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【ITニュース解説】Playwright for Performance Testing Live Websites

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Playwright for Performance Testing Live Websites」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Playwrightは、Chromeなどのブラウザのパフォーマンステストに役立つツールだ。コード自動生成や自動待機で効率的・安定したテストができる。ただし、ライブサイトでの内部通信のコストが測定値を歪める場合があり、その際はJavaScriptを直接注入し、Playwrightと併用することで正確な結果を得られる。

ITニュース解説

Webサイトのパフォーマンス・テストは、ユーザー体験を向上させる上で非常に重要だ。ページが速く表示され、スムーズに操作できることは、サービスの信頼性にも直結する。このパフォーマンスを測るために、自動化されたテストは不可欠だが、特に「ライブサイト」、つまり実際に運用されているWebサイトで正確なテストを行うのは難しい。そこで注目されているのが「Playwright」というツールだ。

Playwrightは、Webブラウザの自動操作を行うための単一のツールであり、特にChromiumベースのブラウザ、例えばGoogle ChromeやMicrosoft Edgeなど、多くのユーザーが利用する主要なブラウザを包括的にサポートしている。これにより、開発チームは異なるブラウザ環境でも一貫性のある、信頼性の高いテストを実行できる。Playwrightの導入も非常に簡単で、一般的なnpmコマンド一つでセットアップが完了するため、開発者は複雑な設定に時間を費やすことなく、すぐにテスト開発に取りかかれるのだ。

Playwrightが特にパフォーマンス・テストにおいて強力なのは、主に二つの機能があるからだ。一つ目は「Codegen」機能だ。これは、ユーザーがWebサイト上で行う操作(ボタンのクリック、テキストの入力など)を記録し、その操作を再現するためのクリーンな非同期コードを自動的に生成してくれる。さらに、この機能にはVS Codeという開発ツール用の拡張機能もあり、記録からコード生成までをスムーズに行える。これにより、複雑なテストシナリオを一から手書きする手間が省け、開発時間の大幅な短縮につながる。二つ目は「auto-wait」機能だ。Webページは読み込みに時間がかかったり、要素が動的に表示されたりすることが頻繁にある。Playwrightのauto-waitは、テストが特定の要素に対してアクションを実行する前に、その要素が操作可能になるまで自動的に待機する。この機能により、Webテストにありがちな、要素が表示される前にテストが実行されて失敗するという「不安定さ(flakiness)」を防ぎ、テストの信頼性と堅牢性を高めることができる。

しかし、Playwrightのような強力なツールを使っても、ライブサイトでのパフォーマンス・テストには避けて通れない課題も存在する。実際のWebサイトは常に変化しており、新しいバナーが突然表示されたり、レイアウトがわずかに変更されたりすることがある。Codegenで自動生成されたコードは便利だが、このような予期せぬ変化に対応するためには、開発者が手動でコードを修正し、特定のステップをオプションにしたり、より堅牢な処理を追加したりする必要がある場合があった。

もう一つの重要な課題は、Playwrightとブラウザ間の通信における「オーバーヘッド」だ。Playwrightの各コマンドは、ブラウザと「プロセス間通信(IPC)」という方法でやり取りを行う。IPCとは、異なるプログラム間で情報をやり取りする仕組みのことだ。通常のWeb操作の自動化であれば、このIPCのコストはほとんど問題にならないが、ミリ秒単位で厳密なパフォーマンス測定を行う場合、この通信にかかる時間そのものが測定結果に影響を与え、実際のパフォーマンスとは異なる数値を示してしまう可能性がある。これは、真のボトルネックを見つける上で大きな障壁となる。

このIPCのオーバーヘッド問題に対して、開発チームはより高度な、しかし効果的な回避策を見出した。それは、Playwrightの一般的なAPIを使わず、JavaScriptコードを直接Webサイトに「注入(inject)」し、ブラウザ自身の環境内でパフォーマンス測定を実行する方法だ。JavaScriptを注入するとは、まるでWebサイトの一部であるかのように、ブラウザの実行環境に直接プログラムコードを送り込むことだ。この方法では、Playwrightが提供する便利な非同期APIの一部を利用できなくなるという犠牲を伴うが、ブラウザ内部で測定が行われるため、IPCの通信コストに左右されず、より正確で信頼性の高いパフォーマンス測定値を得ることができたのだ。

最終的に、開発チームが採用したのは「ハイブリッドアプローチ」だった。これは、複数の異なる方法を組み合わせる戦略のことだ。Webサイトへのページ遷移やログイン処理といった標準的な操作には、Playwrightの堅牢なIPCベースのAPIを積極的に活用した。これにより、Playwrightの持つ利便性や安定性を享受できた。一方で、サイトの中でも特にパフォーマンスが重要で、ミリ秒単位の精密な測定が求められる部分に対しては、JavaScriptを直接注入する方法を限定的に適用した。この戦略によって、Playwrightの多くの強みを最大限に活かしつつ、ライブサイトのパフォーマンス・テスト特有の限界や課題にも効果的に対処することができた。テスト結果はブラウザ上で確認できるだけでなく、カスタムの出力形式で結果を報告することも可能であり、多様なニーズに対応できる。Playwrightは単なるテストツールにとどまらず、その柔軟な活用方法によって、今日の複雑なWeb環境におけるパフォーマンス改善に大きく貢献できる強力な味方となるだろう。

【ITニュース解説】Playwright for Performance Testing Live Websites | いっしー@Webエンジニア