【ITニュース解説】Snowflake World Tour 2025 のコミュニティイベントで200人規模のインタラクティブクイズアプリを作った話
2025年09月12日に「Qiita」が公開したITニュース「Snowflake World Tour 2025 のコミュニティイベントで200人規模のインタラクティブクイズアプリを作った話」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Snowflake World Tour 2025 Tokyoのコミュニティイベントで、200人規模の参加者が同時に使えるインタラクティブなクイズアプリを実装した。大人数が利用するWebアプリケーション開発の具体的な事例とノウハウを紹介する記事だ。
ITニュース解説
2025年9月12日に開催されたSnowflake World Tour 2025 Tokyoのコミュニティイベントにおいて、約200人の参加者が同時に楽しむことができるインタラクティブなクイズアプリケーションが開発され、実際に運用された。このシステムは、単にクイズを出すだけでなく、参加者がリアルタイムで回答し、その結果が即座に反映され、ランキングも動的に更新されるという高度な機能を持っていた。システムエンジニアを目指す上で、このような大規模イベントを支えるアプリケーションがどのように構築されたかを知ることは、現代のシステム開発における重要な技術や考え方を学ぶ上で非常に役立つだろう。
このシステムが目指したのは、200人という大人数が同時にアクセスしても安定して動作し、クイズの進行に合わせてスムーズに画面が切り替わり、回答や結果がリアルタイムで共有される体験を提供することであった。この目標を実現するために、複数の先進的な技術要素が組み合わされている。
まず、このシステムの心臓部となるデータ管理には「Snowflake」というクラウドベースのデータウェアハウスが採用された。Snowflakeは大量のデータを高速に処理・分析することに特化したサービスで、今回のクイズアプリでは、クイズの問題データ、参加者の回答履歴、各参加者のスコア、そしてリアルタイムのランキング情報など、すべての重要なデータがここに保存され、管理された。大規模なイベントで多くのデータが瞬時に発生する状況でも、Snowflakeはその高い処理能力で安定したデータ基盤を提供したのである。
参加者が直接操作する画面、つまりユーザーインターフェースの部分と、その裏側でクイズのロジックを処理する部分には「Streamlit」が活用された。StreamlitはPython言語を使ってデータアプリケーションを素早く構築できるライブラリであり、フロントエンド(ユーザーに見える部分)とバックエンド(裏側の処理)の機能を兼ね備えている点が特徴だ。通常のWebアプリケーション開発に比べて、Pythonの知識があれば短期間で実用的なアプリケーションを開発できるため、イベント開催までの限られた時間の中で迅速にシステムを構築する上で非常に有効だった。
このStreamlitで開発されたアプリケーションは、「Streamlit Community Cloud」というサービス上で公開された。これはStreamlitアプリケーションをインターネット上で簡単にデプロイ(公開)できるプラットフォームであり、インフラ(サーバーやネットワークなどの基盤)構築の手間を大幅に削減し、開発者はアプリケーションの機能開発に集中することができた。
200人が同時に参加するインタラクティブなクイズを実現するために、最も重要な技術の一つが「WebSocket」である。通常のWebサイトでは、ユーザーが何か操作するたびにサーバーにリクエストを送り、サーバーからレスポンスを受け取るという一方向の通信が基本である。しかし、WebSocketはサーバーとクライアント(参加者のWebブラウザ)間で常時接続を維持し、双方向でリアルタイムにデータをやり取りできる。これにより、クイズの開始、問題の表示、参加者の回答送信、正誤判定、そして結果のリアルタイム更新といった一連の流れが、非常にスムーズに実現された。
このWebSocketと連携して、さらにリアルタイム性を高めるために「Redis Pub/Sub(Publish/Subscribe)」という仕組みが利用された。「Pub/Sub」は「発行/購読」という意味で、特定の「チャンネル」にメッセージを「発行」すると、そのチャンネルを「購読」しているすべてのシステムにメッセージが自動的に配信される。クイズの場面では、例えば司会者が次の問題に進むボタンを押した瞬間に、そのイベントがRedis Pub/Subを通じて発行され、それを購読している200人全員のクライアントに瞬時に「次の問題が表示される」という情報が届く、といった使われ方をする。Redisはインメモリデータストアであり、非常に高速なメッセージ処理が可能であるため、多数の参加者へのリアルタイム通知に威力を発揮した。
システムのデプロイと運用基盤としては、Pythonで書かれたWebSocketサーバーを稼働させるために「Heroku」が用いられた。Herokuはクラウド上でアプリケーションを簡単にデプロイし、運用できるプラットフォームであり、インフラの管理負荷を軽減するのに役立った。また、アプリケーションとその実行環境をひとまとめにする技術である「Docker」も導入されている。Dockerを使うことで、開発環境と本番環境の間でアプリケーションの動作に違いが出にくくなり、またHerokuのようなプラットフォームへのデプロイも容易になるため、安定した運用に貢献した。
開発プロセスにおいては、「GitHub Actions」が活用された。GitHub Actionsは、コードの変更を検知して自動的にテストを実行したり、アプリケーションをビルドしてデプロイしたりするCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールである。これにより、開発チームはアプリケーションの品質を保ちながら、迅速かつ効率的に開発を進めることができた。例えば、開発者がコードをGitHubにプッシュするたびに自動でテストが走り、問題がなければデプロイまで自動で行われる、といったフローが構築されたことで、開発者は実装に集中し、手作業によるミスを減らすことができた。
このように、このインタラクティブクイズアプリは、Snowflakeを核としたデータ処理、Streamlitによる迅速なアプリケーション開発、WebSocketとRedis Pub/Subによるリアルタイム通信、そしてHeroku、Docker、GitHub Actionsを活用した効率的なデプロイと運用という、多岐にわたる最新のクラウド技術と開発手法が結集して実現されたものである。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、この事例は、単一の技術だけでなく、複数の技術を組み合わせることで、大規模で複雑な要件を持つアプリケーションがいかに構築されるかを示す、具体的な実践例となるだろう。それぞれの技術がどのような役割を担い、お互いに連携して一つのシステムを動かしているのかを理解することは、将来のシステム開発において非常に重要な視点となるはずだ。