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【ITニュース解説】XREALグラスでどこでも簡易SteamVR

2025年09月11日に「Qiita」が公開したITニュース「XREALグラスでどこでも簡易SteamVR」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

XREALグラスとCloudXR技術を活用し、外出先など場所を選ばずにPC向けVRゲーム(SteamVR)を簡易的に体験する方法が解説された。ただし、この方法は専門知識が必要な玄人向けであり、専用デバイス購入は慎重に検討すべきだ。

出典: XREALグラスでどこでも簡易SteamVR | Qiita公開日:

ITニュース解説

この記事は、XREALグラスというスマートグラスを使って、一般的なVRヘッドセットが利用するSteamVRのコンテンツを体験する方法について解説している。しかし、この方法は高度な知識を必要とし、一般的なVR体験とは異なる性質を持つため、初心者には推奨されないと記事の冒頭で注意喚起している。

XREALグラスは、拡張現実(AR)の要素を持つスマートグラスである。これは、現実の視界にデジタルな情報を重ねて表示するデバイスであり、完全に仮想空間に没入する一般的なVRヘッドセットとはその性質が異なる。具体的には、XREALグラスは視野角が比較的狭く、目の前に小さな画面が浮かんでいるような感覚で映像を見ることになる。そのため、広大な仮想空間に包み込まれるような本格的なVR体験を期待すると、物足りなさを感じる可能性がある。

一方、SteamVRとは、PCを基盤としたVR(仮想現実)プラットフォームのことである。多くの高性能なVRゲームやアプリケーションがこのプラットフォーム上で提供されており、通常はOculus RiftやValve Indexといった専用のVRヘッドセットと、それらを動かすための強力なゲーミングPCを組み合わせて利用される。SteamVRのコンテンツを楽しむには、高いグラフィック処理能力を持つPCと、VRヘッドセットが欠かせない。

ここで登場するのが、NVIDIAが提供する「CloudXR」という技術である。CloudXRは、高性能なPCで実行されているVRやARのアプリケーションの映像や音声を、ネットワークを通じて別のデバイス(クライアントデバイス)にリアルタイムでストリーミング配信する技術だ。つまり、処理の重い計算は高性能なPCで行い、その結果だけをXREALグラスのような比較的スペックの低いデバイスに送ることで、まるでXREALグラス自体がそのアプリケーションを動かしているかのように体験させることを可能にする。

この記事が目指す「XREALグラスでどこでも簡易SteamVR」というアイデアは、このCloudXRの仕組みを利用している。通常、SteamVRをXREALグラスで直接動かすことはできない。しかし、CloudXRを使うことで、強力なゲーミングPC上で動作しているSteamVRの映像を、インターネット経由でXREALグラスに飛ばし、XREALグラスでその映像を見るという方法をとる。これにより、XREALグラスは、高性能PCの「窓」のような役割を果たし、あたかもSteamVRのコンテンツを体験しているかのように感じられる。

この方法の大きなメリットは、XREALグラスという軽量で携帯性の高いデバイスで、どこにいても高性能なSteamVRのコンテンツにアクセスできる点にある。たとえば、自宅のゲーミングPCとXREALグラスをインターネットで繋げば、外出先からでも自宅のPC上のSteamVRコンテンツを楽しむことが可能になる。もちろん、そのためには安定した高速なネットワーク環境が必須となる。通信速度が遅かったり、途切れたりすると、映像がカクついたり、遅延が発生したりして、快適な体験は望めない。

しかし、記事ではこの方法が「とても玄人向け」であると強調している。CloudXRのセットアップやネットワーク設定、XREALグラスと連携させるための調整など、初心者にはハードルが高い技術的な知識と手間が必要になるためである。単にデバイスを購入してケーブルを繋ぐだけで動くような手軽さはない。

また、XREALグラスの特性上、本格的なVR体験とは異なる点も理解しておくべきだ。前述の通り、XREALグラスは視野角が狭いため、仮想空間に完全に没入する感覚は得られない。あくまで、目の前に広がる現実空間に、SteamVRのコンテンツが小さなウィンドウのように表示される「簡易的な」体験に過ぎない。本格的なVRデバイスが提供するような、視界いっぱいに広がる仮想世界への没入感や、コントローラーを使ったインタラクションの自由度は期待できないだろう。

記事は、この目的のためだけにXREALグラスを購入することは勧めないと明言している。これは、XREALグラスの本来の用途や性能が、本格的なSteamVR体験とは異なること、そして上記で述べたような技術的な課題や体験の限界があるためである。XREALグラスは、動画視聴や一般的なARアプリケーションの利用を主な目的としたデバイスであり、この記事で紹介されているSteamVRの利用方法は、あくまで実験的かつ応用的な使い方の一つとして捉えるべきだ。

まとめると、この記事は、NVIDIAのCloudXR技術とXREALグラスを組み合わせることで、高性能なPCが手元になくても(正確には高性能PCの処理能力を遠隔で利用して)、簡易的にSteamVRのコンテンツを楽しむことができる応用技術について解説している。これは技術的な探求としては非常に興味深い試みだが、その実現には高度な知識と設定が求められ、またXREALグラスの特性上、本格的なVR体験とは異なる「簡易版」であるという点を理解しておく必要がある。この方法は、先端技術の組み合わせによって、新しい利用シーンを探求する挑戦的な事例の一つと言える。

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