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sudoers(スードゥアーズ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

sudoers(スードゥアーズ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

スーダーズ (スーダーズ)

英語表記

sudoers (スードゥアーズ)

用語解説

「sudoers」とは、LinuxやUnix系のOSにおいて、一般ユーザーが特定のroot権限(管理者権限)を一時的に借りてコマンドを実行することを許可・制御するための設定ファイルである。より具体的には、sudo コマンドの動作を規定するポリシーが記述されている。sudo コマンドは「substitute user do」(ユーザーを交代して実行する)または「superuser do」(スーパーユーザーとして実行する)の略とされ、一般ユーザーが自分自身のパスワードを入力することで、あらかじめ許可されたコマンドをroot権限や他のユーザーの権限で実行できるようにする。この機能は、システム管理において非常に重要であり、日々の運用で頻繁に利用されるが、その背後にあるセキュリティと権限管理の根幹をなすのがsudoersファイルだ。システムに不正なアクセスがあった場合や誤った操作が行われた場合に、システム全体が危険にさらされるのを防ぐため、必要最小限の権限のみを付与し、かつその権限の利用を厳格に管理することが求められる。sudoersファイルは、この「誰が、どのホストで、誰の権限で、どのコマンドを実行できるか」というルールを定義する。

sudoersファイルは通常 /etc/sudoers というパスに存在する。このファイルを直接編集することは推奨されず、必ず visudo コマンドを使用する必要がある。visudo コマンドは、sudoersファイルの構文チェックを行い、記述ミスがあった場合には保存を拒否する機能を持つため、誤った設定によってシステムからsudoの利用が不可能になる事態を防ぐ。また、複数の管理者が同時にファイルを編集しようとした際の排他制御も行うため、設定の整合性を保つ上で不可欠である。

sudoersファイルの設定エントリは、基本的に以下の四つの要素で構成される:

  1. ユーザー(Who): 誰がsudoコマンドを実行できるか。ユーザー名、ユーザーID、またはユーザーグループを指定する。
  2. ホスト(Where): どのホスト(コンピュータ)でコマンドを実行できるか。通常は ALL を指定し、どのホストでも実行可能とするが、特定のホスト名やIPアドレスを指定することも可能だ。
  3. 実行ユーザー(As_whom): どのユーザーの権限でコマンドを実行できるか。多くの場合、root権限で実行するため (root) または (ALL) を指定する。
  4. コマンド(What): どのコマンドを実行できるか。コマンドのフルパスで指定する。

最もシンプルな設定エントリは「ユーザー名 ALL=(ALL) ALL」という形になる。これは「指定されたユーザーが、どのホストからでも、すべてのユーザーの権限で、すべてのコマンドを実行できる」という意味だ。この設定は、そのユーザーがrootとほぼ同等の権限を持つことを意味するため、非常に強力であり、安易に与えるべきではない。

特定のコマンドに対してのみパスワード入力を省略したい場合は NOPASSWD: オプションを使用する。例えば「ユーザー名 ALL=(ALL) NOPASSWD: /usr/bin/apt update」と記述すると、指定されたユーザーはパスワードを入力することなく apt update コマンドをroot権限で実行できるようになる。しかし NOPASSWD オプションは、パスワードによる認証の手間を省く一方で、セキュリティレベルを低下させる可能性があるため、利用は慎重に行うべきだ。特に、他のコマンドを呼び出せるようなスクリプトやプログラムを NOPASSWD で許可してしまうと、意図せず広範囲な権限を与えてしまうリスクがある。

また、sudoersファイルでは、複数のユーザー、ホスト、実行ユーザー、またはコマンドをまとめて扱うための「エイリアス」を設定できる。User_Alias はユーザーグループを、Host_Alias はホストグループを、Runas_Alias は実行ユーザーグループを、Cmnd_Alias はコマンドグループを定義する。これにより、設定の可読性を高め、管理を容易にする。例えば、Cmnd_Alias MY_SERVICES = /usr/bin/systemctl stop apache2, /usr/bin/systemctl start apache2 のように定義しておけば、後続の設定で MY_SERVICES を指定するだけで、これら二つのコマンドを許可できる。

さらに、近年では /etc/sudoers.d/ ディレクトリを利用して設定を分割管理する方法が主流になっている。/etc/sudoers ファイル内に「#includedir /etc/sudoers.d」という行がある場合、このディレクトリ内のファイル(特定の命名規則に沿ったもの)もsudoers設定の一部として読み込まれる。これにより、異なるアプリケーションや目的ごとに設定ファイルを分けることができ、管理の柔軟性と安全性が向上する。例えば、ウェブサーバーの管理用、データベースの管理用といった形で個別のファイルを配置し、不要になった設定はファイルを削除するだけで済むようになる。

sudoersファイルを適切に設定することは、システムのセキュリティを維持する上で極めて重要である。不適切な設定は、システムへの不正アクセスや意図しない権限昇格を許す原因となる。常に「最小権限の原則」に基づき、必要最小限のユーザーに、必要最小限の権限で、必要最小限のコマンドのみを許可するように心がけるべきだ。そして、変更を加える際には必ず visudo コマンドを使用し、変更内容を十分にテストすることが、安全なシステム運用の基本となる。

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