【ITニュース解説】<img> タグについて画像表示を最適化

2025年09月07日に「Qiita」が公開したITニュース「<img> タグについて画像表示を最適化」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

`<img>`タグの画像表示を最適化する方法を紹介。`fetchPriority`で優先度を設定、`preload`で事前読み込み。画面サイズに合わせた解像度を選び、`height`と`width`属性でCLSを抑制。Base64は避け、遅延読み込みも検討。これらで表示速度とUXを向上。

ITニュース解説

Webページで画像を表示する<img>タグは、単に画像を表示するだけでなく、ページの表示速度やユーザー体験に大きく影響する。特にシステムエンジニアを目指す人がWeb開発に関わる場合、<img>タグの最適化は必須の知識となる。

まず、fetchPriority属性について解説する。これは、画像の読み込み優先度を指定する属性だ。highlowautoのいずれかの値を設定できる。例えば、Webページの主要な画像(ヒーローイメージなど)にはfetchPriority="high"を設定することで、ブラウザは他のリソースよりも優先的にその画像をダウンロードし、ページの初期表示を速めることができる。逆に、ページの下部に表示される画像や、重要度の低い画像にはfetchPriority="low"を設定することで、他の重要なリソースのダウンロードを優先させることができる。autoはブラウザに判断を委ねるデフォルトの設定だ。fetchpriorityを適切に設定することで、ユーザーがWebページをより快適に利用できるようになる。

次に、preload属性について説明する。preloadは、ブラウザに対してリソースを事前にダウンロードするように指示する属性だ。<img>タグでpreloadを使用する場合、<link>タグを使って指定する必要がある。<link rel="preload" as="image" href="image.jpg">のように記述する。これは、CSSやJavaScriptで動的に読み込まれる画像など、ブラウザが通常よりも遅れて認識する可能性のある画像に対して特に有効だ。preloadを使用することで、ブラウザは画像を事前にダウンロードし、必要な時にすぐに表示できるため、画像の表示遅延を防ぐことができる。ただし、preloadはリソースのダウンロードを強制するものではないため、ブラウザの判断によってはダウンロードされない場合もある。preloadの使用は、Webページのパフォーマンスを向上させるための有効な手段の一つだ。

画面サイズに応じた画像解像度の重要性も理解しておく必要がある。高解像度の画像をすべてのデバイスに配信することは、データ転送量の無駄であり、表示速度の低下につながる。レスポンシブイメージを使用することで、デバイスの画面サイズや解像度に合わせて適切な画像を提供する。<picture>要素やsrcset属性を使用することで、これを実現できる。<picture>要素は、複数の<source>要素を内包し、それぞれの<source>要素に異なるメディアクエリと画像を指定する。ブラウザは、条件に合致する最初の<source>要素の画像を読み込む。srcset属性は、<img>タグ内で使用し、異なる解像度の画像をカンマ区切りで指定する。ブラウザは、デバイスの画面密度(ピクセル密度)に応じて最適な画像を選択する。これらの技術を駆使することで、モバイルデバイスでは低解像度の画像を、高解像度ディスプレイでは高解像度の画像を配信し、データ転送量を削減し、表示速度を向上させることができる。

CLS(Cumulative Layout Shift)は、Webページの視覚的な安定性を測る指標だ。CLSが高いほど、ページのレイアウトが頻繁に変わり、ユーザー体験が悪化する。<img>タグにheight属性とwidth属性を設定することは、CLSを低減するために非常に重要だ。これらの属性を設定することで、ブラウザは画像の表示に必要なスペースを事前に確保できる。画像がダウンロードされる前に、ブラウザは指定されたheightwidthに基づいて画像の占有領域を確保するため、画像の読み込み後にレイアウトがずれるのを防ぐことができる。height属性とwidth属性は、CSSでスタイリングする際にも役立つ。CSSでwidth: 100%; height: auto;のように指定することで、画像の縦横比を維持しながらレスポンシブに対応させることができる。

Base64エンコーディングは、画像を文字列として埋め込む方法だが、<img src="data:image/png;base64,...">のように使用する。Base64エンコーディングされた画像は、HTTPリクエストを減らすことができるというメリットがあるが、通常、ファイルサイズが大きくなるため、避けるべきだ。Base64エンコーディングされた画像は、ブラウザによってキャッシュされないため、同じ画像を複数のページで使用する場合、毎回ダウンロードする必要がある。また、Base64エンコーディングされた画像は、通常の画像ファイルよりもデコード処理に時間がかかるため、表示速度が低下する可能性がある。小規模な画像やアイコンなど、HTTPリクエストの削減が重要な場合にのみ、限定的に使用することを検討すべきだ。

最後に、Lazy Loadingについて説明する。これは、画像がブラウザの表示領域に入ってから画像を読み込む技術だ。loading="lazy"属性を<img>タグに追加することで、簡単に実装できる。Lazy Loadingを使用することで、初期表示に必要な画像のみを読み込み、それ以外の画像はスクロールに応じて読み込むため、初期表示速度を大幅に向上させることができる。特に、画像が多数含まれるWebページでは、Lazy Loadingの効果は大きい。ただし、Lazy Loadingを適用する際には、ユーザーがスクロールする前に表示されるべき重要な画像には適用しないように注意する必要がある。重要な画像には、fetchPriority="high"を設定するか、Lazy Loadingを適用しないことで、初期表示速度を維持しながらユーザー体験を向上させることができる。

これらの最適化手法を理解し、適切に適用することで、Webページのパフォーマンスを向上させ、ユーザー体験を改善することができる。システムエンジニアを目指す人は、これらの知識を習得し、実践で活用することで、より優れたWebアプリケーションを開発できるようになるだろう。

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