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【ITニュース解説】CHILLYHELL macOS Backdoor and ZynorRAT RAT Threaten macOS, Windows, and Linux Systems

2025年09月10日に「The Hacker News」が公開したITニュース「CHILLYHELL macOS Backdoor and ZynorRAT RAT Threaten macOS, Windows, and Linux Systems」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

新たなマルウェア「CHILLYHELL」と「ZynorRAT」が見つかった。CHILLYHELLはmacOSを不正に操作するバックドア型マルウェアだ。ZynorRATはWindowsやLinuxを狙い、遠隔からシステムを制御するトロイの木馬。これらの発見により、OSを問わずセキュリティ脅威が増している。

ITニュース解説

サイバーセキュリティの世界では、常に新しい脅威が発見されている。今回注目すべきは、macOSを狙う「CHILLYHELL」と、WindowsおよびLinuxを狙う「ZynorRAT」という二つの新しいマルウェアだ。これらは、私たちのデジタル生活を脅かす可能性を秘めており、その性質を理解することは、システムを安全に保つ上で非常に重要となる。

まず、マルウェアとは何か、初心者にも分かりやすく説明する。マルウェアとは、「Malicious Software(悪意のあるソフトウェア)」を略した言葉で、コンピューターシステムに損害を与えたり、情報を盗み出したり、不正な操作を行ったりすることを目的として作られたプログラム全般を指す。ウイルス、ワーム、トロイの木馬、ランサムウェアなど、さまざまな種類が存在し、日々進化を続けている。

今回発見されたマルウェアの一つ、CHILLYHELLは、AppleのmacOSを標的とした「バックドア」型のマルウェアだ。バックドアとは、その名の通り、正規の経路を通らずにシステムに侵入するための「裏口」を意味する。一度CHILLYHELLがシステムに侵入すると、攻撃者はこのバックドアを利用して、標的のmacOSシステムに遠隔でアクセスできるようになる。これにより、ファイルの閲覧や変更、新しいプログラムの実行、さらにはシステム設定の改ざんといった、さまざまな不正な操作が可能となるのだ。CHILLYHELLは「モジュール式」であるという特徴も持つ。これは、基本機能に加えて、攻撃者の目的に応じて追加の機能を後から組み込むことができる構造であることを意味する。例えば、最初は情報窃盗のためのモジュールを導入し、後からシステム破壊のためのモジュールを追加するといった柔軟な攻撃が可能になるわけだ。Jamf Threat Labsというサイバーセキュリティ研究機関の分析によると、CHILLYHELLはC++というプログラミング言語で書かれており、主にIntel製のCPUを搭載したmacOSデバイス向けに開発されているという。

もう一つの脅威であるZynorRATは、WindowsとLinuxの両方のシステムを狙う「リモートアクセス型トロイの木馬(RAT)」だ。RATは、Remote Access Trojanの略で、被害者のコンピューターを遠隔から操作することを目的としたトロイの木馬の一種である。トロイの木馬とは、一見すると無害なプログラムやファイルに見せかけて、利用者が油断して実行すると裏で悪意のある動作を開始するマルウェアのことを指す。ZynorRATがシステムに侵入すると、攻撃者は被害者のWindowsまたはLinuxシステムをインターネット経由で自在に操ることが可能になる。具体的には、画面の監視、キーボード入力の記録(キーロギング)、ファイルのアップロードやダウンロード、Webカメラやマイクへのアクセス、さらには他のマルウェアのインストールといった、非常に広範囲な操作を遠隔から行うことができるようになる。ZynorRATはGo言語で開発されている点が特徴だ。Go言語は比較的新しいプログラミング言語で、クロスプラットフォーム(異なるOS間で動作可能)なアプリケーションを効率的に開発できるため、ZynorRATのようにWindowsとLinuxの両方を狙うマルウェアにとっては都合が良い言語と言えるだろう。

これらのマルウェアがシステムに侵入した場合、ユーザーや企業にとって深刻な被害をもたらす可能性がある。個人の情報が盗まれ、詐欺やなりすましの被害に遭ったり、企業であれば機密情報が漏洩し、事業に大きな損害を与えたりするリスクがある。また、システムが乗っ取られることで、犯罪の踏み台として利用されたり、さらなる攻撃の起点となったりする可能性も否定できない。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このようなマルウェアの仕組みや危険性を理解することは、将来、安全なシステムを設計・構築・運用していく上で不可欠な知識となる。

では、このような脅威からシステムを守るためにはどうすればよいのか。まず基本となるのは、常にOSやソフトウェアを最新の状態に保つことだ。ソフトウェアの脆弱性はマルウェアの侵入経路となることが多いため、アップデートを怠らないことが非常に重要である。次に、信頼できるセキュリティソフトウェア(ウイルス対策ソフト)を導入し、常に最新の定義ファイルに更新しておくことも欠かせない。これにより、既知のマルウェアの多くは検出・除去できる。また、不審なメールの添付ファイルや、信頼できないWebサイトからのダウンロードには細心の注意を払うべきだ。心当たりのないプログラムやファイルは、安易に実行しないように習慣づけることが大切だ。さらに、重要なデータは定期的にバックアップを取り、万が一システムが攻撃されても復旧できるように準備しておくことも、セキュリティ対策の基本と言える。

CHILLYHELLやZynorRATのような新しいマルウェアの発見は、サイバーセキュリティの脅威が常に進化し続けていることを示している。システムエンジニアとして、あるいは情報システムを利用する者として、常に最新のセキュリティ情報をキャッチアップし、適切な対策を講じ続けることが、デジタル社会で安全に活動していくための唯一の道だ。

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