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ICCID(アイシーアイディ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

ICCID(アイシーアイディ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

アイシーアイディー (アイシーアイディー)

英語表記

ICCID (アイシーアイディー)

用語解説

ICCIDは、Integrated Circuit Card Identifierの略称であり、SIMカードやeSIMに記録されている世界で一つだけの識別番号である。この番号の主な目的は、通信事業者が発行する膨大な数のSIMカードを物理的な個体として一意に識別し、管理することにある。我々が普段利用している電話番号や、契約者情報を識別する番号とは異なり、ICCIDはSIMカードというICチップが埋め込まれたカードそのものに紐づく、いわばカードのシリアル番号としての役割を担っている。スマートフォンの新規契約や通信事業者の乗り換え(MNP)、eSIMプロファイルのダウンロードといった手続きの際に、どのSIMカードを有効化するかをシステムが正確に特定するために使用される、モバイル通信ネットワークの根幹を支える重要な情報である。

ICCIDの構造は、国際電気通信連合の電気通信標準化部門(ITU-T)が定める勧告E.118によって国際的に標準化されている。一般的には最大19桁の数字で構成され、入力ミスを検知するためのチェックディジットと呼ばれる検査用の1桁を含めて20桁で表記されることもある。この数字の羅列は無作為なものではなく、各部分に明確な意味が割り当てられている。まず、最初の2桁は常に「89」で固定されている。これは主要産業識別子(Major Industry Identifier, MII)と呼ばれ、電気通信業界を示すコードである。次に続く1桁から3桁は国コード(Country Code, CC)で、そのSIMカードがどの国で発行されたかを示している。日本で発行されたSIMカードの場合、国コードは「81」となるため、日本国内の通信事業者が発行したSIMカードのICCIDは必ず「8981」から始まる。国コードの次には発行者識別番号(Issuer Identification Number, IIN)が続き、どの通信事業者が発行したカードであるかを識別する。例えば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクといった事業者ごとに異なる番号が割り当てられている。それ以降の番号は、個々のアカウント識別番号(Individual Account Identification Number)と呼ばれ、各通信事業者が社内の管理ルールに基づき、一枚一枚のSIMカードに割り当てた固有の番号である。最後の1桁は、前述のチェックディジットであり、Luhnアルゴリズムという計算式を用いて算出される。これにより、番号の入力間違いなどを機械的に検出することが可能となっている。

ICCIDの役割は多岐にわたるが、最も重要なのはSIMカードのライフサイクル管理である。通信事業者は、工場での製造から倉庫での在庫管理、店舗への配送、そして利用者への提供、さらには解約後の廃棄に至るまで、すべてのプロセスをICCIDをキーとして追跡している。利用者がオンラインで新規契約や機種変更の手続きを行う際にICCIDの入力を求められることがあるのは、事業者が数あるSIMカードの中から利用者が手にした一枚を正確に特定し、通信サービスを有効化(アクティベーション)するためである。近年普及が進むeSIMにおいてもICCIDの概念は同様に重要である。eSIMは物理的なカードの抜き差しを必要とせず、端末に内蔵されたチップに通信用の情報(プロファイル)をダウンロードして利用する仕組みだが、このダウンロードされるプロファイルごとにもICCIDが割り当てられている。これにより、物理SIMと同様にeSIMのプロファイルを一意に識別し、管理することが実現されている。

モバイル通信システムを理解する上で、ICCIDと他の関連する識別子との違いを把握することは極めて重要である。特に混同されやすいのがIMSI(International Mobile Subscriber Identity)とIMEI(International Mobile Equipment Identity)である。IMSIは、通信サービスに加入している「契約者」を国際的に識別するための番号である。ICCIDが物理的なSIMカードという「モノ」を識別するのに対し、IMSIは「契約」そのものを識別する。例えば、SIMカードを紛失して再発行した場合、新しいSIMカードが手渡されるためICCIDは新しいものに変わるが、契約内容は引き継がれるためIMSIは基本的に変わらない。一方、IMEIは、スマートフォンやタブレットといった「通信端末」自体を識別するための番号である。これは端末の製造時に割り当てられる固有の番号で、SIMカードや契約とは完全に独立している。端末の盗難時にその端末からの通信をブロックするネットワーク利用制限などで用いられる。このように、モバイル通信サービスは、物理的なカード(ICCID)、契約者(IMSI)、通信端末(IMEI)、そして利用者が通話などで使う電話番号(MSISDN)といった複数の識別子を精緻に連携させることで成り立っている。システムエンジニアとしてこの分野に携わるには、それぞれの識別子が持つ役割と関係性を正確に理解しておくことが不可欠である。

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