【ITニュース解説】The Automation Habits That Saved Me 10+ Hours a Week

2025年09月09日に「Medium」が公開したITニュース「The Automation Habits That Saved Me 10+ Hours a Week」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Python、Zapier、AIなどのツールで単純作業を自動化し、毎週10時間以上を節約したフリーランサーの実例を紹介。自動化の習慣は、価値の高い仕事に集中する時間を生み出し、生産性向上に直結する。(115文字)

ITニュース解説

システムエンジニアの仕事は、プログラムのコードを書くことだけではない。日々の業務には、メールの確認や返信、進捗報告書の作成、データの整理、テスト環境の準備など、多くの定型的な作業が含まれている。これらの作業は重要である一方、繰り返し発生するため、多くの時間を消費してしまう。もし、これらの作業に費やす時間を大幅に削減できれば、その分を新しい技術の学習や、より創造的で価値の高い開発業務に充てることができる。近年、こうした定型業務をコンピュータに任せる「自動化」の技術が注目されている。あるフリーランスのエンジニアは、PythonやZapier、AIといったツールを駆使して日々の業務を自動化し、週に10時間以上もの自由な時間を生み出すことに成功した。この事例は、これからシステムエンジニアを目指す人々にとっても、自身の生産性を高めるための重要なヒントとなるだろう。

業務の自動化とは、これまで人間が手作業で行っていた一連の決まった手順を、プログラムやツールによって自動的に実行させることである。一度その仕組みを構築してしまえば、あとはコンピュータが正確かつ高速に作業をこなしてくれるため、時間と労力を大幅に節約できる。この自動化を実現するための強力なツールの一つが、プログラミング言語のPythonである。Pythonは、文法がシンプルで学びやすいことから、プログラミング初心者にも人気の言語だが、同時に自動化のための機能が非常に豊富に揃っているという特徴も持つ。これを支えているのが「ライブラリ」と呼ばれる、特定の機能を実現するためのプログラム部品の集まりだ。例えば、Webサイトから必要な情報を自動で収集するライブラリ、Excelファイルを読み書きするライブラリ、メールを送受信するライブラリなどが存在する。これらを組み合わせることで、「毎日決まった時間に特定のニュースサイトを巡回し、特定のキーワードを含む記事のタイトルとURLをExcelファイルにまとめて記録し、その結果をメールで自分に送信する」といった一連の作業を完全に自動化するプログラムを比較的簡単に作成できる。

プログラミングを使った自動化は強力だが、すべての人がすぐにPythonを使いこなせるわけではない。そこで役立つのが、Zapierのような「ノーコード」または「ローコード」と呼ばれるツールである。これらのツールは、プログラミングのコードを書かなくても、画面上の簡単な操作で様々なWebサービス同士を連携させ、作業を自動化することができる。Zapierの基本的な考え方は、「もしAというサービスでBという出来事が起きたら、CというサービスでDというアクションを実行する」というルールを設定することだ。例えば、「Gmailで特定の顧客からメールを受信したら(トリガー)、そのメールの件名と本文を抽出し、プロジェクト管理ツールのTrelloに新しいタスクカードを自動で作成する(アクション)」といった連携が可能になる。他にも、「Googleカレンダーに新しい予定が登録されたら、コミュニケーションツールのSlackに通知を送る」「Webフォームから問い合わせがあったら、その内容をGoogleスプレッドシートに自動で記録する」など、組み合わせは無限大だ。このように、日常的に利用している複数のサービスを繋ぎ合わせることで、情報の転記や通知といった手間のかかる作業から解放される。

近年の技術革新の中でも特に注目されているのが、AI(人工知能)の活用である。ChatGPTに代表される生成AIは、文章の作成や要約、アイデア出し、さらにはプログラムコードの生成まで、これまで人間にしかできないと考えられていた知的作業の一部を代行できるようになった。これもまた、業務自動化の新たな可能性を切り拓いている。例えば、顧客からの問い合わせメールの内容をAIに要約させ、重要なポイントだけをSlackで受け取るようにすれば、大量のメールを読む時間を節約できる。さらに、問い合わせ内容に応じてAIに返信文の草案を作成させ、人間はそれを確認・修正するだけで済むようになれば、コミュニケーションにかかるコストを大幅に削減できるだろう。PythonスクリプトやZapierのルールの中にAIを組み込むことで、さらに高度な自動化も実現できる。例えば、「Zapierで受信したメールをトリガーとして、その内容をAIに渡し、内容を分析・分類させた上で、適切な担当者に自動で割り振る」といった、より複雑な判断を伴うワークフローの構築も可能になる。

重要なのは、自動化を特別なプロジェクトとして捉えるのではなく、日々の「習慣」として取り入れることである。最初から大規模な自動化システムを構築しようとすると、挫折しやすい。まずは、自分が毎日、あるいは毎週繰り返している面倒な作業をリストアップすることから始めると良い。「この作業は単純なのに時間がかかる」「いつも同じ手順でやっている」と感じるものがあれば、それが自動化の候補だ。次に、その作業がZapierのようなツールで簡単に自動化できないか検討してみる。もし、より複雑な処理が必要であれば、Pythonを使って小さなスクリプトを作成することに挑戦してみる。このように、小さな成功体験を積み重ねていくことが、自動化を習慣化する鍵となる。自動化によって生まれた時間は、単なる余暇ではなく、自己投資の時間である。新しいプログラミング言語を学んだり、設計スキルを磨いたり、より付加価値の高い仕事に挑戦したりすることで、エンジニアとしての市場価値を高めていくことができる。この好循環を生み出すことこそが、自動化がもたらす最大のメリットと言えるだろう。システムエンジニアにとって、コードを書く技術力はもちろん重要だが、それと同じくらい、自分の仕事を効率化し、生産性を高めるための視点とスキルが求められる。日々の業務に潜む非効率を見つけ出し、それを解決する手段として自動化の技術を身につけることは、これからのキャリアを築く上で非常に強力な武器となるはずだ。

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