LCP(エルシーピー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

LCP(エルシーピー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

主要コンテンツ表示時間 (シュヨウコンテンツヒョウジジカン)

英語表記

LCP (エルシーピー)

用語解説

LCPはLargest Contentful Paintの略称であり、Webページの読み込みパフォーマンスを測定するための重要な指標の一つである。これはGoogleが提唱するユーザー体験の質を測る一連の指標、Core Web Vitals(コアウェブバイタル)を構成する三つの指標のうちの一つに位置付けられている。LCPは、ユーザーがページにアクセスしてから、ビューポート、つまり画面に表示されている領域内で最も大きなコンテンツ要素が描画されるまでの時間を計測する。ここでいうコンテンツ要素とは、画像や動画、あるいはまとまったテキストブロックなどを指す。この指標は、ユーザーが「このページの主要なコンテンツは読み込まれた」と体感するタイミングを数値化することを目的としており、ページの表示速度に関するユーザーの知覚を非常によく反映するため、Webサイトのパフォーマンス評価において極めて重要視される。ユーザーがページを開いた際に、いつまでも真っ白な画面が表示されたり、小さなテキストしか表示されなかったりすると、離脱につながる可能性が高まる。LCPを測定し、改善することは、このような離脱を防ぎ、良好なユーザー体験を提供するために不可欠な取り組みである。

LCPの計測対象となる「最も大きなコンテンツ」には、いくつかの種類がある。具体的には、HTMLの<img>タグで表示される画像、<svg>タグ内部の<image>タグ、CSSのbackground-imageプロパティでurl()関数を用いて読み込まれる背景画像、<video>タグで設定されたポスター画像(動画が再生される前に表示される静止画)、そしてテキストを含む段落<p>や見出し<h1>などのブロックレベル要素が該当する。計測される要素の「大きさ」は、その要素が本来持つファイルサイズではなく、ユーザーの画面上に実際に表示されるピクセル単位の面積で決定される。ただし、CSSによって適用された余白(margin)や枠線(border)などはサイズの計算に含まれない。LCPの計測は、ページの読み込みが開始されてから、ユーザーがスクロールやクリックなどの操作を行うまでの間、継続的に行われる。最初は小さな見出しがLCPの候補だったとしても、その後により大きな画像が読み込まれて表示されれば、その画像が新たなLCPの候補として更新される。このように、ページの読み込み過程で最も大きな要素が変化するたびに、LCPの値も更新されていく。

GoogleはLCPの評価基準として具体的な数値を定めている。ページの読み込み開始から2.5秒以内にLCPが達成されれば「Good(良好)」、2.5秒を超えて4.0秒以内であれば「Needs Improvement(改善が必要)」、4.0秒を超えると「Poor(不良)」と評価される。この数値を改善し、良好な状態を維持することが、検索エンジン最適化(SEO)の観点からも推奨されている。LCPの速度が低下する、つまり値が大きくなる主な原因はいくつか考えられる。第一に、サーバーの応答時間が遅いことである。ブラウザがサーバーにリクエストを送ってから、最初の1バイトを受け取るまでの時間(TTFB: Time to First Byte)が長いと、その後のすべての処理が遅延し、LCPも悪化する。第二に、CSSやJavaScriptといったリソースがレンダリングをブロックしている場合がある。ブラウザはHTMLを解析する途中でこれらのファイルを見つけると、その読み込みと実行が完了するまでページの描画を中断することがあり、これがLCPの遅延につながる。第三に、LCPの対象となる画像や動画などのリソース自体のファイルサイズが大きすぎることや、読み込みに時間がかかることが挙げられる。最後に、複雑な処理をクライアントサイド、つまりユーザーのブラウザ側でJavaScriptを用いて行っている場合も、描画処理の負担が大きくなりLCPを悪化させる一因となり得る。

これらの原因に対して、LCPを改善するための具体的な手法が存在する。サーバーの応答時間については、より高性能なサーバープランへの移行、サーバー設定の最適化、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用してユーザーに近いサーバーからコンテンツを配信するなどの対策が有効である。レンダリングをブロックするCSSやJavaScriptに関しては、不要なコードを削除したり、ファイルのサイズを圧縮したりするほか、ページの表示に必須ではないJavaScriptの読み込みを後回しにする非同期読み込みや、最初に表示される部分に必要なCSSだけをHTMLに直接埋め込むといった最適化が効果的である。画像リソースについては、表示領域に適したサイズに画像をリサイズし、WebPのような次世代フォーマットを使用してファイルサイズを削減すること、そして画面に表示されていない画像を後から読み込む遅延読み込み(lazy loading)を実装することが推奨される。また、ブラウザに対して重要なリソースを早期に読み込むよう指示するプリロード機能を活用することも、LCPの改善に寄与する。これらのパフォーマンス指標は、PageSpeed InsightsやChrome DevToolsのLighthouseといったツールで簡単に計測でき、具体的な問題点や改善策のヒントを得ることが可能である。

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