link要素(リンクヨウソ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

link要素(リンクヨウソ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

リンク要素 (リンクヨウソ)

英語表記

link element (リンクエレメント)

用語解説

link要素は、HTML文書と外部リソースとの関係を定義するための要素である。HTML文書自体には含まれない情報、例えば文書の見た目を制御するスタイルシートや、ブラウザのタブに表示されるアイコン(ファビコン)などを関連付ける際に使用される。この要素はHTML文書のヘッダー情報を記述するhead要素内に配置するのが一般的であり、文書の本体であるbody要素には配置しない。link要素は、それ自体が画面に表示される内容を持つことはなく、あくまで文書のメタデータ、つまり文書自身に関する情報を定義する役割を担う。最も代表的な使用例は、外部のCSSファイルを読み込み、HTML文書にスタイルを適用することである。これにより、文書の構造(HTML)とデザイン(CSS)を分離することができ、保守性や再利用性の高いWebサイト構築に貢献する。しかし、link要素の役割はスタイルシートの読み込みだけに留まらず、Webページのパフォーマンス最適化やSEO(検索エンジン最適化)、アクセシビリティ向上など、多岐にわたる重要な機能を提供する。

link要素の具体的な機能は、主にrel属性とhref属性によって決定される。href属性は、関連付ける外部リソースの場所をURLで指定する。これはlink要素が機能するために必須の属性である。一方、rel属性は「relationship」の略であり、現在のHTML文書からhref属性で指定されたリソースへの「関係性」を示す。このrel属性に指定する値によって、link要素の振る舞いが大きく変わる。

最も頻繁に使用されるrel属性の値は「stylesheet」である。これを指定すると、ブラウザはhref属性で示されたファイルをCSSスタイルシートとして解釈し、現在のHTML文書に適用する。例えば、<link rel="stylesheet" href="style.css">と記述することで、style.cssというファイルに定義されたスタイルがページ全体に反映される。この際、type属性でリソースの種類を明示的に示すことも可能で、CSSの場合はtype="text/css"と記述するが、近年では多くの場合省略可能となっている。

次に代表的なのが「icon」である。これは、ブラウザのタブやブックマーク、スマートフォンのホーム画面に追加した際のアイコン画像を指定するために使用される。古くは「shortcut icon」という値も使われていたが、現在では「icon」が標準的である。sizes属性を併用することで、16x1632x32のようにアイコンのサイズを指定でき、デバイスの解像度に応じて最適な画像を表示させることが可能となる。

Webサイトの表示速度を向上させるパフォーマンスチューニングの文脈でも、link要素は極めて重要な役割を果たす。rel属性に「preconnect」を指定すると、ブラウザはhref属性で指定されたオリジン(ドメイン)に対して、本格的なリソース取得が始まる前に、DNS名前解決、TCPハンドシェイク、TLSネゴシエーションといった接続処理を先行して実行する。これにより、後続のリソースリクエスト時に発生する接続の遅延を削減し、体感速度を向上させることができる。似た機能として「dns-prefetch」があり、これはDNSの名前解決のみを事前に行う、より軽量な最適化手法である。

さらに高度なパフォーマンス最適化手法として「preload」と「prefetch」がある。「preload」は、現在のページで確実に必要となる重要なリソース(例えば、ページの初期表示に必須のJavaScriptファイルやWebフォントなど)を、ブラウザのレンダリング処理を妨げることなく、高い優先度で事前に読み込むためのものである。「preload」を使用する際は、as属性でリソースの種類(script, style, font, imageなど)を明示する必要がある。これにより、ブラウザはリソースを適切にキャッシュし、必要なタイミングで即座に利用できるようになる。「prefetch」は、「preload」と異なり、将来のページ遷移で必要になる可能性が高いリソースを対象とする。ブラウザがアイドル状態のときに、低い優先度でリソースをバックグラウンドで読み込んでおくことで、ユーザーが次のページに移動した際の表示を高速化する効果が期待できる。

検索エンジン最適化(SEO)の観点では、「canonical」という値が重要である。Webサイト内に、URLは異なるが内容がほぼ同じ、あるいは完全に同一のページが複数存在する場合がある。これは「重複コンテンツ」と呼ばれ、検索エンジンからの評価が分散してしまう原因となる。このような状況で、<link rel="canonical" href="正規のURL">を各ページに記述することで、検索エンジンに対してどのURLが正規のバージョンであるかを伝え、評価をそのURLに集約させることができる。

また、「alternate」という値は、文書の代替バージョンを示すために用いられる。例えば、印刷専用のスタイルシートを適用したページ、異なる言語に翻訳されたページ、あるいはブログのRSSフィードやAtomフィードの場所を示す際に使用される。media属性を併用することで、特定の条件下でのみ適用されるリソースを指定することも可能だ。例えば、<link rel="stylesheet" href="print.css" media="print">と記述すれば、そのCSSは印刷時にのみ適用される。

このように、link要素は単に外部ファイルを読み込むだけの単純な機能ではなく、rel属性に指定する値によって、スタイル適用、パフォーマンス改善、SEO対策、代替コンテンツの提示といった、Webサイトを構築・運用する上で不可欠な多様な機能を提供する。システムエンジニアを目指す上で、HTMLの構造を理解することは基本であるが、link要素のようなメタデータを定義する要素が、Webサイト全体の品質にどのように影響を与えるかを深く理解することは、より高度な技術力を身につけるために極めて重要である。

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