【ITニュース解説】Notes from running a bilingual city guide on two subdomains
2026年11月05日に「Dev.to」が公開したITニュース「Notes from running a bilingual city guide on two subdomains」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ダナン市ガイドが、2つのサブドメインで言語版を分けて運用する知見を共有した。機械翻訳ではなく、各言語の読者に合わせたコンテンツを作成し、情報鮮度を保つ工夫や、サイトマップ分割、画像圧縮などSEOや運用を考慮した工夫を紹介した。
ITニュース解説
Danang Plusというベトナムのダナン市を案内する独立系のウェブサイトが、多言語サイトを運営する上で得た実践的な知見について説明する。このサイトは、ベトナム語版をdanang.plus、英語版をen.danang.plusという二つの異なる言語版で提供している。英語版はAstroというツールを使って構築された静的サイトである。この記事では、同じガイドサイトの二つの言語版を健全に保つための具体的な工夫や考え方が紹介されており、同様のプロジェクトを計画する人にとって非常に参考になる内容だ。
まず、なぜ異なる言語版を/en/のようなフォルダ形式ではなく、en.danang.plusのようにサブドメイン形式で運用することを選んだのかについて解説する。技術的にはどちらの方法も可能だが、Danang Plusの場合は、二つの言語版が単なる機械翻訳ではなく、それぞれ独立して作成されている点が大きい。つまり、各言語版には異なる編集方針があり、読者に提供したい情報やその優先順位が異なっているのだ。また、それぞれの言語版を独立してデプロイ(公開・更新)できるというメリットもあった。しかし、サブドメイン形式にはトレードオフも存在する。検索エンジンから見ると、それぞれのサブドメインは独立したウェブサイト(プロパティ)として扱われるため、両方のサブドメインに対して個別にサイト所有権の確認を行い、検索順位やアクセス状況をモニタリングし、そして二つのサイトマップを提出する必要がある。これは、一つのサイトとして扱われるフォルダ形式と比べて、検索エンジン最適化(SEO)の管理にかかる手間が増えることを意味する。
次に、多言語サイトにおけるコンテンツ作成の考え方について説明する。単に元言語の記事を翻訳するのではなく、「読者のために書く」という姿勢が重要だ。例えば、ダナンでの賃貸情報に関するページを想像してみよう。英語圏の読者が求めている情報は、現地のベトナム人読者が知りたい情報とは大きく異なる場合が多い。英語のページでは、保証金や契約の仕組み、一時滞在登録の必要性など、現地の慣習や法律に関する基本的な説明が必要になるだろう。これらはベトナム人読者であれば既に知っていることだからだ。一方、ベトナム語のページであれば、そうした基礎的な説明は省き、直接住むべき地域や家賃の相場といった具体的な情報に焦点を当てることができる。このように、各言語版を独立したコンテンツ計画に基づいて作成することで、どちらの言語版も読者にとってより有益な情報源となる。
また、頻繁に変わる可能性のある事実情報の管理は非常に重要だ。価格、営業時間、チケット料金、交通費といった情報は時間と共にすぐに古くなる。例えば、ダナンの生活費に関するページでは、それぞれの数字がどこから来たのか、そしていつ最終確認されたのかを明記している。変動しやすい事実の横に「最終確認日」を記載することで、どのページを優先的にレビュー(内容の確認・更新)すべきかが一目で分かるようになる。同時に、これは読者に対して、その情報がどれくらい信頼できるかを示す指標にもなる。古い情報が放置されていると、サイト全体の信頼性が損なわれる可能性があるため、この工夫はサイトの品質維持に不可欠だ。
サイトマップの活用方法も、サイトの運用効率を高める上で重要となる。サイトマップは、ウェブサイトの構造や各ページの情報を検索エンジンに伝えるためのファイルだ。Danang Plusの英語版サイトでは、サイトマップのインデックスをさらに「投稿(posts)」「ページ(pages)」「カテゴリ(categories)」「著者(authors)」といったコンテンツタイプ別に分割している。このアプローチの利点は、検索エンジンの管理ツール(例:Google Search Console)上で、どのタイプのページがインデックスされているか、あるいはされていないかを容易に確認できる点にある。さらに、コンテンツの一部が変更された場合でも、関連する部分のサイトマップだけを再送信すれば済むため、サイト全体のインデックス更新を効率的に行うことができる。
その他にも、サイトの品質やユーザー体験を向上させるための細かい工夫がいくつか紹介されている。 一つ目は、各ページにつき「一つの正規URL(canonical URL)」を使用し、URLの末尾にスラッシュ(/)をつけるかつけないかといった「末尾スラッシュの規約」を一貫して守ることだ。これは、同じ内容のページが複数のURLでアクセスされることを防ぎ、検索エンジンがどのURLを主要なものとして評価すべきかを明確にする上で重要である。これにより、検索エンジンによる評価が分散されることを避け、SEO効果を高めることができる。 二つ目は、関連するガイド記事同士を本文中でリンクし合うことだ。例えば、ビーチに関するガイド記事から「ダナンで宿泊する場所」に関するガイド記事へリンクを張ることで、読者は関連情報をスムーズに辿ることができ、サイト内での回遊性が向上する。同時に、検索エンジンのクローラーもサイト全体の構造をより深く理解しやすくなり、インデックスの精度向上にもつながる。 三つ目は、画像を圧縮し、表示レイアウトに合ったサイズに調整することだ。画像はウェブページの表示速度に大きく影響するため、適切に最適化することでユーザー体験が向上し、SEOにも良い影響を与える。静的サイトであるAstroで構築されているため、このような画像最適化作業を自動化しやすいという利点もある。 四つ目は、ガイド記事が最後に更新された日付をページの目立つ位置、特に上部に表示することだ。これは、変動する事実情報の管理と同様に、情報の新鮮さを読者に伝え、サイトの信頼性を高める上で非常に効果的だ。
これらの工夫は、個々に見れば決して複雑な技術ではない。しかし、各言語版をそれぞれの読者のために作り込むという姿勢や、変動する全ての事実に更新日付を明示するという地道な努力が、個別の技術的なトリックよりもガイドサイト全体の価値を大きく高めている。これらの知見は、システムエンジニアを目指す上で、単に技術を学ぶだけでなく、ユーザー視点や運用効率といった実用的な側面を考慮することの重要性を示唆していると言える。