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【ITニュース解説】日本語プログラミング言語Mind で経路検索

2025年09月15日に「Qiita」が公開したITニュース「日本語プログラミング言語Mind で経路検索」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

日本語プログラミング言語Mindを使い、最短経路検索プログラムが作成された。現状、距離データはプログラム内に直接記述されているが、実用化には外部ファイルから読み込むように改修が必要である。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す初心者が、プログラミング学習を進める上で、実際に動くプログラムの例を見ることは非常に参考になる。今回紹介する記事は、日本語プログラミング言語「Mind」を使って経路検索プログラムを開発した事例だ。まず「日本語プログラミング言語Mind」とは何か、そして「経路検索」がどのようなもので、プログラムとしてどのように実現されているのかを順を追って見ていこう。

多くのプログラミング言語は英語をベースにしているため、英語に慣れていない初心者にとっては、学習のハードルとなることがある。「Mind」のような日本語プログラミング言語は、その名の通り、プログラムを日本語で記述できるのが最大の特徴だ。「もし~ならば~する」といったように、普段使っている日本語の表現に近い形でコードを書けるため、プログラミングの基本的な考え方や論理構造を理解しやすいというメリットがある。これは、初めてプログラミングに触れる人にとって、英語の構文を覚えるよりも直感的にプログラムの意図を把握できる手助けとなる。しかし、日本語で書けるからといって、プログラミングの基本的な論理やアルゴリズムの知識が不要になるわけではない。どのような言語を使うにしても、コンピュータに何をさせたいかを明確にし、それを順序立てて指示する能力は必要不可欠だ。

次に、このプログラムの核となる「経路検索」について考える。経路検索とは、例えばカーナビや地図アプリで、出発地点から目的地までの最短ルートや最適なルートを見つけ出す機能のことだ。これをプログラムで実現するには、まず地図上の各地点(ノード)と、それらを結ぶ道(エッジ)の情報をコンピュータが理解できる形にする必要がある。具体的には、それぞれの地点の名前と、その地点から別の地点への移動にかかる距離や時間といったデータを準備する。記事のプログラムでは、この「距離表」という形で地点間の情報が管理されていると想像できる。

プログラムが最短経路を見つけるプロセスは、人間が地図を眺めてルートを探すのとは少し異なる。人間は直感的に「こっちの道の方が短いだろう」と判断できるが、コンピュータはひたすら計算を繰り返すことで最適な解を見つけ出す。よく使われる手法としては、「ダイクストラ法」といったアルゴリズムがある。これは、出発地点から近い順に探索を進め、まだ訪れていない地点への最短距離を段階的に確定していく方法だ。最終的には、全ての地点への最短距離がわかり、そこから目的地への最短経路を逆算して導き出す。今回のプログラムも、おそらく同様の考え方で経路を探索していると考えられる。

記事では、この距離表が「ハードコーディング」されていると述べられている。ハードコーディングとは、プログラムのソースコードの中に直接、データや設定値を書き込んでしまうことだ。今回のケースで言えば、各地点間の距離情報がプログラムのコード内にずらりと書かれている状態を指す。これは、簡単なプログラムやデータの変更が頻繁に発生しない場合には手軽な方法だが、実用的なシステムとしてはいくつかの問題がある。

第一に、データの内容を変更するたびに、プログラムのソースコード自体を修正し、再度コンパイル(コンピュータが実行できる形式に変換する作業)し直す必要が生じる。例えば、新しい道路ができたり、既存の道路の距離が変わったりした場合、その都度プログラマーがコードを開いて修正し、テストを行う手間がかかる。これは非常に非効率的だ。

第二に、データとプログラムのロジックが混在してしまうため、プログラム全体の可読性や保守性が低下する。どこがデータで、どこが処理ロジックなのかが分かりにくくなり、他の開発者がプログラムを理解したり修正したりするのが難しくなる。

こうした問題を解決するために、記事の記述にもあるように、実用的なシステムでは「外部ファイルからデータを読み込む」という方式が一般的に採用される。外部ファイルとは、例えばCSVファイル(カンマで区切られたテキストファイル)やJSONファイル、XMLファイルといったもので、これらの中に距離表の情報を記述しておく。プログラムは起動時にこれらの外部ファイルを読み込み、その内容を使って処理を行う。この方法なら、データの変更が必要になった場合でも、プログラムのソースコードには手を加えず、外部ファイルの内容だけを修正すればよい。これにより、データの更新が容易になり、プログラムの柔軟性が格段に向上する。データとロジックを分離する「関心の分離」というプログラミングの重要な原則の一つであり、システム開発において非常に重要な考え方だ。

また、記事には「地点名の前に番号を付けているので、実行時に2重に表示されます」という注意書きがある。これは、プログラムが地点の情報を処理する際に、おそらく内部的に管理している地点ID(番号)と、人間が読みやすい地点名(東京、大阪など)の両方をそのまま画面に出力してしまっている状況だと推測できる。システム開発では、ユーザーが見る画面表示と、プログラムが内部で処理するデータ構造との間にギャップが生じることがよくある。プログラマーは、ユーザーにとって最もわかりやすく、かつ誤解を与えないような形で情報を表示するように配慮する必要がある。この「2重表示」も、実用化する際にはユーザーインターフェース(UI)の観点から修正すべき点と言えるだろう。

このプログラムを通じて、システムエンジニアを目指す初心者は、単にコードを書くだけでなく、それがどのように動作し、どのような課題を抱えているのか、そしてどのように改善していくべきかという一連の思考プロセスを学ぶことができる。日本語プログラミング言語はとっつきやすい入り口を提供してくれるが、その先にはデータの管理、アルゴリズムの選択、ユーザーインターフェースの考慮といった、より広範なシステム開発の知識が広がっている。実際に手を動かしてプログラムを作成し、その課題に向き合うことで、着実にシステムエンジニアとしてのスキルを磨いていくことができるだろう。今回の事例は、そうした学習の第一歩として非常に良い教材となる。

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