pros and cons)を尋ねるようにしている。そして、AIが提供したコードを単に受け入れるのではなく、それが一般的な手法であるか、あるいは理解できない部分があれば、そのコードの仕組みについてさらに詳しく説明を求める。時には、自身の頭の中にあるアイデアをAIに説明し直し、その概念を正しく理解できているかを確認することもある。AIは誤りを指摘し、視覚的な概念を用いて説明し直してくれることで、深い理解を助けるという。このように、AIは特定のトピックを学習し、理解を深めるための強力なツールとなり、情報収集時に圧倒されがちな感覚を和らげ、詳細な部分まで分解して説明してくれるため、自信を持って研究に取り組めるようになったと語る。実際に、APIエンドポイント(アプリケーション間でデータをやり取りするための入り口)をほとんど書けなかった状態から、今ではVPS(Virtual Private Server)をホストし、ユーザーがメディアファイルをAWS(Amazon Web Services)のストレージにアップロードできるようなアプリケーションを開発できるまでに成長したという。
AIの活用はコーディングに限った話ではない。この開発者は、料理の際に足りない材料の代用品をAIに尋ねたり、各スパイスが料理に与える影響や家族の好みに合わせてレシピを調整する方法を尋ねたりするなど、日常生活でもAIを役立てている。また、自身が失読症であるため、文章作成に困難を感じることがあるが、GrammarlyのようなAIツールが文章をレビューし、意図を理解してくれることで、自信を持って文章を書けるようになったと述べている。文法やスペルの間違いをチェックしてくれるAIの存在は、より多くの人がコーディングに挑戦するきっかけにもなるだろう。
インターネット上で賛否両論を巻き起こしている「Vibe Coding(バイブコーディング)」という概念についても触れている。これは、AIが生成したコードをレビューせずにそのまま本番環境にデプロイする行為を指す。この開発者は、多くのバグやクラッシュを乗り越えてコードを動作させる過程に喜びを感じるため、Vibe Coding自体はあまり好まないという。しかし、プログラミングの知識がない人でも、AIを使ってアイデアを形にし、数日のうちに動作するプロジェクトを作成できる点には価値があると考えている。問題は、その生成されたコードがレビューなしにそのまま利用されることである。特にユーザーの機密データを扱うアプリケーションの場合、AIがどのような設定を行っているか分からず、情報漏洩などの重大な事故につながる可能性があるため、開発者が責任を持って扱うべきだと主張する。この開発者はVibe Codingをほとんど行わないが、アイデアの実現可能性を検討したり、コンセプトの見た目を確認したりするための「ドラフト(下書き)」として活用することには有効性を見出している。この使い方は、捨ててもよい一時的なプロジェクトや、顧客にコンセプトを示すためのブリーフ作成に役立つという。Vibe Codingは、より多くの人にプログラミングを学び、素晴らしいアプリケーションを開発するきっかけを与える可能性も秘めているのだ。
もちろん、AIの利用にはデメリットも存在する。AIはしばしば不正確なコードを提供することがあり、古いコードや、意味をなさないコードを生成することもある。そのため、理解できないコードは必ず自分で確認し、AIに説明を求め、その情報の出典元を尋ねる必要がある。画像生成の分野でも、AIは期待通りの結果を出せないことが多く、指示と異なる要素を追加したり、画像を修正しようとすると品質が徐々に悪化したりする問題があるという。
また、AIに過度に依存することで「偽の自信」を抱き、いざ自分でタスクを実行しようとすると何も思いつかない、という事態に陥る可能性もある。企業の中には、AIがすべての作業を代替できると信じ込み、開発者を削減する動きも見られる。これにより、仕事を失う開発者もいれば、AIが生成した問題のあるコードの尻拭いをさせられる開発者もいる。AIは基本的な小規模なタスクには優れているが、プロジェクトが大規模になると、AIはこれまでの会話を要約し始め、全体を繋ぐ重要な情報が失われやすくなる。これにより、AIは問題を引き起こしたり、重要な情報を見落としたりして、結果的にバグやクラッシュの原因となることがあるのだ。最近の研究では、AIが開発者の生産性を低下させている可能性も指摘されており、AIが生成した不完全なコードの修正に多くの時間を費やしている状況も報告されている。
結論として、AIは決して恐れるべきものではなく、コーディングに活用できるツールである。しかし、常に注意深く利用し、AIが提供する情報はすべて鵜呑みにせず、批判的な視点を持つことが重要である。AIは今後も進化を続けるため、自身のスキル向上やアイデアの具体的な形にするための強力な味方として、その利点を最大限に活用すべきである。AIとの適切な付き合い方を学び、日々の作業における生産性向上を目指すことが求められる。