【ITニュース解説】ミニPCにProxmox VEを入れてホームラボ構築_Part0 PC準備編
2025年09月16日に「Qiita」が公開したITニュース「ミニPCにProxmox VEを入れてホームラボ構築_Part0 PC準備編」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ミニPCを使った自宅での学習環境(ホームラボ)構築について解説する記事シリーズ。仮想化ソフトウェアProxmox VE 9.0をミニPCに導入し、仮想マシン作成から外部アクセスまでを順を追って説明する。この記事はPC準備編。
ITニュース解説
ミニPCとProxmox VEを組み合わせて自宅にサーバー環境を構築する「ホームラボ」という取り組みは、システムエンジニアを目指す人にとって実践的なスキルを磨く上で非常に有効な学習方法である。この記事シリーズは、そのようなホームラボを構築する手順を具体的に解説しており、特に「Part0 PC準備編」では、その全体像と準備段階における重要な考え方が示されている。
このシリーズの主な目的は、自宅に仮想環境を構築し、様々なサーバーやネットワークの知識を実践的に習得することにある。これにより、システム運用のスキルアップや、新しい技術への挑戦を通じて、個人の評価向上に繋げることを目指している。ここで扱うProxmox VEのバージョンは最新の9.0である。
まず、Proxmox VEとは何かについて理解することが重要だ。Proxmox VEは「プロックスモックス ブイイー」と読み、サーバーを仮想化するためのソフトウェアである。これはオープンソースソフトウェア(OSS)であり、基本的には無料で利用できる点が大きな特徴である。Proxmox VEを一台の物理サーバーにインストールすることで、その上に複数の仮想的なサーバー(仮想マシン)を同時に動かすことが可能になる。それぞれの仮想マシンは、まるで独立した一台のコンピュータのように振る舞い、異なるオペレーティングシステム(OS)をインストールして利用できる。Proxmox VEは、Webブラウザを通じてアクセスできる分かりやすいグラフィカルユーザーインターフェース(Web GUI)を備えており、仮想マシンの作成や管理、ネットワーク設定などを直感的に操作できるため、初心者にとっても扱いやすいツールと言える。
なぜProxmox VEがホームラボ構築に適しているのか。その理由として、まず無料で高機能な仮想化環境が手に入ることが挙げられる。エンタープライズ向けの仮想化ソフトウェアは高価なライセンスが必要な場合が多いが、Proxmox VEは無料で利用でき、自宅での学習用途には最適である。さらに、サーバー仮想化だけでなく、コンテナ仮想化の機能も標準で搭載されており、多様な技術を一つのプラットフォームで学べる。その安定性も高く評価されており、活発なコミュニティが存在するため、困った際には情報共有やサポートを受けやすい環境が整っている。
次に、なぜミニPCがホームラボの基盤として選ばれるのか。サーバー用途のPCというと大型で高性能なものを想像しがちだが、ミニPCにはホームラボに適した多くのメリットがある。第一に、その名の通り非常にコンパクトで省スペースであるため、自宅に設置しても邪魔にならない。第二に、消費電力が低い点が挙げられる。サーバーは長時間稼働させることが多いため、電気代を抑えられるのは大きな利点である。第三に、比較的に低価格で入手できるため、初期投資を抑えつつ環境を構築できる。そして最後に、動作音が静かなモデルが多く、リビングなど居住空間に設置しても快適に利用できる。これらの特徴から、ミニPCは自宅での学習用サーバーとして非常に優れた選択肢となる。
このシリーズで構築を目指すシステム構成の概要は、ミニPCにProxmox VEをインストールし、それを基盤として様々な仮想マシンを動かすというものだ。具体的には、仮想マシンとして「CentOS Stream 9」「AlmaLinux 9」「Windows Server 2022」などの異なるOSを搭載したサーバーを構築する予定である。これにより、Linuxサーバーの管理やWindowsサーバーの運用など、幅広い環境での実践経験を積むことができる。ネットワーク構成については、Proxmox VE自体が物理的なネットワークインターフェースを使い、その上で仮想的なネットワークを構築し、各仮想マシンが外部と通信できるように設定していくことになる。複数のネットワークインターフェースを持つミニPCは、このような柔軟なネットワーク設計において特に有利となる。
記事では、実際に筆者が使用するミニPCの具体的なスペックも示されている。CPUは第12世代のIntel Core i5、メモリは32GB、ストレージにはNVMe SSDが2TB搭載されており、ネットワークインターフェースはRealtek Gaming 2.5GbE Family Controllerが2つ装備されている。このようなスペックを持つミニPCは、複数の仮想マシンを同時に安定して動作させるために十分な性能を持っていると言える。特にメモリ32GBは、複数の仮想OSに割り当てることを考えると、余裕を持った構成だ。また、NVMe SSDは高速な読み書きが可能で、仮想マシンの起動やアプリケーションの動作をスムーズにする上で重要である。2つの2.5GbEネットワークインターフェースは、仮想ネットワークの柔軟な構築や、より高速なデータ転送を実現する上で非常に役立つ。
PCの初期設定は、Proxmox VEをインストールする前の重要なステップである。特に、BIOS(Basic Input/Output System)設定の確認と変更が欠かせない。BIOSはPCの最も基本的な動作を制御するプログラムであり、ここで仮想化支援機能(Intel VT-xまたはAMD-V)を有効にする必要がある。この機能は、CPUが仮想マシンを効率的かつ高性能に動作させるために不可欠なもので、無効になっていると仮想化環境が正常に動作しない場合がある。また、電源管理設定も確認し、長時間安定して稼働できるよう適切に設定しておくことが望ましい。さらに、PCが工場出荷時の状態であれば、搭載されているOSの確認なども行い、Proxmox VEのインストールに向けて準備を整える。
この記事シリーズは、Part0である今回のPC準備編に続き、Part1でProxmox VEの具体的なインストール手順を解説し、Part2ではそのProxmox VE上に実際に仮想マシンを作成する方法を、そしてPart3では構築した仮想環境に外部からアクセスするための設定方法を段階的に説明していく構成になっている。この一連のステップを踏むことで、システムエンジニアを目指す初心者でも、一から仮想化環境の構築と運用を実践的に学ぶことができ、将来のキャリアに役立つ貴重な経験を積むことが可能となるだろう。