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OLE(オーエルイー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

OLE(オーエルイー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

オブジェクト・リンク・アンド・エンベデッド (オブジェクト・リンク・アンド・エンベデッド)

英語表記

OLE (オーエルイー)

用語解説

OLEはObject Linking and Embeddingの略であり、Microsoft社が開発した、異なるアプリケーション間でデータや機能を共有・連携させるための技術である。システムエンジニアを目指す初心者が日常的に使うアプリケーションを想像すると分かりやすいかもしれない。例えば、Microsoft Wordで作成中の文書に、Microsoft Excelで作成した表やグラフを挿入したい場合がある。通常であれば、表を画像として貼り付けるか、テキストとしてコピー&ペーストすることになるが、これでは後から元のExcelの機能を使って編集することが難しい。

OLEはこの問題を解決するために生まれた。OLEを使うと、異なるアプリケーションで作成された「オブジェクト」を、まるでそのアプリケーションの一部であるかのように別のアプリケーション(コンテナアプリケーションと呼ぶ)に組み込むことができる。これにより、データの共有だけでなく、そのデータを生成した元のアプリケーション(サーバーアプリケーションと呼ぶ)の機能を使って、埋め込まれたデータ自体を直接編集することが可能になる。主な機能は「オブジェクトの埋め込み(Embedding)」と「オブジェクトのリンク(Linking)」の二つであり、これによって複数のアプリケーションが連携し、あたかも一つのアプリケーションであるかのように振る舞うことを目指した技術と言える。

OLEの核となる機能である「埋め込み」と「リンク」は、それぞれ異なる特性を持つ。

オブジェクトの埋め込み(Embedding)は、他のアプリケーションで作成されたデータを、そのデータのコピーとしてコンテナアプリケーションのファイル内に直接格納する方法である。例えば、Word文書にExcelの表を埋め込んだ場合、そのExcel表のデータはWord文書ファイルの一部となる。埋め込まれたオブジェクトは、元のExcelファイルが存在しなくても、Word文書内でExcelの機能を使って編集できる。編集はWord文書内で行われ、元のExcelファイル(もし存在すれば)とは独立しているため、元のデータに影響を与えることはない。この独立性は利点だが、コンテナアプリケーションのファイルサイズが大きくなる傾向があるという欠点も持つ。

一方、オブジェクトのリンク(Linking)は、他のアプリケーションで作成されたデータ本体をコピーして格納するのではなく、そのデータが保存されている場所への「参照」(リンク)だけをコンテナアプリケーションのファイル内に格納する方法である。例えば、Word文書にExcelの表をリンクした場合、Word文書にはExcelファイルへのパス情報などが記録される。編集する際は、そのリンクを辿って元のExcelファイルを開き、そこで編集を行う。元のExcelファイルが更新されると、Word文書内のリンクされた表も自動的にその変更が反映されるため、常に最新のデータを参照できるという大きな利点がある。しかし、元のExcelファイルが移動したり、名前が変更されたり、削除されたりすると、リンクが切れてしまい、データが表示できなくなる可能性があるという注意点がある。

OLEでは、オブジェクトを埋め込んだりリンクしたりした際に、コンテナアプリケーションのウィンドウ内で、そのオブジェクトを作成したサーバーアプリケーションのメニューやツールバーが表示され、まるでその場で元のアプリケーションが動作しているかのように編集できる機能を持つ。これは「インプレースアクティベーション」と呼ばれ、ユーザーがアプリケーションを切り替える手間なく、シームレスに作業を続けられるように設計された。

OLEは、Microsoftが提唱するコンポーネント指向プログラミングの基盤技術である「COM (Component Object Model)」の上に構築されている。COMは、ソフトウェアの部品(コンポーネント)を定義し、それらがどのように連携するかを規定する低レベルな技術フレームワークであるのに対し、OLEはCOMを利用して、ドキュメントの複合化やアプリケーション間のデータ交換といった、より高レベルな機能を実現するためのプロトコルやインタフェースの集まりである。OLEを通じて、異なる開発言語や環境で作成されたソフトウェア部品が、互いに協調して動作することを可能にした。

OLEは特にMicrosoft Office製品群で広く利用され、Word、Excel、PowerPointといったアプリケーション間でのデータ連携を強力にサポートした。これにより、ビジネス文書作成における生産性の向上に大きく貢献した。

現代においては、インターネットやWeb技術の進化により、Webブラウザを介したアプリケーション連携やクラウドサービスでのデータ共有が主流となり、OLEが直接使われる機会は減少傾向にある。しかし、OLEの概念や、それが基盤となったCOM、そしてその後のDCOM (Distributed COM)、COM+ (.NET Frameworkの基盤の一部) といった技術は、Windowsアプリケーション開発や分散システム構築において重要な役割を果たし続けている。OLEが確立した「コンポーネント(部品)を組み合わせてソフトウェアを構築する」という思想は、現代のソフトウェア開発パラダイムにおいても色褪せることなく、様々な形で継承されている重要な技術的遺産と言える。

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