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【ITニュース解説】TIL: Building a Simple Typing Practice Tool

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「TIL: Building a Simple Typing Practice Tool」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

HTMLファイル1つで動作するシンプルなタイピング練習ツールが開発された。バックエンドやフレームワークは不要。ベトナム語や英語のニュース記事を練習文として自動取得し、入力速度や正確さをリアルタイムでフィードバックする機能を持つ。

出典: TIL: Building a Simple Typing Practice Tool | Dev.to公開日:

ITニュース解説

ある開発者が、Web上で動作するシンプルなタイピング練習ツールを個人で開発したことが報告された。このツールは、システムエンジニアを目指す初心者にとって、Webアプリケーション開発の基礎を理解するための優れた教材となりうる。特筆すべきは、Web開発の基本技術であるHTML、CSS、そしてJavaScriptのみで構築されており、サーバー側の処理や複雑なフレームワークを一切使用していない点である。この事例は、基礎技術だけでも実用的なツールを作成できることを示している。

このタイピング練習ツールは、ユーザーがブラウザでファイルを開くだけですぐに利用できる手軽さが魅力だ。通常、Webアプリケーションはサーバー(バックエンド)と通信してデータを処理することが多いが、このツールはすべての処理をユーザーのコンピュータ上、つまりブラウザ内(クライアントサイド)で完結させている。そのため、インターネット接続がなくても一度ファイルをダウンロードすれば使用可能であり、複雑なインストール作業や環境構築も不要である。機能面では、リアルタイムでのフィードバックが充実している。ユーザーがキーを入力するたびに、正解か不正解かが即座に色で示され、現在の入力位置もハイライトされる。さらに、経過時間、文字や単語の正答率、1分間あたりの入力単語数(WPM)、そしてミスを除いた正しいWPMといった詳細な指標がリアルタイムで更新されるため、ユーザーは自身のタイピングスキルを客観的に把握できる。また、練習文として、ベトナム語や英語のニュースサイトから最新の記事を自動で取得する機能も搭載されている。これにより、毎回新しい内容で飽きずに練習を続けられる工夫が施されている。もちろん、自分で好きな文章を貼り付けて練習することも可能だ。

このツールがどのようにしてHTML、CSS、JavaScriptだけで動作しているのかを理解することは、Web開発の第一歩として非常に重要である。まず、HTMLはWebページの構造を定義する役割を担っている。このツールで言えば、練習文が表示される領域、入力結果を示すスコアボード、リセットボタンといった、画面上の各要素の骨格をHTMLで記述している。次に、CSSはこれらの要素の見た目を装飾する。例えば、背景色や文字のフォント、レイアウトの調整、そしてダークモードへの切り替えといった視覚的なデザインはすべてCSSによって制御されている。入力された文字が正しい場合は緑色、間違っている場合は赤色で表示するといった動的な見た目の変化も、CSSのクラスをJavaScriptで切り替えることで実現している。そして、このツールの最も重要な部分、つまりアプリケーションとしての機能はJavaScriptが担当している。JavaScriptは、ユーザーのキーボード入力を検知し、その文字が練習文の対応する文字と一致するかを判定する。この比較結果に基づき、HTML要素の見た目を変更するようCSSに指示を出す。同時に、経過時間を計測し、正答率やWPMといった各種スコアを計算して画面に表示する。ニュースサイトから練習文を取得する機能もJavaScriptの非同期通信技術を用いて実現されており、外部のサーバーからデータを取得してページ上に表示するという、現代的なWebアプリケーションの基本的な動作を実装している。このように、HTMLで骨格を作り、CSSで見た目を整え、JavaScriptで動的な機能や計算処理を実装するという三者の明確な役割分担によって、このアプリケーションは成り立っている。

現代のWeb開発では、開発効率を高めるためにReactやVueといった「フレームワーク」や、特定の機能を手軽に実装するための「ライブラリ」を利用するのが一般的だ。しかし、このツールはそうした外部のコード(依存関係)を一切利用せず、ブラウザに標準で搭載されている機能だけで作られている。これは「素のJavaScript(Vanilla JS)」と呼ばれるアプローチであり、Web技術の根幹を深く理解するためには非常に効果的な学習方法である。開発者は、既存のタイピングツールが自身の母国語であるベトナム語に十分対応していなかったことや、常に新鮮な文章で練習したいという個人的な課題を解決するためにこのツールを開発したと述べている。これは、エンジニアが自身のニーズや身の回りの問題を解決するためにソフトウェアを開発するという、実践的なアプローチの好例と言える。課題を発見し、それを解決するための具体的な機能を考え、必要最小限の技術でシンプルに実装するというプロセスは、すべてのエンジニアにとって重要なスキルである。さらに、開発者はソースコードをGitHub上で公開している。初心者はこのコードを読むことで、実際のアプリケーションがどのように構成され、各機能がどのように実装されているのかを具体的に学ぶことができる。

このシンプルなタイピング練習ツールは、Web開発の基本三要素であるHTML、CSS、JavaScriptが連携して一つのアプリケーションを形成する過程を明確に示している。バックエンドやフレームワークといったより高度な技術を学ぶ前に、まずはこれらのフロントエンド技術だけでどこまで実現できるのかを知ることは、学習のロードマップを描く上で非常に有益である。この事例から学べるのは、基礎技術の習得がいかに重要であるか、そして身近な課題解決を目的とした小規模な開発が、実践的なスキルを身につけるための絶好の機会になるということだ。システムエンジニアを目指す者は、このような公開されているコードを参考にしたり、自分自身で同様の小さなツールを開発してみたりすることで、理論だけでなく、実際に動くものを作る力を養っていくことができるだろう。

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