【ITニュース解説】AWS CDK で Infrastructure as Code する: Fluent Bit編2。設定ファイルを読んでみる
2025年09月11日に「Qiita」が公開したITニュース「AWS CDK で Infrastructure as Code する: Fluent Bit編2。設定ファイルを読んでみる」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AWS CDKを活用したInfrastructure as Codeの一環として、ログ転送ツールFluent Bitの設定ファイルを読み解く。設定がどのように記述され、Fluent Bitが具体的に何をしているのか、その詳細な機能や仕組みを深掘りして解説する。
ITニュース解説
システムを開発し運用していく上で、プログラムの動きやエラーの発生状況を記録する「ログ」は非常に重要である。このログを効率的に収集、加工、転送する役割を担うのが「Fluent Bit」というツールだ。この記事では、Fluent Bitがログをどのように扱い、その動作を制御する「設定ファイル」がどのような構造になっているのかを、システムエンジニアを目指す初心者が理解できるよう解説する。また、インフラ構築をコードで管理する「Infrastructure as Code(IaC)」の概念と、それをAWS上で実現する「AWS Cloud Development Kit(CDK)」が、Fluent Bitの管理とどう連携するのかも説明する。
まず、Fluent Bitの役割から見ていこう。Fluent Bitは、様々な場所で発生するログをリアルタイムで集め、決められた場所に送り届けるための軽量なログプロセッサである。システムからの出力ログ、特定のファイルに書き込まれたログ、ネットワークを通じて送られてくるログなど、さまざまな種類のログを、効率よく収集できる。なぜログの収集が重要かというと、システムに何か問題が起きた際に、ログは問題の原因を特定する手がかりとなり、システムの健全性を監視するためにも不可欠だからだ。
次に、ログの収集システムを構築する際に重要な概念として「Infrastructure as Code(IaC)」がある。IaCとは、サーバーやネットワークといったITインフラの構成を、手作業ではなくプログラムコードとして記述し、自動的に構築・管理する手法のことだ。これまでの手作業での構築では、設定ミスや作業漏れが発生しやすく、同じ環境を複数用意する際にも手間がかかっていた。しかし、IaCを使えば、コードで記述されたインフラは何度でも同じように再現でき、バージョン管理も可能になるため、効率的かつ確実にインフラを構築・運用できるようになる。AWS CDKは、このIaCをAWS上で実現するためのツールであり、PythonやTypeScriptなどのプログラミング言語を使ってAWSの各種サービス(EC2、S3、Lambdaなど)の構成をコードとして定義できる。これにより、複雑なAWS環境も、プログラミングの知識を活かして効率的に構築できるようになるのだ。
そして、この記事の核となるのが、Fluent Bitの動作を定義する「設定ファイル」である。Fluent Bitは、この設定ファイルに書かれた指示に従って、ログの収集、加工、転送を行う。設定ファイルは通常、複数の「セクション」に分かれており、それぞれのセクションが特定の役割を持つ。
主要なセクションの一つが「SERVICE」である。これはFluent Bit全体の動作に関する設定を行う部分で、ログの出力レベル(どれくらいの詳細度でFluent Bit自身のログを出すか)や、内部のバッファリングに関する設定など、全体の振る舞いを決定する基本的なパラメータを定義する。
次に重要なのが「INPUT」セクションだ。このセクションでは、「どこからログを読み込むか」をFluent Bitに指示する。例えば、特定のディレクトリ内のファイルからログを読み込む設定や、システムの標準入力からログを受け取る設定、または特定のポートでネットワークからのログを待ち受ける設定などが含まれる。ログの種類や発生源に応じて、適切なINPUTプラグイン(特定の入力源からログを取得するための機能)を選択し、その詳細な設定を記述する。
収集したログを「どこへ送るか」を定義するのが「OUTPUT」セクションである。Fluent Bitは収集・加工したログを、様々な宛先へ転送できる。例えば、AWSのCloudWatch Logs(AWSのログ管理サービス)に送ったり、Amazon S3(オブジェクトストレージサービス)に保存したり、またはElasticsearch(検索エンジン)に送って分析できるようにしたりと、用途に応じた出力先を設定できる。OUTPUTセクションでは、どの出力プラグインを使うか、その出力先のエンドポイント情報、認証情報などを具体的に記述する。
さらに、「FILTER」セクションというものもある。これは、INPUTで取り込んだログをOUTPUTへ送る前に、何らかの加工や選別を行うためのセクションだ。例えば、ログの中から特定のキーワードを含む行だけを抽出したり、ログのフォーマットを変換したり、不要な情報を削除したりといった処理ができる。これにより、必要な情報だけを効率的に次のステップへ渡すことが可能になる。
これらのFluent Bitの設定ファイルは、AWS CDKと組み合わせることで、さらに強力なインフラ構築を可能にする。例えば、AWS CDKを使ってECS(Elastic Container Service)で稼働するアプリケーション環境を構築する際に、そのアプリケーションコンテナのログを収集するためにFluent Bitコンテナを一緒にデプロイするとしよう。この際、Fluent Bitの設定ファイルの内容も、AWS CDKのコード内で動的に生成し、ECSのタスク定義に含めることができる。これにより、ログ収集の仕組み全体も、アプリケーションやインフラと同じようにコードで管理できるようになるのだ。環境の変更があった場合でも、CDKのコードを修正し再デプロイするだけで、Fluent Bitの設定も自動的に更新され、常に一貫性のあるログ収集環境を維持できる。
このように、Fluent Bitはシステムログを効率的に扱い、その設定は詳細なファイルで制御される。そして、AWS CDKのようなIaCツールを用いることで、このFluent Bitを含めたログ収集基盤全体をコードとして管理し、より堅牢で運用しやすいシステムを構築できるのである。これは、現代のシステム開発と運用において、非常に重要な考え方であり、システムエンジニアを目指す上で必ず押さえておくべき知識となるだろう。