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【ITニュース解説】Fake Madgicx Plus and SocialMetrics Extensions Are Hijacking Meta Business Accounts

2025年09月11日に「The Hacker News」が公開したITニュース「Fake Madgicx Plus and SocialMetrics Extensions Are Hijacking Meta Business Accounts」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

偽のブラウザ拡張機能「Madgicx Plus」や「SocialMetrics Pro」が、悪質な広告や偽サイトで拡散している。これらは「Meta Verified」などを装い、FacebookやInstagramの青いチェックバッジ解除を謳い、ユーザーのMetaアカウント情報を盗んでいる。

ITニュース解説

今回のニュースは、インターネット上で広がる新たなサイバー攻撃の手口について報じている。特に、偽のブラウザ拡張機能が悪用され、ビジネスアカウントが狙われているという内容だ。システムエンジニアを目指す上で、このようなサイバー攻撃の仕組みや対策を理解することは非常に重要なので、詳しく解説する。

まず、今回の攻撃の中心にある「ブラウザ拡張機能」とは何かから説明しよう。Webブラウザ(Google ChromeやMozilla Firefox、Microsoft Edgeなど)は、私たちがインターネットを閲覧するためのソフトウェアだ。このブラウザに、標準機能にはない便利な機能を追加するための小さなプログラムが「ブラウザ拡張機能」である。例えば、広告をブロックする機能や、Webページの翻訳機能、パスワードを管理する機能など、さまざまな種類の拡張機能が存在する。これらは私たちのWeb利用をより快適で効率的なものにしてくれるが、その一方で、悪意のある拡張機能も存在し、それらはユーザーに知られずに裏で危険な動作を行う可能性がある。

今回のケースでは、「Madgicx Plus」や「SocialMetrics Pro」といった名前の偽のブラウザ拡張機能が悪用されている。これらの偽の拡張機能は、通常の方法ではユーザーのコンピュータに侵入しない。その代わりに、「マルバタイジング(Malvertising)」と呼ばれる悪質な広告の手法が使われている。マルバタイジングとは、正当な広告ネットワークやWebサイトに紛れ込ませた、悪意のある広告のことだ。ユーザーがこのような広告をクリックすると、正規のサイトと見分けがつかないほど精巧に作られた偽のWebサイトへと誘導される。この偽サイトでは、まるで本物の便利なツールであるかのように装って、今回問題となっている偽の拡張機能のインストールを促すのだ。

特に「SocialMetrics Pro」は、「Meta Verified」という、FacebookやInstagramの公式認証バッジを無料で取得できると謳い、ユーザーをだまそうとしている。Meta Verifiedは通常、有料で提供されるサービスであり、このような謳い文句自体が不審な点だ。システムエンジニアにとって重要なのは、ユーザーが「便利そう」「お得そう」と感じる心理を突いた、社会工学的なアプローチが使われているという点である。

では、これらの偽の拡張機能がインストールされてしまうと、具体的に何が起きるのだろうか。今回の攻撃の主な標的は、「Meta Businessアカウント」だ。Meta Businessアカウントとは、企業や個人事業主がFacebookやInstagram上で広告を運用したり、顧客とのコミュニケーションを管理したりするための重要なプラットフォームである。ここには、広告費を支払うためのクレジットカード情報、企業や顧客に関する機密情報、ビジネスページの運営に必要な各種設定などが含まれている。

偽の拡張機能は、一度ブラウザにインストールされると、ユーザーのWebブラウザ上での活動を監視したり、入力された情報を盗んだりする。具体的には、Meta Businessアカウントのログイン情報(ユーザー名とパスワード)だけでなく、セッション情報(Webサイトにログインした状態を維持する情報であるCookieなど)、さらには二段階認証のコードまでをも窃取しようとする。これらの情報が悪意のある第三者の手に渡ってしまうと、Meta Businessアカウントが乗っ取られ、広告費が不正に利用されたり、企業のブランドイメージが損なわれたり、顧客情報が流出したりといった甚大な被害が発生する可能性がある。

このようなサイバー攻撃から身を守るためには、いくつかの重要な対策がある。まず最も基本的なこととして、ブラウザ拡張機能をインストールする際には、その提供元を必ず確認することだ。公式のWebストア(Chromeウェブストアなど)からダウンロードする場合でも、開発者の情報、他のユーザーのレビュー、インストール数などを注意深く確認する必要がある。不審な点があれば、安易にインストールしてはならない。また、見慣れない広告や「無料で認証バッジが手に入る」といった過度に魅力的な宣伝文句には特に警戒し、クリックしないように心がけることが重要だ。

さらに、アカウントのセキュリティを高めるために、「二段階認証」を設定することは必須である。これは、パスワードだけでなく、スマートフォンに送られるコードなど、二つ目の認証手段を使ってログインする方法で、万が一パスワードが漏洩しても、不正ログインを防ぐ効果がある。定期的にパスワードを変更し、使い回さないことも基本中の基本だ。信頼できるセキュリティソフトウェアを導入し、常に最新の状態に保つことも、悪意のあるプログラムの検出と除去に役立つ。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このニュースは単なる情報漏洩の事例として終わらせてはならない。このような攻撃は常に進化しており、システムの設計、開発、運用、そしてユーザーへの啓蒙活動の全てにおいて、セキュリティを最優先に考える姿勢が求められる。ユーザーが安全にサービスを利用できるよう、技術的な対策だけでなく、どのようにすればユーザーが危険な手口に引っかからないように情報を提供できるか、といった視点も重要になる。今回の事例は、技術的な脆弱性だけでなく、人間の心理を巧みに利用する「社会工学」の側面を持つ典型的なサイバー攻撃であることを理解し、常に警戒心を持つことが、これからのシステムエンジニアに求められる大切な資質の一つだ。

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