Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

MDR(エムディーアール)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

MDR(エムディーアール)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

マネージド・ディテクション・アンド・レスポンス (マネージド・ディテクション・アンド・レスポンス)

英語表記

MDR (エムディーアール)

用語解説

MDRとは、Managed Detection and Response(マネージド・ディテクション・アンド・レスポンス)の略であり、企業や組織のIT環境におけるサイバー脅威を、専門のセキュリティアナリストチームが24時間365日体制で「検知(Detection)」し、「対応(Response)」までを一貫して「管理(Managed)」する、アウトソーシング型のセキュリティサービスである。これは、単にセキュリティ製品を導入するだけでなく、その製品から得られる情報を専門家が分析し、実際に脅威が確認された場合には迅速な封じ込めや駆除を行うことで、顧客のセキュリティ運用を全面的にサポートするものであり、高度化・巧妙化するサイバー攻撃から企業資産を守るための重要なソリューションの一つとして注目を集めている。

現代のサイバー攻撃は非常に高度化しており、従来のアンチウイルスソフトウェアやファイアウォールだけでは防ぎきれない標的型攻撃、ランサムウェア、サプライチェーン攻撃などが日々増加している。企業はセキュリティ強化の必要性を感じ、近年ではEDR(Endpoint Detection and Response)のような優れたエンドポイント監視ツールを導入するケースが増えている。EDRはエンドポイント上の不審な活動を詳細に記録し、脅威を検知する能力に優れているが、そこから生成される膨大なログやアラートを監視・分析し、適切な判断を下して対応するためには、高度な専門知識を持つセキュリティアナリストと、24時間365日体制で運用できるリソースが不可欠である。しかし、多くの企業ではセキュリティ専門人材の不足や、自社でのセキュリティオペレーションセンター(SOC)構築・運用リソース確保の困難さが課題となっており、MDRサービスはこの課題を解決するための手段として登場した。

MDRサービスは主に以下の機能を提供する。第一に、24時間365日の監視と高度な脅威検知である。企業のエンドポイント(PC、サーバーなど)、ネットワーク機器、クラウド環境などから収集されるログやデータ、特にEDRツールから得られる詳細な情報を、専門のセキュリティアナリストチームがリアルタイムで監視する。この際、AIや機械学習技術、最新の脅威インテリジェンスを活用し、通常の活動とは異なる不審な振る舞いや潜在的な脅威を早期に検知する。例えば、通常ではありえないプロセスが実行されたり、異常なネットワーク通信が発生したりした場合に、それを脅威と判断し、分析を開始する。第二に、プロアクティブな脅威ハンティングを行う。これは、既知のマルウェア署名だけでなく、システム内に潜伏している可能性のある未知の脅威や、攻撃者の痕跡を能動的に探し出す「攻め」の活動である。単にアラートを待つだけでなく、積極的に脅威を発見しようとする高度なアプローチにより、潜在的なリスクを未然に防ぐことを目指す。

第三に、迅速なインシデント対応である。脅威が検知された場合、MDRサービスは専門家が迅速にその脅威を分析し、攻撃の性質や影響範囲を特定する。そして、攻撃を受けたシステムをネットワークから隔離したり、マルウェアを駆除したり、設定を復元したりといった具体的な対応を遠隔で実行または支援する。これにより、攻撃による被害の拡大を最小限に抑え、企業の事業継続への影響を低減する。インシデント対応においては、攻撃の封じ込め、根絶、復旧という一連のプロセスを効率的に実行し、システムの正常化を図る。第四に、詳細な分析と報告である。インシデント発生後には、その根本原因や攻撃の手口、影響範囲、今後の対策に関する詳細な分析結果を報告し、再発防止策やセキュリティ体制強化のための具体的な助言を提供する。また、定期的な運用レポートも提供され、企業のセキュリティ状況を可視化し、継続的な改善をサポートする。

MDRサービスは、EDRをはじめとする様々なセキュリティツールやプラットフォームと連携して動作する。具体的には、エンドポイントからの詳細なプロセス情報や通信ログをEDRが収集し、それをMDRのプラットフォームが分析する。また、SIEM(Security Information and Event Management)により複数のセキュリティ機器からのログを統合・相関分析したり、SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)によりインシデント対応の一部を自動化したりすることで、効率的かつ高度なセキュリティ運用を実現している。多くのMDRベンダーはクラウドベースのアーキテクチャを採用しており、これにより柔軟なスケーラビリティと、常に最新の脅威インテリジェンスへのアクセスを可能にしている。企業はMDRを導入することで、高度なセキュリティ専門知識や24時間365日体制のセキュリティ運用能力を自社で持つことなく、外部の専門サービスとして享受できるため、セキュリティ人材の不足を補い、インシデント発生時の対応速度と品質を向上させ、最終的には組織全体のセキュリティレベルを大幅に向上させることが可能となる。特に、サイバー攻撃が多様化し、常に進化し続ける現代において、MDRは企業が安心してビジネスを継続するための強力な味方となるサービスである。

関連コンテンツ