アクティブ/アクティブ構成(アクティブアクティブコウセイ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
アクティブ/アクティブ構成(アクティブアクティブコウセイ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アクティブ/アクティブ構成 (アクティブアクティブコウセイ)
英語表記
active/active configuration (アクティブアクティブコンフィギュレーション)
用語解説
アクティブ/アクティブ構成とは、システムの信頼性や処理能力を高めるためのサーバー構成方式の一つである。この構成では、同じ機能を持つ複数のサーバーやシステムが全て同時に稼働状態(アクティブ)となり、連携して処理を分担する。その主な目的は、一部のサーバーに障害が発生してもシステム全体のサービスを停止させない「高可用性」の実現と、多くのアクセスを効率的に処理するための「負荷分散」である。システムの安定稼働が強く求められるWebサイトやオンラインサービスなどで広く採用されている。対義的な構成として、主系として稼働するサーバーと、その障害時に備えて待機するサーバーで構成される「アクティブ/スタンバイ構成」が存在するが、アクティブ/アクティブ構成は全ての機材を常に稼働させることで、リソースを最大限に活用する点が大きな特徴である。
アクティブ/アクティブ構成の仕組みを理解する上で中心的な役割を果たすのが、ロードバランサーと呼ばれる装置またはソフトウェアである。外部からのリクエストは、まずこのロードバランサーが一括して受け付ける。ロードバランサーは、自身の配下にある複数のアクティブなサーバーの状態を常に監視しており、どのサーバーが正常に稼働しているかを把握している。そして、受け付けたリクエストを、あらかじめ設定されたルールに基づき、各サーバーへ均等に、あるいはサーバーの負荷状況に応じて動的に振り分ける。この働きにより、特定のサーバーに処理が集中することを防ぎ、システム全体の処理能力を向上させる。
この構成がもたらす最大のメリットの一つが高可用性である。構成内のいずれかのサーバーにハードウェア故障やソフトウェアの不具合といった障害が発生した場合、ロードバランサーはヘルスチェック機能によってその異常を即座に検知する。そして、障害が発生したサーバーをリクエストの振り分け対象から自動的に除外する。これにより、残された正常なサーバーだけで処理が継続され、利用者から見ればサービスが中断することなく利用し続けられる。この障害発生時の自動的な切り替えはフェイルオーバーと呼ばれる。アクティブ/スタンバイ構成では待機系への切り替えに多少の時間が必要となる場合があるが、アクティブ/アクティブ構成では元々稼働している他のサーバーが処理を引き継ぐため、より迅速でシームレスなサービス継続が可能となる。
もう一つの重要なメリットは、負荷分散によるパフォーマンスの向上とスケーラビリティの確保である。全てのサーバーが同時にリクエストを処理するため、一台あたりの負荷が軽減され、システム全体の応答性能が向上する。ウェブサイトへのアクセスが急増した場合でも、リクエストを分散させることで安定したサービスを提供できる。さらに、将来的にアクセス数が増加し、既存のサーバーだけでは処理能力が不足すると予測される場合には、新たにサーバーを追加するだけで容易にシステム全体の処理能力を増強できる。このようにサーバーの台数を増やすことで性能を向上させることを水平スケール(スケールアウト)と呼び、システムの拡張性を高める上で非常に有効な手段である。また、全てのサーバーを常に稼働させるため、待機系のサーバーが遊休資産となるアクティブ/スタンバイ構成と比較して、投資したハードウェアリソースを無駄なく有効活用できるという経済的な利点もある。
一方で、アクティブ/アクティブ構成には設計や運用における考慮点も存在する。最も大きな課題は、構成の複雑さである。複数のサーバーが同時に同じアプリケーションを動かすため、サーバー間で状態の一貫性を保つための仕組みが必要となる。例えば、利用者のログイン情報といったセッションデータを、どのサーバーがリクエストを処理しても参照できるように、セッション情報を共有するための専用サーバーを設けたり、データベースに保存したりといった工夫が求められる。また、複数のサーバーから同時にデータベースへの書き込みが行われると、データの不整合が発生するリスクがある。これを回避するためには、データベース自体を複数のサーバーで同期を取りながら稼働させるクラスタ構成にしたり、書き込み処理は特定のサーバーに集約し、他のサーバーはその複製データを参照するようにしたりするなど、データ整合性を維持するための高度な設計が不可欠となる。これらの設計の複雑さは、システムの構築にかかる期間やコストの増大につながる可能性がある。また、運用開始後も、複雑なシステムを安定して維持管理するための専門的な知識や技術が求められる。このように、アクティブ/アクティブ構成は、高い可用性と性能を提供する強力なソリューションであるが、その導入と運用には相応の技術力とコストが必要となることを理解しておく必要がある。