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【ITニュース解説】東芝DynabookのUbuntu化

2025年09月13日に「Qiita」が公開したITニュース「東芝DynabookのUbuntu化」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Windows11へアップデートできない2013年製東芝Dynabookを、代替OSであるUbuntuに移行した事例である。OS入れ替え作業中に発生した課題や、特につまずきやすい箇所が備忘録としてまとめられており、古いPCのOS変更を検討する際の具体的な情報源となる。

出典: 東芝DynabookのUbuntu化 | Qiita公開日:

ITニュース解説

この解説では、古いノートパソコンである東芝Dynabook R732/Fを、Windows 11ではなくUbuntuという別のOSに換装した事例を取り上げる。これは、システムエンジニアを目指す初心者にとって、OSの基本的な役割、ハードウェアとソフトウェアの関係、そして問題解決のプロセスを学ぶ良い機会となるだろう。

まず、OS(オペレーティングシステム)とは、パソコンのハードウェア(CPU、メモリ、ディスク、Wi-Fiモジュールなど)と、アプリケーションソフトウェア(ブラウザ、文書作成ソフトなど)の間を取り持ち、それらが円滑に動作するように管理する基本的なソフトウェアである。WindowsやmacOS、Linuxなどが代表的なOSだ。

今回対象となったDynabook R732/Fのような2013年製のパソコンは、現代の最新OSであるWindows 11のシステム要件を満たさないことが多い。Windows 11は、セキュリティを強化するために、TPM 2.0という特定のセキュリティチップの搭載や、比較的新しい世代のCPUを必須としている。物理的には動く性能を持っていても、これらの要件を満たさないために公式にはアップデートできない状況が生まれる。しかし、性能的にまだ使えるパソコンを廃棄するのはもったいない。そこで登場するのが、Windows以外のOSへの換装という選択肢だ。

記事の筆者が選んだUbuntuは、Linuxと呼ばれるOSの一種で、世界中で広く使われている。Linuxは、WindowsやmacOSと異なり、基本的に無料で利用でき、ソースコードが公開されているオープンソースソフトウェアである点が大きな特徴だ。Ubuntuは特に使いやすく、見た目も洗練されているため、Linux初心者にも勧められるディストリビューション(Linuxの種類)の一つだ。

なぜ古いパソコンにUbuntuが選ばれるのかというと、主にその「軽さ」にある。Windowsに比べて動作に必要なシステムリソース(CPU、メモリなど)が少ないため、古いハードウェアでも比較的快適に動作する可能性がある。また、セキュリティ面でも優れており、長期サポート版(LTS)を選べば、数年間のセキュリティアップデートと技術サポートを受けられるため、安心して利用できる。システムエンジニアを目指すなら、WindowsだけでなくLinux環境に触れておくことは非常に重要であり、学習の機会としても価値がある。

具体的な換装作業の大まかな流れは以下のようになる。まず、既存のデータが失われないよう、必ず外付けハードディスクなどにバックアップを取ることが最重要だ。次に、Ubuntuの公式サイトからISOファイルというインストール用のイメージファイルをダウンロードする。このISOファイルを、Rufusなどのツールを使ってUSBメモリに書き込み、Ubuntuを起動できる「ライブUSB」を作成する。

その後、パソコンの電源を入れ直し、BIOS(またはUEFI)設定画面に入り、起動順序をUSBメモリが最初に読み込まれるように変更する。これにより、パソコンはUSBメモリからUbuntuを起動する。起動後は、グラフィカルなインストーラーの指示に従って、言語選択、タイムゾーン設定、そしてディスクのパーティション設定を行う。パーティション設定では、既存のWindowsと共存させる「デュアルブート」や、Windowsを完全に削除してUbuntuのみをインストールする「単一OSインストール」といった選択肢がある。今回はUbuntuへの完全換装を選択している。

今回の記事では、この換装作業中にいくつかの課題に直面している。特に顕著なのが、特定のハードウェアがUbuntu上で「認識しない」「動作しない」という問題だ。これは「デバイスドライバー」の不足が原因で発生する。デバイスドライバーとは、OSがハードウェアを制御・利用するためのソフトウェア部品で、Windowsには通常、幅広いハードウェアに対応するドライバーが最初から組み込まれているか、自動でダウンロードされる仕組みがある。しかし、Linux、特に特定の古い機種や特殊なチップセットの場合、適切なドライバーが標準では提供されていないことがあるのだ。

記事の筆者は、特にWi-Fiモジュールでこの問題に直面した。Dynabook R732/Fの内蔵Wi-FiがUbuntuで機能しなかったため、解決策として「USB Wi-Fiドングル」という外付けの小型デバイスを使うことで対処した。これは、内蔵ハードウェアのドライバーが見つからない場合に、別の互換性のあるデバイスで代替するという、実践的な問題解決の一例である。

同様に、指紋認証デバイスやSDカードスロットも、ドライバーの問題で認識されなかったと報告されている。これらについては、筆者は「諦めた」という選択をしている。これは、すべてのハードウェアが完璧に動作するわけではないというLinux換装の現実を示している。しかし、Web閲覧、文書作成、プログラミングなどの基本的な用途であれば、Wi-Fiさえつながれば十分機能する。

このようにUbuntuに換装することで得られるメリットは大きい。まず、古いPCの寿命を延ばし、新しいPCを購入する費用を節約できる。さらに、Windowsとは異なる操作体系を持つLinuxに触れることで、多様なOS環境への理解を深め、システムエンジニアとして必要なスキルと経験を積める。問題に直面し、それを解決しようと試みる過程で、OSの仕組み、ハードウェアとソフトウェアの連携、デバイスドライバーの重要性といった深い知識が得られるのだ。

古いパソコンをUbuntu化することは、単なる延命措置に留まらず、費用対効果の高い学習機会であり、システムエンジニアを目指す上で非常に貴重な経験となるだろう。

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