【ITニュース解説】Do I need HDMI 2.1 for PS5/Xbox (4K/120, VRR, ALLM)?
2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Do I need HDMI 2.1 for PS5/Xbox (4K/120, VRR, ALLM)?」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
HDMI 2.1は、PS5やXboxで最高のゲーム体験を引き出すための映像規格。4K/120fpsの高フレームレート、映像の乱れを防ぐVRR、自動低遅延モードALLMに対応する。滑らかな映像が重要なアクションゲーム等では効果絶大だが、映画鑑賞や60fpsで満足なら必須ではない。
ITニュース解説
PlayStation 5やXbox Series X|Sといった最新の家庭用ゲーム機は、従来機を大幅に上回る性能を持っています。その性能を最大限に引き出す上で重要な鍵となるのが、「HDMI 2.1」という映像・音声伝送の規格です。HDMIは、テレビやモニターに映像と音声をデジタル信号で送るためのインターフェースであり、そのバージョンによって伝送できる情報量が異なります。HDMI 2.1は、これまでの主流であったHDMI 2.0に比べて格段に多くの情報を伝送できるため、より高品質なゲーム体験を実現することが可能になります。具体的にゲームプレイにおいて体感できる大きな変化は、主に「4K/120Hz」「VRR」「ALLM」という三つの機能に集約されます。
第一に「4K/120Hz」対応です。これは、4Kという高精細な解像度を保ったまま、1秒間に120回画面を更新(リフレッシュ)できることを意味します。従来のゲーム機やHDMI 2.0規格では、4K解像度の場合、1秒間の画面更新は60回(60Hz)が上限でした。この更新回数が2倍になることで、映像の動きが圧倒的に滑らかになります。特に、キャラクターや背景が目まぐるしく動くシューティングゲームやレースゲームでは、その効果は絶大です。敵の動きをより正確に捉えられたり、高速で流れる風景の輪郭がはっきり見えたりするなど、操作の精度や没入感を大きく向上させます。
第二に「VRR(Variable Refresh Rate)」、日本語では可変リフレッシュレートと呼ばれる機能です。通常、テレビは一定の周期(例えば60Hzなら1秒間に60回)で画面を更新します。一方、ゲーム機が生成する映像のコマ数(フレームレート)は、処理の負荷によって常に変動しています。このテレビの更新タイミングとゲーム機の映像出力タイミングにズレが生じると、画面の一部が上下で引き裂かれたように見える「スクリーンティアリング」や、映像がカクついて見える「スタッタリング」が発生することがあります。VRRは、ゲーム機のフレームレートの変動に合わせて、テレビ側のリフレッシュレートをリアルタイムに同期させる技術です。これにより、ティアリングやスタッタリングを効果的に抑制し、常に安定した滑らかな映像でゲームをプレイすることが可能になります。
第三に「ALLM(Auto Low Latency Mode)」、自動低遅延モードです。テレビには、映像をより美しく見せるための様々な高画質化処理回路が内蔵されていますが、これらの処理には時間がかかるため、映像信号が入力されてから実際に画面に表示されるまでにわずかな遅延が生じます。ゲームにおいては、コントローラーのボタンを押してから画面上のキャラクターが反応するまでの時間が短いほど快適にプレイできます。そのため、多くのテレビには高画質化処理をバイパスして遅延を最小限に抑える「ゲームモード」が搭載されています。ALLMは、ゲーム機が接続されたことをテレビが検知し、自動的にこのゲームモードに切り替えてくれる機能です。ユーザーが手動で設定を変更する手間を省き、常に最適な低遅延環境でゲームを開始できるという利便性を提供します。
これらの機能からわかるように、HDMI 2.1は特に競技性の高いゲームや、映像の滑らかさを重視するユーザーにとって大きなメリットがあります。しかし、すべてのユーザーにとって必須というわけではありません。例えば、主に映画やドラマを視聴する場合、これらのコンテンツは基本的に1秒あたり24コマや60コマで制作されているため、HDMI 2.0の規格で十分に対応できます。また、プレイするゲームがストーリー重視のRPGなどで、フレームレートが60fpsに固定されている場合も、HDMI 2.1の恩恵を最大限に受けることは難しいでしょう。自身の利用目的や、現在所有しているテレビがHDMI 2.1に対応しているかどうかを考慮して、必要性を判断することが重要です。
実際にHDMI 2.1環境を構築する際には、いくつかの注意点があります。まず、ゲーム機だけでなく、テレビや、音響システムを構築している場合はAVアンプ(AVレシーバー)もHDMI 2.1に対応している必要があります。特にテレビの場合、搭載されているHDMIポートのすべてが2.1に対応しているとは限らず、特定のポートのみが対応しているケースが多いため、事前の確認が不可欠です。また、機器間を接続するHDMIケーブルも、HDMI 2.1の広帯域伝送に対応した「Ultra High Speed HDMI」認証ケーブルを使用しなければ、性能を完全に発揮することはできません。
接続方法としては、主に二つのパターンが考えられます。一つは、ゲーム機をテレビのHDMI 2.1対応ポートに直接接続し、音声信号だけを「eARC」という機能を使ってAVアンプへ送る方法です。これは、AVアンプがHDMI 2.1に未対応でも、ゲームの映像性能を最大限に活用できる有効な手段です。もう一つは、AVアンプが複数のHDMI 2.1入出力に対応している場合に、ゲーム機を一度AVアンプに接続し、そこからテレビへ映像と音声を出力する方法です。この方法なら、複数のHDMI 2.1対応機器をAVアンプで一元管理でき、入力切替がシンプルになります。
結論として、HDMI 2.1はゲーム体験の質を向上させるための重要なアップグレードですが、万人に必須の規格ではありません。動きの速いゲームで最高のパフォーマンスを求めるならば、その価値は非常に高いと言えます。一方で、映画鑑賞や比較的動きの少ないゲームが中心であれば、既存のHDMI 2.0環境でも十分に満足できる可能性が高いです。自身のプレイスタイルと環境を分析し、最適なシステムを構築することが求められます。