【ITニュース解説】10 Lessons From 10 Years of iOS Development (That I Wish I Knew Earlier)
2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「10 Lessons From 10 Years of iOS Development (That I Wish I Knew Earlier)」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
iOS開発10年の経験から、コードの綺麗さより設計が重要。Auto Layoutは習得すべき。App Storeの審査知識も必要。テストは後々役立つ。パフォーマンス改善はUX向上に。通信処理も重要。常に変化に対応し、学習を続ける。リリースは始まりに過ぎず、分析と改善が必要。顧客は結果を重視する。キャリアはマラソン。基礎を重視し、アプリを製品として捉え、技術とビジネスのバランスが大切。
ITニュース解説
iOS開発10年の経験から得られた10個の教訓
iOS開発を始めた頃はObjective-Cが主流で、App Storeもまだ黎明期だった。スタートアップ、大企業、そして自身のプロジェクトを通じて10年間iOS開発に携わってきた経験から、もっと早く知っておきたかった教訓がいくつかある。
- コードの巧妙さよりもコードのアーキテクチャが重要
初期の頃は、半年後にはデバッグ不可能になるような、凝ったワンライナーコードを書いていた。しかし、クリーンで予測可能なアーキテクチャ(MVCからMVVM、そして現在のSwiftUIパターン)は、常に巧妙さを凌駕する。コードを書く際は、将来のメンテナンス性や拡張性を考慮した設計を心がけるべきだ。可読性が高く、理解しやすいコードを書くことが、長期的なプロジェクトの成功に繋がる。
- Auto Layoutは忍耐力を試すが必要な技術
Auto Layoutを避けるのではなく、積極的に活用するべきだ。制約、スタック、優先度を深く理解することで、UI作業は大幅にスムーズになる。異なる画面サイズやデバイスに対応するために、Auto Layoutは不可欠なツールとなる。最初は難しく感じるかもしれないが、根気強く学習することで、UI開発の効率と品質を向上させることができる。
- App Storeの審査プロセスもまたスキル
App Storeでの公開は、単にコードを書くだけではない。Appleのガイドラインを理解し、適切なメタデータを準備し、審査のリジェクトに冷静に対応することも、アプリをリリースするための重要なスキルだ。審査プロセスを円滑に進めるためには、ガイドラインを事前に確認し、必要な情報を正確に提供することが重要となる。
- テストはコスト以上の価値がある
ユニットテストとUIテストは最初は時間がかかるように感じるが、プロジェクトが成長するにつれて、その価値を発揮する。テストによって、クライアントが気づく前にバグを発見できれば、テストに投資した時間は無駄ではなかったと実感できるはずだ。テスト駆動開発(TDD)の手法を取り入れることで、より堅牢で信頼性の高いアプリを開発できる。
- パフォーマンスはユーザーエクスペリエンス
UIがどれほど美しくても、動作がカクカクしたり、遅延が発生したりすれば意味がない。Instrumentsを使ったプロファイリングは、最後の微調整ではなく、ワークフローの一部として組み込むべきだ。メモリリークやCPU使用率の最適化など、パフォーマンス改善はユーザー体験を向上させるために不可欠な要素だ。
- ネットワークコードの重要性を見くびらない
ネットワーク層の構造が不十分なために、アプリ全体の動作が停止するケースを見てきた。Combineやasync/awaitパターンを使用し、ネットワーク処理を適切に分離することで、アプリの保守性が向上する。ネットワークリクエストの処理、エラーハンドリング、データ変換などを適切に行うことで、安定したアプリを提供できる。
- Appleのエコシステムは変化が早いので、常に好奇心を持つ
Objective-CからSwift、SwiftUI、async/await、そしてVisionOSまで、変化こそが唯一の定数だ。継続的な学習は、iOS開発者にとって必須事項と言える。新しい技術やフレームワークに常にアンテナを張り、積極的に学習することで、常に最新の技術を活用できるようになる。
- アプリの成功 ≠ App Storeへのリリース
App Storeへのリリースはゴールではなく、スタート地点だ。分析、ユーザーからのフィードバック、クラッシュレポート、アップデートを通じて、アプリを製品へと成長させていく必要がある。リリース後も継続的に改善を行い、ユーザーのニーズに応えることで、長期的な成功を収めることができる。
- クライアントはコードではなく、成果を重視する
クライアントは、エレガントなViewControllerを求めているのではない。顧客にシームレスで価値のある体験を提供するために、開発者を雇うのだ。ビジネスの視点を理解し、クライアントの言葉で話すことが重要だ。技術的な詳細だけでなく、アプリがビジネスにもたらす価値を伝えることが、信頼関係の構築に繋がる。
- キャリアは短距離走ではなく、マラソン
燃え尽き症候群は現実的な問題だ。自分のペースを守り、学び続け、同僚とのネットワークを構築する。iOSコミュニティは寛容なので、貢献し、繋がりを築くことが重要だ。無理なスケジュールで開発を進めるのではなく、長期的な視点でキャリアを構築していくことが大切だ。
最終的な考え
過去に戻れるなら、若い頃の自分に伝えたいことは以下の3点だ。
- 近道ではなく、基本に集中する。
- アプリを単なるプロジェクトではなく、製品として捉える。
- 技術的な深さとビジネスの意識のバランスを取る。
今でも毎日学んでいるが、これらの教訓は私をより良い開発者にしてくれた。これらの教訓が、あなたの役に立つことを願っている。