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ユースケース図(ユースケースズ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

ユースケース図(ユースケースズ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ユースケース図 (ユースケースズ)

英語表記

Use Case Diagram (ユースケースダイアグラム)

用語解説

ユースケース図は、統一モデリング言語(UML)の一つであり、システムが外部環境からどのように利用されるか、その機能的な側面を記述するための図である。システムエンジニアを目指す初心者にとって、システムの要件を理解し、顧客や開発チームと共通認識を持つための非常に重要なツールとなる。システムの外部から見た振る舞いを視覚的に表現し、「誰が(アクター)システムに対して何をしたいのか(ユースケース)」を明確にするのが主な目的である。システム開発の初期段階、特に要件定義フェーズで活用され、これから構築するシステムのスコープや主要機能を関係者全員で確認するためのコミュニケーションツールとしての役割も大きい。

ユースケース図の詳細な構成要素とその役割について見ていく。ユースケース図は主に四つの要素で構成される。一つ目は「アクター」である。アクターは、システムと直接的に相互作用する外部の存在を指す。これは人間であるユーザーだけでなく、他の外部システムやデバイス、あるいは時間によって自動的にトリガーされるイベントなどもアクターとなり得る。ユースケース図では通常、棒人間で表現されることが多いが、これは特定の個人ではなく「役割」を意味する。例えば「顧客」「管理者」「決済システム」などがアクターとして定義される。

二つ目の要素は「ユースケース」である。ユースケースはシステムが提供する特定の機能やサービスを表現する。アクターがシステムを利用して達成したい目標や、システムが果たすべき具体的な振る舞いを記述するもので、楕円形で表現される。ユースケースの名前は通常、「商品を検索する」「注文を確定する」「在庫を確認する」のように、動詞と名詞を組み合わせた形で記述される。これにより、システムが何をするのかが明確になる。

三つ目は「システム境界」である。これは長方形で表現され、分析対象となるシステムの物理的または論理的な範囲を明確に示す。システム境界の内側にユースケースを配置し、境界の外側にアクターを配置することで、どの機能がどのシステムに含まれるのか、そしてそのシステムが誰によって利用されるのかを一目で理解できる。

四つ目は「関連」である。アクターとユースケースの間を結ぶ線で表現され、アクターがそのユースケースを利用すること、あるいはユースケースがアクターによって開始される関係を示す。関連は単なる線で描かれることが多いが、これによりアクターとユースケースの間の相互作用が明確になる。

さらに、ユースケース図ではユースケース間の関係性を示す二つの特殊な関連がある。「包含(Include)関係」と「拡張(Extend)関係」である。包含関係は、あるユースケースが別のユースケースの実行中に常に含まれる、または呼び出される場合に用いられる。これは共通の機能を複数のユースケースで再利用する際に有効であり、破線矢印で基底ユースケースから包含されるユースケースへと向かう。例えば「商品を注文する」ユースケースが常に「ユーザー認証を行う」ユースケースを含む場合、この関係を用いる。

一方、拡張関係は、あるユースケースが特定の条件下で別のユースケースの機能をオプションとして拡張する場合に用いられる。これは、基本となる機能に加えて、特定の状況でのみ発生する追加機能や例外処理を表現するのに適している。破線矢印で拡張するユースケースから基底ユースケースへと向かい、関連付けの横に「<<extend>>」というステレオタイプを付加する。例えば「商品を注文する」ユースケースに対して、特定の条件で「クーポンを適用する」ユースケースが拡張として追加される場合などである。

ユースケース図の最大の利点は、システムの要件を非技術者である顧客やエンドユーザーにも分かりやすい形で提示できる点にある。これにより、開発の初期段階で認識の齟齬を防ぎ、手戻りのリスクを低減できる。また、開発すべき機能の範囲、つまりスコープを明確にし、不要な機能の開発を防ぐことにも貢献する。ユースケース図を作成することは、各ユースケースの詳細な振る舞いを記述する「ユースケース記述」の基礎となり、さらにその後の詳細設計やテストケースの作成にもつながる。システム開発において、全体像を把握し、関係者間で共通理解を構築するための出発点として、ユースケース図は不可欠な存在なのである。

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