アクティブ/スタンバイ構成(アクティブスタンバイコウセイ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
アクティブ/スタンバイ構成(アクティブスタンバイコウセイ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アクティブ/スタンバイ構成 (アクティブスタンバイコウセイ)
英語表記
Active/Standby configuration (アクティブ/スタンバイコンフィギュレーション)
用語解説
アクティブ/スタンバイ構成とは、システム全体の可用性を高めるための冗長化構成の一種である。現用系と待機系の2つのシステムを用意し、通常時は現用系のみを稼働させ、待機系は現用系の障害発生時に備えて待機状態にしておく。現用系に障害が発生した場合、待機系が自動または手動で現用系に切り替わり、システムを継続稼働させることを目的とする。
アクティブ/スタンバイ構成の基本的な仕組みは、まず現用系と待機系が同一の機能を持つシステムであることだ。ハードウェア、ソフトウェア、設定などが可能な限り同一に保たれる。これにより、切り替え時の互換性の問題を最小限に抑える。通常時、現用系は実際の業務処理を行い、待機系は停止しているか、または最小限の機能のみを稼働させている。待機系は、現用系の状態を監視し、障害発生を検知する。監視方法は、ハートビートと呼ばれる定期的な信号を現用系から待機系へ送信する方法が一般的だ。この信号が途絶えた場合、待機系は現用系に障害が発生したと判断する。
障害発生を検知すると、待機系は現用系の役割を引き継ぐための切り替え処理を開始する。この切り替え処理には、いくつかの段階がある。まず、現用系の停止を確認する。次に、待機系が自身のIPアドレスやホスト名を現用系と同じものに変更し、ネットワーク上のルーティングを更新する。これにより、クライアントからのアクセスが自動的に待機系へリダイレクトされる。最後に、待機系は現用系が最後に処理していた状態から業務処理を再開する。このためには、現用系と待機系が定期的にデータを同期しておく必要がある。データの同期方法としては、データベースのレプリケーションや、ファイルシステムの共有などが用いられる。
アクティブ/スタンバイ構成には、いくつかの種類がある。コールドスタンバイは、待機系が完全に停止している状態を指す。障害発生時には、待機系の起動からデータ同期まで時間を要するため、切り替えに時間がかかる。ウォームスタンバイは、待機系が最小限の機能のみを稼働させている状態を指す。コールドスタンバイよりも切り替え時間は短縮されるが、待機系を稼働させるためのコストがかかる。ホットスタンバイは、待機系が現用系とほぼ同じ状態で稼働している状態を指す。現用系のデータをリアルタイムで同期しているため、切り替え時間は最も短くなる。しかし、待機系を常に稼働させておく必要があるため、コストは最も高くなる。
アクティブ/スタンバイ構成のメリットは、比較的容易に導入できる点だ。既存のシステムに、待機系を追加するだけで冗長化を実現できる場合がある。また、システム全体の可用性を向上させ、障害発生時のダウンタイムを最小限に抑えることができる。さらに、待機系をバックアップシステムとしても活用できる。
一方、デメリットとしては、コストがかかる点が挙げられる。現用系と同等のシステムをもう一つ用意する必要があるため、ハードウェアコスト、ソフトウェアコスト、運用コストなどがかかる。また、切り替え処理には時間がかかる場合がある。コールドスタンバイの場合、切り替えに数十分から数時間かかることもある。さらに、データ同期の仕組みによっては、データ整合性の問題が発生する可能性がある。
アクティブ/スタンバイ構成は、可用性が重要なシステムに適している。例えば、オンラインバンキングシステム、ECサイト、基幹業務システムなどだ。これらのシステムでは、障害によるダウンタイムが、ビジネスに大きな影響を与える可能性があるため、冗長化構成が不可欠となる。アクティブ/スタンバイ構成は、システムエンジニアにとって、可用性を考慮したシステム設計を行う上で、重要な知識の一つだ。