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【ITニュース解説】ghtkn でローカル開発用に GitHub Access Token をセキュアに生成して PAT から卒業する

2025年09月13日に「Zenn」が公開したITニュース「ghtkn でローカル開発用に GitHub Access Token をセキュアに生成して PAT から卒業する」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ローカル開発でGitHubに安全にアクセスするためのCLIツール「ghtkn」。従来のPersonal Access Token(PAT)の代わりに、GitHub Appからセキュアなアクセストークンを生成する。これにより、より安全な開発環境を実現する。

ITニュース解説

システムエンジニアが開発を進める上で、GitHubは不可欠なプラットフォームだ。コードのバージョン管理、チームでの共同開発、オープンソースプロジェクトへの貢献など、GitHubが提供する機能は多岐にわたる。ローカル環境で書いたコードをGitHub上のリポジトリにアップロードしたり、逆にリポジトリから最新のコードを取得したりするには、GitHubに対して自分が正当なユーザーであることを証明する「認証」が必要になる。

これまでのGitHub認証の一般的な方法の一つに「Personal Access Token」(PAT、パーソナルアクセストークン)というものがあった。これは、ユーザー自身がGitHubのウェブサイト上で発行する、パスワードの代わりとして機能する特別な文字列だ。PATを発行する際に、どのような操作(リポジトリの読み取り、書き込み、ユーザー情報の参照など)を許可するか、その権限の範囲を指定できる。一度PATを生成すれば、ユーザー名とパスワードを毎回入力することなく、コマンドラインツールやスクリプトからGitHubにアクセスできるようになり、非常に便利だった。

しかし、このPATにはいくつかの大きな課題があった。第一に、PATは非常に強力な権限を持ちやすく、一度漏洩してしまうと悪意のある第三者によってGitHubアカウントが不正に操作されるリスクがあった。例えば、ソースコードが公開されたり、重要な情報が改ざんされたりする可能性がある。PATは単なる文字列であるため、ローカルのファイルに保存したり、環境変数として設定したり、コマンドラインの履歴に残ったりすることがあり、意図せず漏洩してしまうケースも少なくなかった。また、PATは一度発行すると、その権限や有効期限を細かく管理するのが難しい場合もあった。特に、複数のプロジェクトやツールで同じPATを使い回していると、どれか一つが漏洩しただけで全てのリソースが危険にさらされることになる。セキュリティ意識の高い開発者であっても、PATの厳格な管理は常に頭を悩ませる問題だった。

このようなPATの課題を解決し、ローカル開発環境でのGitHubアクセスをより安全にするために登場したのが「ghtkn」(ジーエイチティーケン)という新しいCLIツールだ。ghtknは、その名の通り「GitHub Token」を意味し、従来のPATに代わるセキュアなUser Access Token(ユーザーアクセストークン)を生成することを目的としている。

ghtknがPATよりもセキュアである最大の理由は、「GitHub App」(GitHubアプリ)という仕組みを利用している点にある。GitHub Appは、特定のGitHubリポジトリや組織に対して、きめ細かく限定された権限を与えられるアプリケーションだ。PATがユーザー個人の広範な権限に基づいて発行されるのに対し、GitHub Appは「このリポジトリのこの部分だけを操作する」といった具体的な目的のために作られるため、必要な権限だけを最小限に付与できる。これにより、万が一ghtknで生成したトークンが漏洩したとしても、そのトークンでできることはGitHub Appに設定された最小限の範囲にとどまり、被害を局限化できるのだ。

ghtknは、このGitHub Appが提供する認証フローの一つである「Device Flow」(デバイスフロー)を使ってトークンを生成する。Device Flowは、ウェブブラウザを持たないデバイス(例えば、CLIツールが動作する環境)からセキュアに認証を行うための仕組みだ。具体的な流れは次のようになる。まず、ghtknコマンドをローカル環境で実行すると、画面に短いコードとGitHubの認証用URLが表示される。ユーザーはそのURLをウェブブラウザで開き、表示されたコードを入力して、自分のGitHubアカウントでログインし、ghtknが使用するGitHub Appに対してアクセスを許可する。この間、ghtknツールは指定されたGitHub Appから発行されるUser Access Tokenを待機している。ブラウザでの承認が完了すると、GitHub Appは認証済みのユーザーに対して有効なUser Access Tokenを発行し、ghtknツールはそのトークンを安全に受け取る。この一連のプロセスで、PATのように秘密の文字列を直接入力したり、ファイルに保存したりするリスクがなくなる。また、ghtknで生成されるUser Access Tokenは通常、PATよりも短い有効期限が設定されており、定期的に新しいトークンを取得し直す運用が推奨されるため、もし漏洩してもその影響は一時的で限定的になる。

このように、ghtknを利用することで、システムエンジニアはローカル開発環境でGitHubへのアクセスをよりセキュアに行えるようになる。強力なPATの漏洩リスクに怯えることなく、必要な時だけ必要な権限を持つトークンを簡単に生成できるため、セキュリティと利便性の両立が図られる。GitHub AppとDevice Flowという仕組みを組み合わせることで、開発者は安心して開発に集中でき、GitHubとの連携をより安全な形で確立できるのだ。これは、これからのシステム開発におけるセキュリティのベストプラクティスとして、広く採用されていくことが期待される。まさに「No More Personal Access Token(もうPATはいらない)」という、安全な未来への一歩と言えるだろう。

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