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【ITニュース解説】Why I Keep Coming Back to Go (After Trying Almost Everything Else)

2025年09月19日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why I Keep Coming Back to Go (After Trying Almost Everything Else)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

多くの言語を試した開発者が、最終的にGo言語を選ぶ理由を解説。Node.jsやRails、Rustなどに課題を感じる中、Goはシンプルで思考の邪魔をせず、高速な開発と安定した運用を実現する。エラー発見が早く、信頼性が高い点が、多くのプロダクト開発で選ばれる決め手となっている。

ITニュース解説

プログラミングの世界には数多くの言語が存在し、それぞれに得意なことや特徴がある。開発者はプロジェクトの性質や自身の経験、チームの状況に応じて最適な言語を選択する。ある開発者が長年のプロダクト開発を通じて様々な言語を試した後、最終的にGo言語に落ち着いたという話は、言語選択の奥深さを示している。

まず、登場時に大きな注目を集めたNode.jsについて触れる。Node.jsは、JavaScriptというWebブラウザで動く言語をサーバーサイドでも使えるようにした画期的な技術だった。その非同期処理の仕組みであるイベントループは、複数の処理を効率的に並行して実行できる点で多くの開発者を驚かせた。JavaScriptがフロントエンドからバックエンドまで「どこでも使える」という魅力は大きく、コミュニティの活気も非常に高かった。実際に、この開発者もNode.jsで多くのシステムを開発し、世に送り出した。しかし、プロジェクトが複雑になるにつれて、課題が浮上し始めた。非同期処理が積み重なることで、コードが非常に深く、読みにくくなる「コールバック地獄」という状態に陥りやすかった。また、多くのパッケージが乱立し、管理が複雑になる「パッケージカオス」も問題となった。さらに、JavaScriptの柔軟さが大規模開発ではかえって不具合の原因となることもあり、より厳密な型チェックを導入するTypeScriptを使うべきか否かという議論が頻繁に起こるようになった。Node.jsは楽しかったが、シンプルさを保ったままシステムの規模を拡大していくのは難しいと感じるようになったのだ。

次に試したのがRuby on Rails(通称Rails)だった。Railsは、Webアプリケーションを素早く開発するためのフレームワークとして知られている。その「設定より規約(Convention over Configuration)」という思想は、多くの細かい設定をすることなく、定められたルールに従って開発を進めることで、スタートアップ企業が最小限の機能を持つ製品(MVP)を迅速に構築するのに非常に適していた。開発者もその開発速度の速さに魅力を感じていた。しかし、システムが大きくなるにつれて、Railsの「抽象化の層」が時に障壁となることがあった。抽象化とは、複雑な内部の仕組みを隠し、開発者が簡単に扱えるようにする工夫だが、その層が厚すぎると、いざ問題が発生した際に「システム内部で実際に何が起こっているのか」を追跡し、原因を特定するのが難しくなることがあった。それでも、Railsのコミュニティは現在でも活発であり、その開発思想は多くのソフトウェア開発者にとって尊敬の対象であると述べている。

ElixirとPhoenixフレームワークも候補に挙がった。Elixirは、並行処理に特化したErlangという言語の技術を基盤としており、システムを構成する独立した小さな部品(アクター)がメッセージを送り合うことで処理を進める「アクターモデル」は非常に興味深く、言語自体もエレガントで軽量である。リアルタイム処理や大規模なアプリケーションに適していると考えられた。しかし、すぐに直面した課題は、Elixirを扱えるエンジニアの採用が難しいという点だった。世の中の多くのエンジニアがElixirに精通しているわけではないため、チームを組んで開発を進めるのが困難であり、一人でメンテナンスし続けるのも持続可能ではないと感じた。

その後、Rustという言語も検討した。Rustは、高いパフォーマンスとメモリ安全性という特徴を持つ、非常に尊敬される言語だ。システムプログラミングやOS開発など、低レベルで厳密な制御が必要な分野でその真価を発揮する。しかし、この開発者は毎日カーネルモジュール(OSの心臓部)を開発しているわけではない。基本的なAPIを構築するような日常的なアプリケーション開発において、Rustが要求する「ライフタイム注釈」などの厳格なメモリ管理の仕組みは、かえって開発速度を低下させる要因となった。高い品質と安全性をもたらす一方で、一般的なアプリケーション開発には過剰な負担に感じられたのだ。

そして、最終的にGo言語が開発者の手になじむようになった。Go言語に惹かれたのは、流行に乗っていたり、クールだと感じたからではない。Go言語が「開発者の邪魔をしない」という点が最も重要だったと述べている。最高の意味で「つまらない」という表現は、余計な複雑さやサプライズがないことを意味する。その構文は非常にシンプルで、コードを書く際に言語仕様について深く考える必要がほとんどない。賢いトリックや、隠された魔法のようなメタプログラミングといった機能はなく、ただ明確で、型安全で、読みやすいコードを書くことに集中できる。この「分かりやすさ」こそが、開発において最も重要だとこの開発者は強調する。

Go言語の具体的な利点は多岐にわたる。まず、「Goは高速に失敗する」という特徴がある。コードにタイプミスがあったり、型の指定を間違えたりすると、すぐにコンパイラが教えてくれるため、多くの初歩的なバグを防ぐことができる。そして、一度コンパイルが通れば、そのプログラムは安定して、そして高速に動作する確信が持てる。もちろん例外もあるが、慣れてくればそれも見極められるようになる。これまでGo言語を使ってAPI、バックエンドサービス、コマンドラインツール、社内ツールなど、様々なプロダクトを開発し、どれもスムーズに感じられたという。Go言語のツール群は非常に充実しており、コードのビルド(実行可能な形式に変換する作業)は驚くほど速い。異なるOSやCPUアーキテクチャ向けにプログラムをビルドする「クロスコンパイル」も簡単に行え、デプロイ(サーバーに配置して動作させる作業)も予測しやすい。何よりも、開発後のメンテナンスが「喜び」だと感じるほど楽だという。

Go言語のエコシステム(関連技術やツール、コミュニティの総体)も成熟している。これは偶然ではなく、Go言語がインフラストラクチャ分野で広く使われている理由と密接に関係している。DockerやKubernetesといった、現代のITインフラを支える重要なツールの多くがGo言語で開発されており、その背景を調べれば、なぜGo言語がこれほどまでに普及したのかが理解できるだろう。

もちろん、Go言語にも完璧ではない側面はある。エラーハンドリングの記述が冗長に感じられることや、ジェネリクス(様々な型に対応できる汎用的なコードを書く機能)の導入が他の言語に比べて遅かった点などが挙げられる。しかし、実際の開発現場においては、これらの課題がプロダクトの構築や出荷を妨げたことは一度もないと開発者は断言する。Go言語は「ただ動く」。派手さはないかもしれないが、迅速な開発と、開発者自身の精神的な健全さを保ちながらシステムを規模を拡大していく上で、Go言語が最も信頼できるツールとなっているのだ。

この開発者の経験は、プログラミング言語の選択が、単なる技術的な好みだけでなく、開発の効率性、チームの持続可能性、長期的なメンテナンス性といった多角的な視点から行われるべきであることを示唆している。様々な言語を試した結果、最終的にシンプルさと信頼性を兼ね備えたGo言語が、開発者の「デフォルト」言語となったのだ。

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