【PHP8.x】sodium_crypto_kdf_derive_from_key関数の使い方
sodium_crypto_kdf_derive_from_key関数は、指定されたマスターキーから、特定の用途に特化した「派生キー」(サブキーとも呼ばれます)を安全に生成する関数です。この関数は、単一の強力なマスターキーを直接使用するのではなく、そこから目的ごとに異なる複数の鍵を生成することで、暗号化システムのセキュリティを向上させるために利用されます。
たとえば、システム内でユーザーのパスワードハッシュ、データの暗号化、メッセージ認証など、様々な暗号化処理を行う必要がある場合を考えます。もしこれら全ての処理に同じマスターキーを直接使用してしまうと、万が一そのマスターキーが漏洩した場合、システム全体のセキュリティが破綻してしまう危険性があります。
この関数を使用することで、マスターキーと、生成したいキーの長さ、一意の識別子(サブキーID)、そしてそのキーがどのような目的で使われるかを示す「コンテキスト」という情報を組み合わせて、それぞれの目的に合わせた個別の派生キーを作り出すことができます。これにより、各派生キーは特定の用途にのみ有効となり、たとえ一つの派生キーが漏洩したとしても、他の用途のキーやマスターキーの安全性は保たれやすくなります。
sodium_crypto_kdf_derive_from_key
関数は、セキュリティライブラリであるSodium拡張の一部として提供されており、堅牢な鍵派生メカニズムを提供します。これにより、開発者は複雑な鍵管理のベストプラクティスを効果的に実装し、安全性の高いアプリケーションを構築することが可能になります。
基本的な使い方
構文(syntax)
1<?php 2$parent_key = sodium_crypto_kdf_keygen(); 3$subkey_length = 32; 4$subkey_id = 1; 5$context = 'MyAppKey'; 6 7$derived_subkey = sodium_crypto_kdf_derive_from_key( 8 $subkey_length, 9 $subkey_id, 10 $context, 11 $parent_key 12); 13?>
引数(parameters)
int $subkey_length, int $subkey_id, string $context, string $key
- int $subkey_length: 派生させる鍵のバイト単位での長さ
- int $subkey_id: 派生させる鍵を一意に識別するためのID
- string $context: 派生させる鍵のコンテキストを指定する文字列
- string $key: 派生元となる鍵(ランダムなバイト列)
戻り値(return)
string
指定されたキーとコンテキスト情報から生成された、指定された長さのランダムなバイト列を文字列として返します。