Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】「Appleはサードパーティアプリのインストールフローを複雑にすることでインストールしにくくしていた、Googleは依然として改善されていない」とEpic Gamesが指摘

2025年10月02日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「「Appleはサードパーティアプリのインストールフローを複雑にすることでインストールしにくくしていた、Googleは依然として改善されていない」とEpic Gamesが指摘」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Appleが外部アプリストアのインストール手順を簡略化した結果、途中でやめてしまうユーザーが大幅に減少した。Epic Gamesは、以前のAppleの複雑な設計や、Googleの現状にも同様の問題があるとデータを示して指摘した。

ITニュース解説

スマートフォンやタブレットで使うアプリは、通常、公式のアプリストアからダウンロードしてインストールする。例えば、AppleのiPhoneであればApp Store、GoogleのAndroid端末であればGoogle Playがそれに該当する。しかし、このニュースで焦点となっているのは、「サードパーティアプリマーケット」という、公式ストアとは別の方法でアプリを提供・入手する仕組みだ。

サードパーティアプリマーケットとは、AppleやGoogleといったプラットフォーム提供者以外の企業や開発者が、独自にアプリを配布するための場所を指す。なぜこのような場所が必要になるのかというと、公式ストアにはさまざまなルールや制約が存在するためだ。例えば、アプリの内容に関する厳しい審査基準、アプリ内課金に対するプラットフォーム提供者への手数料支払い義務などが挙げられる。サードパーティマーケットは、開発者にとってこれらの制約から解放され、より自由にアプリを配布できる選択肢を提供する。また、ユーザーにとっては、公式ストアにはないユニークなアプリや、手数料分のコストが抑えられたアプリに出会える可能性がある。

このニュース記事の核心は、Appleが過去に、このサードパーティアプリマーケットからのアプリインストールを意図的に複雑にしていたという指摘だ。具体的には、ユーザーがサードパーティマーケットを通じてアプリをインストールしようとすると、多数の確認画面が表示されたり、セキュリティ設定を複雑に変更するよう求められたりするなど、合計で15ものステップを踏まなければならない設計になっていたという。これは、アプリをダウンロードして使えるようになるまでの「インストールフロー」が非常に煩雑だったことを意味する。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、「インストールフローの複雑さ」は、ユーザー体験(UX)の悪化という重大な問題として認識すべき点だ。どんなに優れた機能を持つアプリであっても、ユーザーがそれを手にするまでの過程でストレスを感じたり、困難に直面したりすれば、途中で利用を諦めてしまう可能性が高まる。これを「離脱率」と呼ぶ。ニュース記事によれば、以前のAppleの設計では、サードパーティアプリマーケットからのインストール時に、ユーザーの65%が途中で離脱していたという。これは、せっかくアプリを届けたい開発者にとっても、新しいアプリを利用したいユーザーにとっても、大きな機会損失だったと言える。

しかし、AppleはiOS 18.6というアップデートで、このインストールフローを大幅に改善した。従来の15ステップあった手順を、わずか6ステップにまで簡略化したのだ。この変更がもたらした効果は絶大だった。簡略化後、インストール時のユーザー離脱率は65%から25%へと劇的に低下したという。このデータは、システム設計におけるユーザーインターフェース(UI)やユーザー体験(UX)の重要性、そしてたった数ステップの改善が、ユーザーの行動にどれほど大きな影響を与えるかを示す具体的な証拠となる。

Epic Gamesという企業が、このAppleの改善とその結果をデータとともに指摘している点も重要だ。Epic Gamesは、Appleがかつて行っていた複雑なインストール手順が、自社の公式App Storeへの囲い込みを目的としたものだったのではないか、と主張している。そして、Appleは改善したものの、GoogleのAndroidプラットフォームにおいては、いまだにサードパーティアプリマーケットのインストール手順が複雑なままであり、同様の問題が放置されていると指摘している。Epic Gamesは、公式アプリストアの手数料や独占的な地位について、以前からAppleやGoogleと法廷で争ってきた経緯があるため、彼らのこの指摘は、プラットフォーム提供者の公正な競争環境に対する強い問題提起となっている。

システムエンジニアを目指す皆さんは、このニュースから多くのことを学ぶことができる。まず、ユーザーがソフトウェアやサービスをストレスなく利用できるように設計することの重要性だ。複雑な手続きや分かりにくいインターフェースは、ユーザーを遠ざけ、結果的にサービス自体の価値を損ねてしまう。次に、データの重要性だ。Appleの改善が離脱率の低下という具体的な数値で示されたように、設計変更の効果は常に客観的なデータで評価されるべきだ。そして最後に、プラットフォーム提供者と開発者、そしてユーザーの関係性だ。プラットフォーム提供者が自社の利益を優先し、意図的にユーザーの利便性を損なうような設計を行うことは、健全な競争を阻害し、最終的には技術革新の停滞にもつながる可能性がある。未来のエンジニアとして、ユーザー視点に立ち、公正な競争を促すようなシステムの設計、そしてその運用について深く考えるきっかけとなるニュースだ。

関連コンテンツ