img要素(アイエムジー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

img要素(アイエムジー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

画像要素 (ガゾウソウソ)

英語表記

img element (イメージエレメント)

用語解説

img要素は、HTML(HyperText Markup Language)で記述されるWebページ内に画像を埋め込むために使用される、最も基本的かつ重要な要素の一つである。この要素の主な役割は、指定された画像ファイルをWebブラウザに読み込ませ、ページ上の特定の位置に表示させることだ。Webコンテンツにおいて、テキストだけでは伝えきれない情報を視覚的に補完し、ユーザーの理解を助け、デザイン性を高める上で不可欠な存在である。img要素は内容を持たない空要素であるため、多くのHTML要素とは異なり、開始タグ<img>のみで完結し、閉じタグ</img>を必要としない。この要素を正しく機能させるためには、いくつかの属性を適切に設定することが求められる。特に、src属性とalt属性は、img要素を使用する上で実質的に必須とされる。

src属性は「source」の略であり、表示したい画像ファイルの場所(URL)を指定する。このURLには、Webサイトのサーバー内にある画像ファイルを指す相対パスや、外部のWebサイト上にある画像を指す絶対URLを指定できる。ブラウザはこのsrc属性に記述されたURLを元に画像データを取得し、レンダリングを行う。もしこの属性が指定されていなかったり、指定された場所に画像ファイルが存在しなかったりした場合は、画像は表示されず、ブラウザによっては壊れた画像のアイコンが表示される。次に重要なalt属性は「alternative text」の略で、代替テキストを指定する。このテキストは、何らかの理由で画像が表示できない場合に、画像の代わりに表示される。例えば、ネットワークの接続状況が悪い、画像ファイルのURLが間違っているといったケースがこれにあたる。さらに、視覚に障害を持つユーザーが利用するスクリーンリーダー(画面読み上げソフトウェア)は、このalt属性のテキストを読み上げることで、画像の内容をユーザーに伝える。したがって、alt属性はWebアクセシビリティを確保する上で極めて重要な役割を担う。画像が単なる装飾であり、特に意味を持たない場合は、alt=""のように属性値を空に設定することが推奨される。これにより、スクリーンリーダーはその画像を無視し、不要な情報を読み上げることを防ぐ。

基本的なsrc属性とalt属性に加え、現代のWeb開発ではパフォーマンスやユーザー体験を向上させるための属性も頻繁に利用される。width属性とheight属性は、画像の表示サイズをピクセル単位で指定する。これらの属性をHTMLに直接記述することで、ブラウザは画像のダウンロードが完了する前から、その画像が表示される領域を予め確保できる。これにより、画像の読み込みに伴ってページのレイアウトが大きく変動する「レイアウトシフト」という現象を防ぐことができ、ユーザー体験の質を維持する上で有効である。画像の本来の寸法を指定することが一般的だが、CSSでサイズを制御する場合でも、アスペクト比をブラウザに伝えるためにこれらの属性を指定することが推奨されている。

パフォーマンス最適化の観点からはloading属性が重要である。この属性にlazyという値を設定すると、画像の遅延読み込み(lazy loading)が有効になる。これは、ユーザーがページをスクロールし、その画像が表示領域(ビューポート)に近づくまで、画像のダウンロードを開始しない仕組みである。ページを開いた初期段階では不要な画像の読み込みを後回しにすることで、ページの初期表示速度を大幅に改善し、特にモバイル環境など通信速度が限られる状況で効果を発揮する。

また、レスポンシIVE Webデザインに対応するためには、srcset属性とsizes属性が用いられる。srcset属性を使用すると、デバイスの画面解像度(ピクセル密度)や表示サイズに応じて、複数の画像ソースの中から最適なものをブラウザに選択させることができる。例えば、標準的なディスプレイには通常解像度の画像を、高解像度のRetinaディスプレイにはその2倍の解像度の画像を提供するといった使い分けが可能になる。sizes属性は、ビューポートの幅に応じて画像がどのくらいのサイズで表示されるかをブラウザに伝えるヒントとなり、srcset属性と組み合わせることで、より効率的な画像の選択を促進する。これらの属性を駆使することで、ユーザーの閲覧環境に最適化された画像を配信し、不要なデータ転送量を削減できる。

このように、img要素は単に画像を表示するだけの単純な要素ではない。srcで画像を指定しaltで代替情報を提供することは基本であるが、widthheightによるレイアウトの安定化、loadingによる表示速度の向上、srcsetsizesによるレスポンシブ対応など、多様な属性を適切に使いこなすことが求められる。これらの知識は、ユーザー体験、アクセシビリティ、SEO(検索エンジン最適化)、そしてサイト全体のパフォーマンスに直接的な影響を与えるため、システムエンジニアを目指す者にとって必須のスキルと言える。

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