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【ITニュース解説】5 Mistakes Scrum Masters Make When Using Zenhub (and How to Avoid Them)

2025年09月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「5 Mistakes Scrum Masters Make When Using Zenhub (and How to Avoid Them)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ZenhubはGitHub連携のプロジェクト管理ツールだ。スクラムチームで効果的に使うには、エピックを目標に沿わせ、パイプラインを簡潔にし、自動化を活用しよう。レポートは対話に使い、レトロの課題は必ず追跡することが、チームの生産性向上に繋がる。

ITニュース解説

スクラムとは、アジャイル開発手法の一つで、チームが短い期間(スプリント)でプロダクトを開発し、改善していく進め方である。この開発を円滑に進める役割を担うのがスクラムマスターだ。スクラムマスターは、チームの作業状況を可視化し、進捗を管理するためにさまざまなツールを用いる。その中でもZenhubは、GitHubと統合されており、軽量で使いやすいと評価されているツールだ。しかし、このZenhubを使いこなす上で、スクラムマスターが陥りがちな間違いがいくつかある。本記事では、その典型的な五つの間違いと、それらを回避しZenhubをより効果的に活用するための方法を解説する。

一つ目の間違いは、エピックを単なる「作業のゴミ箱」のように扱ってしまうことだ。エピックとは、大規模なユーザー機能やビジネス上の目標達成に必要な一連の作業をまとめたものである。例えば、「顧客がオンラインで商品を注文できるようにする」といった大きな目標がエピックに該当する。本来エピックは、チームの作業が最終的にどのような価値や目標に結びつくのかを示すための構造を提供するものだ。しかし、多くのスクラムマスターは、関連性の薄い様々な課題やタスクを無計画に一つのエピックにまとめてしまい、結果としてエピックが漠然とした内容になり、その役割を果たせなくなってしまう。これを避けるためには、エピックを「達成すべき成果」に基づいて定義し、プロダクト全体の目標や個々のスプリント目標と連携させることが重要だ。プロダクトオーナーがエピックを作成し、優先順位を付け、チームがそれらを具体的な小さな課題に分解し、スプリントで取り組むようにすると良いだろう。これにより、チームは常に最終的な目標意識を持って作業を進めることができる。

二つ目の間違いは、Zenhubのパイプラインを過度に複雑にしてしまうことだ。パイプラインとは、Zenhubのボード上でタスクや課題が進む「工程」や「状態」を示す列のことである。例えば、「未着手」「作業中」「レビュー中」「完了」といった状態をパイプラインとして設定し、タスクがこれらの状態を移動することで進捗を視覚的に把握する。Zenhubのパイプラインは、シンプルな設計が特長であり、作業の流れを明確にするために役立つ。しかし、必要以上に多くのパイプラインを設定すると、かえってボードが煩雑になり、チームメンバーがどのパイプラインにタスクを置くべきか迷ってしまったり、全体の進捗が把握しづらくなったりする。これを避けるためには、実際に作業が進行する「状態」を正確に反映する、シンプルなパイプライン構成にすることが推奨される。具体的には、「未着手」「作業中」「レビュー中」「完了」といった基本的な5〜7個のパイプラインに限定し、チームの実際のワークフローに合わせて必要に応じて1〜2個追加する程度に留めるのが良いだろう。シンプルさを保つことで、チーム全体の作業状況が一目で分かりやすくなる。

三つ目の間違いは、Zenhubに備わっている便利な自動化機能を無視してしまうことだ。Zenhubには、手作業で行う必要のあるボードの更新作業を自動化する機能が多数搭載されている。例えば、開発者がGitHubでプルリクエストをマージした際に、関連するZenhubのカード(課題)が自動的に「レビュー中」から「完了」に移動したり、コミット(コード変更の履歴)がGitHubにプッシュされた際に、関連する課題が自動的にクローズされたりする機能がある。これらの自動化機能を設定しないと、スクラムマスターやチームメンバーは、タスクの進捗に合わせて手動でボード上のカードを移動させる必要が生じる。これは手間がかかるだけでなく、更新が滞るとボードの情報が古くなり、チームの実際の状況とボード上の表示にずれが生じてしまう。結果として、ボードが「活きていない」状態になり、進捗管理の役目を果たせなくなる可能性がある。これを避けるためには、初期設定の段階で、主要な自動化機能を積極的に設定することが重要だ。たった30分程度の時間でこれらの設定を行うだけで、手作業によるボードの管理作業を大幅に削減し、常に最新かつ正確なボード情報を保つことができる。

四つ目の間違いは、Zenhubが提供する各種レポートを「生産性の証明」として誤用してしまうことだ。Zenhubでは、チームの生産性を測るためのベロシティレポートや、スプリントの残作業量を視覚化するバーンダウンレポートなどが提供されている。ベロシティとは、チームがスプリント期間中に完了した作業量の平均値であり、バーンダウンチャートは残りの作業がスプリント終了までにどれだけ減っていくかを示すグラフである。これらのレポートは、本来、チームが過去の経験から学び、今後の計画を立てるための「洞察」を得るために利用されるべきものだ。しかし、一部のスクラムマスターは、これらのレポートをチームに対する「成果の押し付け」や「生産性不足の証拠」として用い、チームメンバーを追い立てるような使い方をしてしまうことがある。これはチームの士気を下げ、建設的な議論を妨げる。これを避けるためには、レポートの結果を基にチームとの「対話」を促すことが大切だ。例えば、「このスプリントでは何が作業の速度を低下させたのだろうか?」や「なぜ今回はいつもより早く作業が完了したのだろう?」といった問いかけを通じて、チームが自ら課題を発見し、改善策を考える機会を提供することが重要だ。レポートは、チームの学習と成長のためのツールとして活用すべきであり、監視や評価のための道具ではないことを理解する必要がある。

五つ目の間違いは、スプリントの「振り返り(レトロスペクティブ)」でチームが決定した「アクションアイテム(改善のための具体的な行動)」を忘れ去ってしまうことだ。レトロスペクティブとは、スプリントの終わりにチームがこれまでの作業プロセスを振り返り、「何がうまくいったか」「何がうまくいかなかったか」「次回のスプリントで何を改善するか」を話し合う重要な会議である。この会議で得られた貴重な洞察や改善策は、チームのパフォーマンス向上に直結する。しかし、多くのチームでは、レトロスペクティブで素晴らしいアイデアや具体的な改善策が話し合われても、それらが記録されただけで、実際に実行に移されずに忘れ去られてしまうことが多い。Zenhub自体には、これらのアクションアイテムを自動的にリマインドする機能は備わっていないため、スクラムマスターが意識的に管理する必要がある。これを避けるためには、レトロスペクティブで決定されたアクションアイテムを、Zenhubの「課題」として明確に登録することが有効だ。それぞれの課題に担当者を割り当て、優先順位を設定し、次のレトロスペクティブの冒頭でそれらの進捗状況を必ず確認する習慣をつけることが重要である。これにより、チームは常に改善への意識を持ち続け、継続的にパフォーマンスを高めていくことができる。

Zenhubは、スクラム開発を支援する強力なツールだが、その真価は正しい心構えと使い方によって引き出される。エピックを意味のある目標に紐付け、パイプラインはシンプルに保ち、手動で行う必要のある作業は積極的に自動化する。また、レポートはチームの学習と改善を促す対話のきっかけとして活用し、レトロスペクティブで決定されたアクションアイテムは必ずZenhubで追跡し実行に移すことが重要だ。これらの点を意識することで、スクラムマスターはZenhubを最大限に活用し、チームの生産性と満足度を高めることができるだろう。

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