【ITニュース解説】AWS S3 Static Website Hosting: Complete Lab for Beginners
2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「AWS S3 Static Website Hosting: Complete Lab for Beginners」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AWS S3を活用し、静的ウェブサイトをホスティングする手順を、システムエンジニアを目指す初心者向けに網羅的に解説。実践的なラボ形式で、ウェブサイトの公開方法とクラウドの基礎が学べる。
ITニュース解説
AWS S3を使った静的ウェブサイトホスティングは、システムエンジニアを目指す初心者にとって、クラウドサービスの基本的な使い方とウェブサイト公開の仕組みを理解する上で非常に良い学習機会となる。まず、AWS S3とは、Amazon Web Services(AWS)が提供する「Simple Storage Service」の略で、非常に信頼性の高いオンラインストレージサービスである。インターネット上のどこからでもアクセスできるデータを安全に保存できる倉庫のようなものだと考えると分かりやすい。画像ファイルや動画、ドキュメントなど、様々なデータをS3に保存できるが、その中でも特に注目される用途の一つが、ウェブサイトの公開、特に「静的ウェブサイト」のホスティングだ。
静的ウェブサイトとは、その名の通り、ユーザーの操作や時間経過によって内容が変化しない、あらかじめ用意されたHTML、CSS、JavaScriptファイルなどで構成されるウェブサイトを指す。例えば、会社の紹介ページやポートフォリオサイト、シンプルなブログなどがこれにあたる。これに対し、ユーザーのログイン情報に応じて表示内容が変わったり、データベースと連携して動的に情報を生成したりするウェブサイトは「動的ウェブサイト」と呼ばれる。S3は静的ウェブサイトのホスティングに特化しており、動的ウェブサイトのような複雑なサーバーサイドの処理は行えない。しかし、この制約があるからこそ、シンプルで効率的なウェブサイト公開が可能になる。
S3で静的ウェブサイトを公開する最大の利点は、その手軽さと、驚くほどの低コスト、そして高い信頼性、拡張性にある。従来のウェブサイト公開では、サーバーを借りたり、そのサーバーのOSやソフトウェアを管理したりする必要があった。しかしS3を利用すれば、そのようなサーバー管理の煩わしさから解放される。ウェブサイトのファイル(HTML、CSS、画像など)をS3にアップロードするだけで、自動的にウェブサイトとして機能する。まるで自分のパソコンの中にあるフォルダを、そのままインターネット上に公開するような感覚で利用できる。
具体的な手順を見ていこう。まず、ウェブサイトのファイルを保存するための「S3バケット」を作成する。バケットはS3におけるデータ保存の基本単位で、簡単に言えば「ウェブサイト専用の箱」のようなものだ。このバケット名はインターネット上で一意である必要があり、ウェブサイトのドメイン名と合わせることが推奨される。バケットを作成したら、そのバケットの設定を変更する必要がある。デフォルトでは、セキュリティのために「パブリックアクセスをすべてブロックする」設定になっているため、これを解除し、インターネット上の誰でもウェブサイトにアクセスできるように許可する。この設定がなければ、せっかく公開しても誰もウェブサイトを見ることができない。
次に、バケットのプロパティから「静的ウェブサイトホスティング」機能を有効にする。この設定を行うことで、S3バケットがウェブサーバーのように振る舞い始める。ここでは、ウェブサイトのメインページとなる「インデックスドキュメント」(通常はindex.html)と、ページが見つからなかった場合に表示する「エラードキュメント」(通常はerror.html)を指定する。これらのファイルは、ウェブサイトのコンテンツとして事前に用意しておく必要がある。
そして、作成したHTML、CSS、JavaScript、画像などのウェブサイトファイルをS3バケットにアップロードする。これはドラッグ&ドロップでも簡単に行える。ファイルがアップロードされたら、最後に「バケットポリシー」を設定する。バケットポリシーは、誰がどのファイルにアクセスできるかを制御するためのルールのようなものだ。静的ウェブサイトをインターネット上に公開するには、「誰でも(匿名ユーザーを含む)このバケット内のファイルを読み取れる」というポリシーを設定する必要がある。これにより、インターネットブラウザを通じてユーザーがウェブサイトのコンテンツを閲覧できるようになる。
これらの設定が完了すると、S3は自動的にウェブサイトにアクセスするための特別なURL(エンドポイント)を発行してくれる。このURLをウェブブラウザに入力すれば、アップロードしたウェブサイトが表示されるはずだ。これで、世界中から自分のウェブサイトにアクセスできるようになる。
S3を使った静的ウェブサイトホスティングは、サーバーのメンテナンスが不要で、アクセスが増えても自動的に対応してくれるため、非常に安定して運用できる。また、実際に使った分のストレージ容量とデータ転送量に対してのみ料金が発生するため、ほとんどアクセスがないウェブサイトであれば、驚くほど低コストで運用できる。アクセスが急増しても、S3の持つ高いスケーラビリティ(拡張性)によって、ダウンすることなく安定してコンテンツを配信し続けることが可能だ。
さらに進んだ利用方法として、S3でホスティングしたウェブサイトに、より分かりやすい「カスタムドメイン」を割り当てたり、通信を暗号化する「HTTPS」を設定したりすることもできる。これには、AWSのRoute 53というDNSサービスや、AWS Certificate Managerという証明書サービスを組み合わせる。また、世界中のユーザーに高速にコンテンツを配信するために、「CloudFront」というCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービスを利用することも一般的だ。CloudFrontを使うと、ウェブサイトのコンテンツがユーザーに近い場所にキャッシュされるため、読み込み速度が向上し、ユーザー体験が向上するだけでなく、S3への直接アクセスが減ることでコストを最適化できる場合もある。
AWS S3での静的ウェブサイトホスティングは、クラウドサービスを使った開発・運用の一歩を踏み出す上で、非常に実践的で分かりやすい経験となる。クラウドの概念、ストレージサービス、ウェブ公開の基本、セキュリティ設定、そしてコストメリットといった、システムエンジニアが身につけるべき基礎知識を体験しながら学ぶことができるため、初心者にとってはこの上ない入門レベルのラボと言えるだろう。この一連の作業を通じて、クラウド技術の魅力と可能性を実感できるはずだ。